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【相棒23】第18話感想|100億円の税金と都知事、その背後にいる「怪物」とは

相棒シーズン23 ドラマ感想(コラム)
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『相棒 season23』第18話「怪物と聖剣」は、最終回スペシャル前篇らしく、かなり盛りだくさんの内容だった。

連続強盗事件から始まり、都議宅への襲撃、100億円を超える税金の流出、都知事・一岡光の疑惑、さらに右京さんへ自ら近づいてくる謎の男・浦神鹿。

話はどんどん大きくなっていくのに、意外なほど引っかからずに進んでいく。

政治と利権を扱う話は、規模を広げすぎると急に現実味が薄くなることもある。

今回はまだ「都政の闇」という範囲に収まっているので、このまま最終回でも国内政治の話としてきれいに着地してくれたらいいと思う。

連続強盗の中に一件だけ異質な事件がある

右京さんたちは、トクリュウによる連続強盗事件の捜査に加わる。

最初の三件では、盗まれたのは小銭や財布、数万円程度の品ばかりだった。

ところが四件目、都議・橋迫倫子の自宅だけは明らかに様子が違う。

犯人たちは長時間家に居座ったにもかかわらず、金品をほとんど盗んでいない。

さらに部屋の壁を真っ黒に塗りつぶしていた。

右京さんは、四件の強盗事件すべてが同じ目的ではなく、三件を隠れみのにして本命の一件を紛れ込ませたのではないかと考える。

ここから単なるトクリュウ事件だった話が、一気に政治の話へ変わっていく。

黒く塗られた部屋と「のり弁」がつながる

橋迫倫子の事務所には、以前から匿名の内部文書が送られていた。

そこには、都の公共事業や助成金を通じて、年間100億円以上の税金がさまざまな団体へ流れていることが記されていた。

倫子が開示請求をすると、公文書は真っ黒に塗りつぶされた状態で出てくる。

いわゆる「のり弁」である。

そして今回、強盗犯たちは倫子の家まで黒く塗りつぶした。

かなり分かりやすい警告である。

金を盗むのではなく、

「これ以上調べるな」

と伝えるための強盗だった可能性が高くなる。

黒塗りの文書と黒塗りの部屋。

少々ベタではあるが、視覚的にも分かりやすく、今回の話の象徴としてよくできていた。

一岡都知事は本当に改革者だったのか

疑惑の中心に浮かんでくるのが、東京都知事の一岡光。

一岡はもともと政治家ではなく、役者や芸人などを経験した後、都知事選へ立候補した人物だった。

前知事の不正を追及し、既存の政治を壊す改革者として支持を集めてきた。

ところが今回判明した税金の流れを見ると、与党側だけでなく野党側の関係団体にも金が配られている。

つまり、古い利権を壊したのではなく、自分がその中心に座り直しただけなのではないか。

右京さんはそんな可能性を疑う。

改革者として現れた人物が、いつの間にか新しい利権の頂点に立っている。

古い怪物を倒した英雄が、自分自身も怪物になっていたとすれば、なかなか皮肉な話だ。

「何者かになりたかった人」という右京さんの見方

一岡について、右京さんは「何者かになりたかった人」という印象を口にする。

この言葉が妙に引っかかる。

政治家になりたかったというより、有名人でも作家でも政治家でもいいから、とにかく「何者か」になりたかった。

その人物が偶然なのか誰かの後押しなのか、都知事という大きな肩書きを手に入れた。

そして今度は国政へ進もうとしている。

権力そのものを目的にしている人間だった場合、どこまで行けば満足するのか分からない。

右京さんが最後に、

「この男、ここで止めておかないと、大変なことになる」

と警戒したのも納得できる。

右京さんへ近づく浦神鹿が一番怪しい

今回、最も正体が分からないのが浦神鹿である。

紅茶の店で右京さんへ偶然を装って接触し、小説家志望だと名乗る。

しかも書きたいテーマは「悪」。

悪によって世界が変わり、その恩恵を受ける人もいるという話をする。

いかにも何かありそうな人物である。

さらに最後には、一岡の周囲に集まる政財界の人間たちの会合へ普通に姿を現す。

右京さんへわざわざ近づいておいて、実は権力の中心にもいる。

敵なのか味方なのか、それともさらに別の立場なのか。

最終回前篇なので当然なのだろうが、今回最も気になる人物だった。

「キズナチキン」と子ども無料が妙に気になる

事件の本筋とは別に、どうしても気になったのが唐揚げ店である。

店名は「絆鶏」と書いて「キズナチキン」。

さらに高校生以下は無料。

普通に考えれば、地域の子どもたちを支援する善意の店である。

しかし、これが『相棒』の最終回前篇に出てくると、どうにも疑ってしまう。

子どもたちへ無料で食事を提供して恩を売り、将来どこかで利用するつもりなのではないか。

さすがに考えすぎかもしれない。

ただ「絆」という名前まで付いているので、わざわざ登場させた以上、何かしら意味があるのではないかと勘ぐってしまう。

『相棒』を長く見ていると、普通にいい人やいい店が出てきても、とりあえず一回疑う癖がつく。

トクリュウすら誰かの道具なのか

今回出てきた実行犯たちは、自分たちが組織の全体像を知っているわけではない。

「上の人」から指示され、個人情報を握られ、言われるまま犯罪を行っている。

さらに鶏の入れ墨をした人物まで、事件の責任を押しつけるために用意された可能性が出てくる。

トクリュウという巨大な犯罪組織を追っていたはずなのに、そのトクリュウ自体が誰かに利用されているのだとしたら話はさらにややこしい。

表にいる犯罪者。

その上にいる指示役。

さらにその背後で政治や金を動かしている人間。

どこまで上がっても「上の人」がいる。

今回のタイトルにある「怪物」とは、一人の人物を指しているのか、それともこの構造そのものなのか。

最終回でその正体が明らかになるのだろう。

最終回は後味よく終わるのか

一岡は最後に、都知事から国政へ進出すると宣言した。

もし本当に巨大な利権の中心人物なら、ここで止めなければさらに大きな権力を手にすることになる。

右京さんが真実へたどり着けないまま終わる可能性は低いと思う。

問題は、真実を明らかにした後だ。

怪物たちがきちんと失脚し、分かりやすく決着するのか。

それとも一部の人間は逃げ切り、「世の中そんなに簡単ではない」という後味の悪い終わり方をするのか。

個人的には、話がしっかりまとまっているならどちらでも構わない。

ただ、政治の闇から国際的な巨大陰謀にまで急拡大して、最後だけ強引に片づける展開にはならないでほしい。

今のところは盛りだくさんの材料をうまく整理できている。

この勢いのまま、最終回を見届けたい。

まとめ|「怪物」が誰なのかまだ分からない最終回前篇

『相棒 season23』第18話「怪物と聖剣」は、連続強盗事件から始まり、100億円を超える税金の流出と都知事の疑惑へつながる最終回スペシャル前篇だった。

内容はかなり多いが、話の進み方はテンポがよく、意外と混乱せずに見られる。

一岡都知事、謎の男・浦神鹿、トクリュウを動かす「上の人」。

怪しい人物はいくらでもいるが、まだ誰が本当の怪物なのかは分からない。

そして個人的には、政治の巨大な闇と同じくらい「キズナチキン」が気になっている。

それが完全な考えすぎなのかどうかも含めて、次週の最終回で確かめたい。

前回の感想はこちら。

【相棒23】第17話感想|スカルのトップ「ユキチ」はなぜこんなに迂闊だったのか

次回の感想はこちら。

【相棒23】最終回感想|一岡を倒しても終わらない、「新世代のフィクサー」浦神鹿の不気味さ

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