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【1972 渚の螢火】最終回感想|事件はモヤモヤ、でも最後の新聞記事が強く残った

ドラマ感想(コラム)
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先週に続き、WOWOW 連続ドラマW『1972 渚の螢火』第5話(最終話)を見てみた、姉です。

原作は坂上泉さんの同名小説。本土復帰目前の1972年の沖縄で起きた100万ドル強奪事件を追うクライムサスペンス。

最終話では、100万ドル強奪事件、19年前のシズ殺害事件、ミラー、川平、宮里、そして玉城の過去まで一気に決着する。

ただ、事件そのものは終わったものの、外交官ミラーが殺害された件や玉城のその後など、個人的にはかなりモヤモヤの残る終わり方だった。

一方、本編後のエンドロールで本土復帰後の沖縄を伝える新聞記事が次々に映し出される場面はとても印象的。

事件の結末以上に、最後の数分が強く記憶に残った。

原作小説は未読なので、少しネタバレを含む感想を書いていきます。

宮里、ミラー、川平は全員死亡

本土復帰まで残り17時間。

川平は100万ドルを渡すとミラーを「サザンクロス」へ呼び出し、19年前に殺されたシズの復讐を果たそうとする。

そこへ真栄田たち琉球警察と、イケザワ率いるCIDが到着。

最終的には宮里がミラーに撃たれ、ミラーは川平に撃たれ、川平はCIDに撃たれて死亡する。

前回の時点で、

「宮里、川平、ミラーあたりは誰か死にそう」

とは思っていたけれど、結局3人とも死亡。

かなり血なまぐさい決着となった。

宮里の敵討ちは果たせなかった

印象に残ったのが、宮里がミラーへ襲いかかる場面。

川平が確保されたあと、外交官であるミラーにはその場で手を出せない。

ミラーはそのまま立ち去ろうとする。

すると隠れていた宮里が刃物を持って襲いかかる。

ミラーは助けを求める。

真栄田は止めに入ろうとするけれど、刑事部長の喜屋武がそれを制止する。

他の警察官も宮里を止めない。

ここがなんとも印象的だった。

19年前、ミラーに姉・シズを殺された宮里。

警察は犯人がわかっていたのに外交官特権の前では何もできなかった。

だから今回も、

「自分たちには止める資格がない」

というような思いがあったのかもしれない。

でも結果として、宮里はミラーを倒すことができず、逆に撃たれて死亡。

姉も弟もミラーに殺される。

かなり無念。

外交官ミラー殺害はどう処理された?

その後、川平がミラーを撃つ。

今度はミラーが死亡。

そして川平もCIDに射殺される。

100万ドルは無事に回収される。

本土復帰直前に最優先だった問題は、これでひとまず解決。

ただ、ずっと気になったのは、

「外交官のミラーが殺された件はどうなるの?」

ということ。

イケザワと真栄田はこれまで、外交官であるミラーが沖縄で殺されれば外交問題になりかねないと話していた。

でも結局、ミラーは琉球警察とCIDがいる目の前で撃たれて死亡。

その後、遺体が運び出され、イケザワが真栄田へ敬礼。

日付が変わり、5月15日の本土復帰を迎える。

もしかすると最後の敬礼には、

「この件はこちらで処理する」

という意味もあったのだろうか。

でも、その後どう処理されたのかは特に説明されない。

あれだけ外交問題になると言っていたので、ここはちょっとモヤモヤした。

正美はその後どうなった?

川平と宮里がサザンクロスにいることを警察へ知らせたのは、正美。

2人を助けてほしいと警察に出頭する。

正美が100万ドル強奪事件にどこまで関与していたのかは、最後まで少しわかりにくかった。

そして事件後どうなったのかも描かれない。

逮捕されたのか。

事情聴取だけで終わったのか。

何らかの罪に問われたのか。

主要人物のひとりだったので、正美のその後も少し知りたかった。

玉城の正体

最終話でもうひとつ大きな軸となったのが玉城。

前回、自分の過去を知っている稲嶺の首を絞めて殺害し、そのまま姿を消していた。

真栄田が玉城の家へ行き、稲嶺殺害について令状請求の準備をしていると告げる。

すると玉城は、その前に行きたい場所があると言う。

2人が向かったのは海辺。

そこは、玉城がかつて「うちなーんちゅ」を殺した収容所があった場所だった。

玉城はなぜ川平に従い続けたのか

沖縄戦当時、玉城は少年兵で構成された「護郷隊」の小隊長だった。

激戦で隊は全滅。

その後、収容所を襲っていた上官のもとへ合流し、いつの間にかその行為へ加担する。

そして上官から、収容所の人間は敵側へ落ちたスパイだと決めつけられ、見せしめとして殺せと命令される。

玉城はそれに従い、同じ沖縄の人間を殺してしまう。

その現場を見ていたのが川平。

後に玉城が琉球警察へ入ったことを知った川平は、その過去を材料に玉城を脅迫。

シズの復讐が果たされるまで、計画すべてに加担するよう求める。

こうして玉城は警察内部のインフォーマーになった。

玉城にはちょっと幻滅

この告白の場面はかなり長く時間が取られている。

玉城が戦争中に置かれていた状況。

命令に逆らえなかったこと。

その罪悪感。

川平に過去を握られていたこと。

いろいろな事情はわかる。

でも、それを聞いても個人的にはあまり玉城に同情できなかった。

何より、最終的に稲嶺まで殺している。

過去の過ちを隠すために、さらに現在で人を殺す。

真栄田は玉城をかなり信頼していた。

自分の子供の名付け親になってほしいとまで思っていた。

だからこそ、余計に残念。

玉城にはちょっと幻滅した。

玉城はその後どうなった?

玉城はすべてを真栄田へ話し、その後警察署へ向かう。

でも、そこまで。

どんな罪に問われたのか。

どんな判決を受けたのか。

そこは描かれない。

前回、勝手な想像で、

「玉城は自責の念から死ぬのでは?」

と思っていた。

実際には自首する方向へ進む。

それ自体はよかったと思う。

ただ、稲嶺殺害までしているので、その後どうなったのかはやっぱり知りたかった。

事件の結末は少しモヤモヤ

100万ドルは回収された。

宮里、ミラー、川平は死亡。

玉城は自分の過去を告白。

事件そのものは一応終わる。

でも、

外交官ミラー殺害はどう処理された?

玉城はどんな罪に問われた?

正美はどうなった?

というところはわからないまま。

全5話でずっと100万ドルを取り戻さなければ外交問題になる、と描いてきたので、最後までその後始末をもう少し見せてほしかった。

その意味では、個人的には少しモヤモヤした最終回だった。

エンドロールの新聞記事が印象に残った

ただ、本編が終わったあとのエンドロールはとても印象的だった。

沖縄が本土へ復帰してからの出来事を伝える新聞記事が、次々と映し出される。

戦後初代知事。

沖縄国際海洋博。

具志堅用高さんの世界タイトル。

米兵による少女暴行事件への抗議。

基地問題。

平和の礎。

普天間基地。

沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落。

辺野古。

オスプレイ。

慰霊の日。

そして現在まで続く基地をめぐる問題。

ドラマの事件は1972年5月15日で終わる。

でも沖縄の歴史はそこで終わらない。

本土へ復帰すればすべて解決するわけでもない。

第1話からずっと「本土復帰まであと○日」とカウントダウンしてきたので、どこか5月15日がゴールのように見えていた。

でもエンドロールを見ると、

「そこからまた続いている」

ということを突きつけられる。

最後に航空機のプロペラ音で終わるのも含めて、とても印象に残った。

全5話を見て|知らない沖縄を知るきっかけになった

『1972 渚の螢火』全5話を見終えた。

本土復帰直前の沖縄を舞台にした話ということで、戦争やアメリカ統治時代の理不尽な出来事も出てくるのだろうとは思っていた。

実際に見てみると、知らないことばかり。

「戦果アギヤー」。

「清明祭」。

「アメリカ世」。

「戦争マラリア」。

ドラマで初めて知り、見終わったあとに自分で調べた言葉も多かった。

沖縄の言葉は最後まで難しかった

一方で、全話を通して気になったのが沖縄の言葉。

会話の中にかなりたくさん出てくる。

でも標準語の意味は表示されない。

字幕を出して見ても沖縄の言葉がそのまま表示されるので、

「多分こんな意味だろう」

と想像しながら見ることになった。

ドラマの雰囲気としては、そのほうが自然なのだと思う。

でもせっかくなら、ちゃんと意味を知りたかった。

そこは最後まで少し残念だった。

まとめ|事件より「沖縄を何も知らない」と気づいたことが残った

『1972 渚の螢火』最終話は、事件の結末としては少しモヤモヤが残った。

外交官ミラーが殺害されたあとの処理。

玉城のその後。

正美のその後。

もう少し知りたかったことはある。

それでも全5話を見て一番残ったのは、事件の謎そのものではなかった。

沖縄のことを、自分は本当に何も知らない。

そのことを改めて感じた。

ドラマの中でいうところの、沖縄へ行ったこともない「ないちゃー」の私。

本土復帰。

アメリカ統治。

沖縄戦。

基地。

それぞれ言葉としては知っていても、その時代に暮らした人たちが何を感じ、どういう立場に置かれていたのかまではほとんど知らなかった。

事件の結末にはモヤモヤしたけれど、最後の新聞記事まで含めて、いろいろ考えさせられるドラマだった。

そういえば、真栄田の子供は結局誰が命名したんだろう。

そこもちょっと気になる。

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