日本版『怪物』と、オリジナル韓国版『怪物』の第3話を両方見てみた、姉です。
日本版は全10話、韓国版は全16話。
第1話・第2話と見比べてきたけれど、第3話になると、物語の大きな流れは似ていても、人物の追い詰められ方や周囲の描き方に少しずつ違いが見えてきた。
そして今回、特に印象に残ったのが韓国版第3話のエピソードタイトル「笑う」。
日本版でも韓国版でも、富樫と八代、ドンシクとジュウォンが要所要所で印象的に笑う。
その「笑い」が何を意味しているのか考えながら見ると、第3話はかなり面白かった。
日本版は48分、韓国版は1時間3分
第3話の長さは、日本版が約48分。
韓国版は約1時間3分。
今回も韓国版のほうが15分ほど長い。
そのぶん、韓国版は人物同士のやり取りや周囲の描写に時間を使っている。
日本版は全10話なので、事件の本筋や今後につながる情報を早めに見せている印象がある。
第3話まで見ると、この違いはだいぶはっきりしてきた。
再開発計画は日本版のほうが前に出ている
日本版では、舞台となる羽多野町の再開発計画がかなり早い段階から描かれている。
第3話では、計画に関わる建設会社代表・中林が、昔馴染みということで八代の父・正義に電話をかける。
一方、韓国版では再開発計画について、今のところそこまで大きく扱われていない。
建設会社代表のイ・チャンジンは登場するものの、第3話時点ではまだ少し顔を見せる程度。
日本版では再開発を物語の縦軸として早めに前へ出しているように見える。
ちなみに韓国版のイ・チャンジンを演じるホ・ソンテさん。
どこかで見たことがあると思ったら、『イカゲーム』のチャン・ドクス、101番だった。
こういうところで「あ、この人だったのか」と気づくのも海外ドラマを見る楽しみのひとつ。
八代の父とジュウォンの父では厳しさが違う
八代がおとり捜査に失敗したことについて、警察庁上層部にいる父親から責められる場面は両方にある。
ただ、韓国版の父親のほうがかなり厳しい。
ジュウォンへ怒鳴り、強い言葉で追い詰める。
息子に対する期待や、自分の立場を守りたい思いがかなり露骨に見える。
日本版の正義も冷たい人物ではあるけれど、韓国版ほど激しく感情をぶつける感じではない。
この違いのせいか、韓国版のジュウォンのほうが父親からかなり強く抑えつけられているように見えた。
富樫は「監禁罪」、ドンシクは「拉致及び傷害容疑」
第2話では、行方不明になる前の美緒にあたる人物を、富樫とドンシクがそれぞれ保護する場面にも違いがあった。
日本版の富樫は自宅で休ませ、韓国版のドンシクは派出所で休ませている。
そして第3話では、その違いが少し別の形で効いてくる。
娘の指が見つかり、富樫/ドンシク自身にも疑いが向けられる。
日本版の富樫は「監禁罪」の疑いで家宅捜索を受け、署で話を聞かれることになる。
一方、韓国版のドンシクは「拉致及び傷害容疑」で逮捕され、その場で手錠をかけられる。
同じように疑われる展開でも、韓国版のほうが扱いがかなり厳しい。
こうした細かな違いで、2人の置かれている状況の重さも少し変わって見える。
想像なのか現実なのかわからなくなる演出
第3話では、日本版も韓国版も少しトリッキーな見せ方が増えてくる。
画面に映ったからといって、それが必ず現実とは限らない。
人物の想像だったり、夢だったりする。
「今のは本当に起きたこと?」
と思いながら見ていると、こちらまで疑心暗鬼になってくる。
もともと富樫/ドンシクが何を考えているのかわからない人物なので、この演出が入ることでさらに真相が見えにくくなる。
第3話あたりから、本格的に「誰を信じればいいのかわからないドラマ」になってきた気がする。
第3話「笑う」というタイトルが秀逸
韓国版第3話のタイトルは「笑う」。
見終わってみると、このタイトルがかなり印象に残った。
ドンシクもジュウォンも、第3話では要所要所で笑う。
でも、同じ笑顔ではない。
相手を挑発するような笑い。
何かをごまかすような笑い。
本心を隠すような笑い。
見ていて不気味になる笑い。
日本版でも富樫と八代がそれぞれ印象的な笑い方をする。
安田顕さん、水上恒司さん、シン・ハギュンさん、ヨ・ジングさん。
同じ場面にあたるところでも、それぞれの「笑い」の演技が少しずつ違う。
ストーリーだけを比べるのではなく、こういう演技を見比べられるのも、日本版と韓国版を両方見る面白さだと思う。
第3話まで大きな流れはかなり近い
ここまで細かな違いはいろいろあるけれど、事件の大きな流れや第3話の着地点は両作品ともかなり近い。
全16話と全10話という大きな差があるわりには、今のところ日本版はオリジナルの骨格をかなり大切にしている。
その中で、再開発計画を早めに出したり、人物の性格や行動を少し変えたりしている。
このまま圧縮しながら進むのか。
それとも途中から日本版独自の展開が増えてくるのか。
そろそろそこも気になってきた。
まとめ|第3話はストーリーより「笑い」の違いが面白かった
日本版と韓国版の『怪物』第3話を見比べると、今回も大きな事件の流れはかなり似ていた。
一方で、再開発計画の扱いや父親からの圧力、富樫とドンシクが疑われた時の扱いなど、細かな違いは増えている。
そして一番印象に残ったのは、韓国版のエピソードタイトルにもなっている「笑う」。
何を考えているのかわからない人物たちが見せるさまざまな笑顔を、日本版と韓国版で見比べるのが面白かった。
第4話では、この不気味な笑いの裏にあるものがどこまで見えてくるのか。
引き続き両方見てみようと思う。
