テレビ東京のドラマ『法廷のドラゴン』は、結局脱落することなく最終回まで楽しく観ることのできた、姉です。
最終回は前回から続く政治家スクープ訴訟の決着と、竜美と兎羽の過去が明らかになる話。
第7話で気になっていた「なぜ竜美は兎羽に“友達をなくす手”を指したのか」「なぜ兎羽は竜美を代理人に選んだのか」という疑問にも、きちんと答えが出た。
一方、元弁護士の衆議院議員・柘植はかなり周到に見えて、最後は自分で墓穴を掘ることに。
法廷での逆転も、竜美と兎羽の仲直りも、最終回らしくきれいに収まった回だった。
竜美が「友達をなくす手」を指した理由
前回から気になっていたのが、竜美が兎羽との最後の対局で、なぜ「友達をなくす手」を指し続けたのかということ。
兎羽にとっては、攻め切られて負けるよりも辛い負け方だった。
ところが竜美に悪意はなかった。
竜美は、その対局が終われば兎羽がいなくなってしまうと思い、少しでも長く一緒に将棋を指していたかった。
だから勝負を早く終わらせるのではなく、無我夢中で指し続けていた。
なるほど、理由はわかった。
ただ、将棋をまったく知らない私としては、兎羽の「そんな負け方は辛い」という気持ちはなんとなくわかっても、竜美の行動については、
「そういうものなのか?」
という感じも少し残った。
それでも、竜美自身は兎羽を傷つけるつもりなどまったくなかったことは伝わってくる。
竜美と兎羽はようやく仲直り
3年半前の対局について、お互いがずっと言えなかったことを話した竜美と兎羽。
竜美は、自分の指し方で兎羽を傷つけたことを謝る。
一方の兎羽も、負けを認める言葉も礼も言わず、その場を去ってしまったことを謝る。
そして2人とも、
「もういいよ」
と相手を許す。
ずっと引っかかっていたことは、話してみればお互いの受け取り方が違っていただけだった。
第7話から引っぱったわだかまりも、ようやくここで解けた。
兎羽が竜美を代理人に選んだ理由
もうひとつ前回わからなかったのが、兎羽がなぜ竜美に弁護を頼んだのか。
こちらの理由は意外とシンプルだった。
兎羽は今回の裁判を乗り切るために、誰かの力が必要だった。
そして、その相手は自分が心から信じられる人でなければならなかった。
だから竜美を選んだ。
長い間わだかまりがあっても、それでも最後に頼りたいと思った相手が竜美だったということになる。
そう考えると、2人の関係は完全に壊れていたわけではなかったのだろう。
元弁護士の柘植、周到に見えて意外と詰めが甘い
今回の訴訟では、報道記者の兎羽が書いた衆議院議員・柘植の記事が捏造だとして名誉毀損で訴えられていた。
柘植の本当の狙いは、兎羽が内緒で録音していた音声データを、和解によって封印すること。
和解条件に「すべての取材資料の破棄」を入れてしまえば、裏金問題につながる録音も消せる。
なかなか周到。
……と思ったのだけれど、よく考えると少し変。
その日、柘植はインタビューを中断して、兎羽の上司である報道デスクの黒須とも会っている。
しかも黒須からは、内部告発による裏金疑惑について直接質問されている。
兎羽が録音している可能性には気づいたのに、報道機関の人間が他にも記録を残している可能性は考えなかったのだろうか。
さらに内部告発者本人も生きている。
裏金問題そのものを隠したいなら、兎羽ひとりの録音を消せば済む話ではない。
元弁護士だけにもっと抜け目のない相手なのかと思っていたけれど、最後は自分から余計なことを話してしまい墓穴を掘る。
巧妙そうに見えて、意外と浅はかだった。
虎太郎と利江も最終回でしっかり活躍
最終回でよかったのは、竜美ひとりが全部解決するわけではなかったこと。
逮捕されていた虎太郎も、利江も、それぞれ動いて逆転につながる材料を集めていく。
最後に竜美が法廷で決めるとはいえ、そこにたどり着くまでには周囲の助けがある。
最初の頃は竜美に振り回されている感じもあった歩田法律事務所だけれど、最終回ではきちんとチームになっていた。
そこも見ていて爽快だった。
最終回でも袴の着替えルーティンはなかった
竜美が法廷に立つ時の勝負服姿は、今回もやっぱりかっこいい。
ただ、個人的には少し残念なことも。
第1話で見た、たとう紙から着物を出して、真っ赤な着物と黒い袴にビシッと着替えるルーティン。
最終回くらいは、あれをもう一度しっかり見たかった。
毎回のお決まりになるのかと思っていたので、最後まで定番化しなかったのは少し意外だった。
全8話見て一番よかったのはキャスト
『法廷のドラゴン』を全8話見て、一番印象に残ったのはキャストの皆さんがよかったこと。
特に天童竜美を演じた上白石萌音さん。
かなり癖のある主人公だけれど、安心して観ていられた。
虎太郎役の高杉真宙さんや利江役の小林聡美さんとのバランスもよく、毎話登場するゲストも楽しみだった。
将棋は駒の動かし方もルールもわからないまま最後まで観たけれど、それでも十分楽しむことはできた。
ただ、やっぱり少しでも将棋がわかれば、もっと面白かったのだろうなとも思う。
まとめ|最後まで将棋と法廷を貫いた全8話
最終回は、「友達をなくす手」に込められていた竜美の気持ちや、兎羽が竜美を代理人に選んだ理由が明らかになり、2人の関係にもようやく決着がついた。
一方、法廷では元弁護士の柘植が自分で墓穴を掘り、竜美たちが逆転。
最初から最後まで、将棋と法廷という組み合わせを崩さず全8話を走り切ってくれたのもよかった。
中だるみもなく、結局最後まで楽しく観ることができた。
将棋を知らなくても楽しめたので、もし続編があるなら、また竜美たちを見てみたい。

