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【リーガルビート】最終回感想|村主の正体が判明!40年前の秘密とムックを救った逆転裁判

ドラマ感想(コラム)
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『リーガルビート ~逆転の法廷~』最終回(第9話)では、殺人容疑で逮捕されたムックこと椋井岳を救うため、泰地たちが都知事・村主功の隠してきた秘密に迫る。

ムックの供述を全面否定する村主。しかし、「えびアレルギー」や40年前の定食屋、無戸籍だった佐藤亮造について調べていくうちに、村主と佐藤の間にあった驚きの事実が浮かび上がってくる。

そして法廷では、泰地と星が村主を証言台へ引っ張り出し、40年前から続く嘘を追及することに。

かなり駆け足で情報を詰め込んだ最終回ではあったものの、ムックを陥れた村主をみんなで追い詰める展開は痛快。最後まで「声なき声」に寄り添う『リーガルビート』らしい決着となった。

最終回3行まとめ

  • ムックの無実を証明するため、泰地たちは佐藤亮造と村主功の40年前の秘密を追う
  • 村主と佐藤は人生を入れ替えており、佐藤を襲った真犯人も村主だったことが判明
  • 決定的なドラレコ映像によって村主を追い詰め、ムックは無事に救われた

村主はえびアレルギー

ムックが佐藤亮造を殺害したとされる裁判の弁護は、星の兄・信隆から雪村法律事務所へ引き継がれる。ムックの供述を裏付けるには村主の協力が必要ということで、星と泰地は村主都知事を訪ねた。

その際、星は高級海老せんべいを手土産にするが、村主から子どもの頃から「えびアレルギー」だと告げられてしまう。

泰地は、ムック本人の希望で弁護を引き継いだこと、正当防衛を立証して無罪を勝ち取るつもりだと村主に伝える。

さらに星と泰地は、ムックが毎月佐藤のもとへ通っていたのは村主の依頼だったこと、ムックと佐藤の間には殺害動機がないことを証言してほしいと頼む。そして、佐藤亮造とは何者なのか、なぜ毎月荷物を届けさせていたのかも尋ねた。

しかし村主は、荷物を預けたことも佐藤という男を知っていることもないと全面否定。ムックが罪を逃れるために嘘をついているのだと切り捨てる。

星が手土産に海老せんべいを選んだことで、村主が子どもの頃から「えびアレルギー」だったことが判明した。手土産としては失敗だが、この「えびアレルギー」が後に謎を解く重要な手がかりになるので、結果的には星のチョイス大成功である。

セカンドインパクト症候群

星はムックの供述と泰地の推測を検証するため、被害者・佐藤亮造の司法解剖について再鑑定を依頼した。

泰地の推測どおりだとすれば、ムックが訪れる前に何者かが佐藤の家を訪れ、凶器で後頭部を殴打。佐藤は脳震とうを起こし、その後にムックが訪ねてきたことになる。

このとき佐藤は、鈍器で殴られた外傷によって視覚野を損傷し、一時的に目が見えなくなっていた可能性があった。そのため、目の前にいたムックを犯人だと誤認し、襲いかかったと考えられる。

ムックはとっさに佐藤を突き飛ばし、佐藤は再び後頭部を強打した。最初の頭部損傷から十分に回復しないうちに2度目の衝撃を受けると、脳の血管が破綻しやすくなる。これが「セカンドインパクト症候群」と呼ばれる現象だという。

つまり、佐藤が死亡したのは最初の頭部損傷があったからで、ムックが突き飛ばしたことだけでは致命傷にならなかった可能性がある。

ただし、これはあくまで仮説。それを立証するには、ムックより先に佐藤を殴った犯人の存在を証明しなければならない。

この「自分が殺してしまったと思ったら、実はその前に致命傷につながる原因があった」という展開は、いろいろな作品で見かけるパターン。前回、「鈍器で殴られたとみられる打撲痕が致命傷で、頭部には床へ打ちつけた跡もあった」と説明されていたので、もしやいつものパターンか?と思っていたが、今回もどうやらその方向だった。

ムック以外の犯人を追う

村主はムックの話を嘘だと否定し、自分は事件に関係ないと協力を拒む。そこで雪村法律事務所の3人は、それぞれ手分けして事件を調べていく。

犯人の存在

泰地は、佐藤のアパートの下の階に住む鏑木敏子のもとへ、事件当日にベトナム人の訪問介護ヘルパー・タオが来ていたことを突き止め、事務所で話を聞く。

タオは以前、佐藤が階段で転んで腰を痛めた際に助けたことをきっかけに、たまに話をするようになった。病気の母親の治療費を稼ぐため日本で働いているタオの話を、佐藤はいつも聞いてくれたという。そのお礼に、タオは鏑木と佐藤へ花瓶をプレゼントしていた。

それから佐藤は毎月、タオに少しずつお金を渡すようになる。さらに事件の数日前には、母親の治療費があといくら必要なのかを尋ね、全額払うと申し出た。

佐藤は、「金ならすぐ用意できる。あいつは俺には逆らえない。これは俺の権利なんだよ。俺には自分を証明するものが何もない。俺が生きた証を残したいんだ。頼む。もらってくれないか」と言う。しかしタオは、その様子を怖く感じて申し出を断った。

事件当日、タオが下の階で鏑木の訪問介護をしていると、上から大きな声と人が倒れるような音が聞こえた。心配になって佐藤の部屋を訪ねると、中から「トントン」とノックの音が聞こえたため、その場を離れたという。

ところが事件の翌日、タオの職場に電話が入る。佐藤から金を受け取っていたことを持ち出され、「この国にいたいのなら、あのアパートで見聞きしたことを誰にも話すな」と脅された。

泰地たちは裁判で証言してほしいと頼むが、タオは犯人に知られれば仕事を失い、日本にいられなくなるかもしれないと拒否する。

それでもタオの証言によって、事件発生直後にムックとは別の誰かが佐藤の部屋にいたこと、そしてそれを知るタオが脅迫されていたことが判明した。

泰地が以前、佐藤のアパート付近で見かけた女性もタオだった。ただ、なぜあのときアパートを見張るようにしていたのかは、最後までよくわからないままだった。

また、佐藤が書店でベトナム語の本を取り寄せていたのは、タオともっと話したかったかららしい。なぜあの本なのか気になっていたが、どうやら単純にベトナム語の会話本を注文していたということのようだ。

そして、佐藤が襲われた際の凶器と思われる破片は、タオが鏑木と佐藤にプレゼントした花瓶のものだった。

卒業アルバム

佐藤と村主の接点を探すため、泰地たちは週刊誌の記者・三戸に協力を頼む。三戸は、村主が裏で糸を引いていたと思われる裁判以降、その化けの皮を剥がそうと取材を続けていた。

三戸によると、村主は高校時代に両親を事故で亡くし、地主だった両親の遺産で明陵大学へ進学。しかし金遣いが荒く、ギャンブルで多額の借金を抱え、人付き合いも悪く友人もほとんどいなかったという。

ところが大学卒業後は人が変わったように働き、借金を完済。その後は飲食事業を大成功させ、現在の地位まで上り詰めていた。

今の村主からは想像もできない青春時代だが、それ以上に気になるのが高校の卒業アルバム。そこに写る村主には、現在の面影がほとんどない。

一方、被害者の佐藤はギャンブル好きだった。村主も大学時代、約40年前にギャンブルへハマっていたことがわかるが、この時点では2人を直接つなぐ接点までは見つからない。

高校の卒業アルバムに写る村主は、ちょっと違和感があるどころか、かなり別人に見える。村主は大学時代にギャンブルで多額の借金、殺された佐藤もギャンブル好き。しかも卒業アルバムの写真だけで言えば、今の村主より佐藤のほうが似ているような……。

約40年前とはいえ、高校卒業時なら18歳前後。整形したとか、劇的に体型が変わったとかでもなければ、多少は面影が残りそうなものだけど。

無戸籍者・佐藤亮造

佐藤が住んでいたのは無審査の賃貸物件で、本人も「俺には自分を証明するものが何もない」と話していた。そこで泰地たちは、市役所で佐藤の戸籍について調べる。

職員によると、佐藤は無戸籍者として相談に来ていたという。

「離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子と推定する。これを避けるために子どもが生まれても出生届をだせない母親が一定数いて、その子どもは無戸籍児となる」

現在は民法も改正されているが、佐藤が生まれたのは50年以上前。両親もすでにおらず、年齢や出自を証明できるものが何もなかった。

佐藤について確認できる最も古い経歴は、約40年前、明陵大学近くにあった学生御用達の定食屋で働いていたこと。その店はすでに閉店していた。

職員が「出自を証明できるものが見つかったら、また来てください」と伝えると、佐藤は「そんなものはない」と答え、ベンチに座って掲示板を眺めていたという。そこには「寄付のお願い」と書かれたポスターが貼られていた。

ここで泰地と星は、「明陵大学」が村主の母校であることに気づく。40年前、定食屋で佐藤と村主は知り合ったのではないか。

さらに佐藤が以前口にしていた「あいつは俺には逆らえない」という言葉から、佐藤は村主の重大な秘密を握り、それを材料に金を受け取っていたのではないかと考える。

そしてムックは、自分が佐藤を殺したと思い込み、事件直後に村主へ電話していた。もし村主が真犯人なら、自首を勧めたのはムックに罪を着せるため。星の兄・信隆を使って裁判を早く終わらせようとしたことや、ネット上での工作も、自分の犯行を隠すためだった可能性が出てくる。

無戸籍者でギャンブル好きだった佐藤。そして、高校の卒業アルバムの面影がない現在の村主。

東京都知事となった村主がどうしても隠したい秘密。それは佐藤を殺害してまで守りたいもの。ここで一気に真相へ近づいてきた感じだ。

定食屋の元店主が語る40年前

泰地たちは、すでに閉店している定食屋「まるすず亭」の元店主・蔵前に話を聞きに行く。

蔵前は、約40年前に店で働いていた佐藤のことをよく覚えていた。佐藤は真面目な努力家で、家庭の事情から小学校にすら通わせてもらえなかったという。また、幼い頃に別れた父親から熱湯をかけられ、左腕には大きな火傷の痕があった。

一方、卒業アルバムに写る村主の写真を見せると、こちらもよく覚えていた。村主は店で競馬中継を見ていた貧乏学生で、ギャンブルによる多額の借金を抱えていた。「もう死ぬしかない」とこぼす村主に、蔵前は名物の炒飯を何度もツケで食べさせていたという。

そしてある時期を境に、佐藤は突然店へ来なくなり、村主も同じ頃に姿を見せなくなった。

さらにギャンブルについて尋ねると、蔵前は「佐藤は賭け事なんかやらなかった、あんたら誰の話をしてるんだ?」と証言する。これまで「ギャンブル好きの佐藤」とされていた人物像と食い違い始めた。

しかし、司法解剖された佐藤の遺体には左腕の火傷の痕がない。40年前の佐藤と現在の佐藤が、本当に同一人物なのかという新たな疑問が浮かび上がる。

一方、事件当日のタオの車のドライブレコーダーには犯人らしき人物は映っておらず、タオ本人にも裁判で証言してもらうことは難しい。

そんな中、泰地は映像に「つながりプロジェクト」と書かれた車が映っていることに気づく。それは以前、佐藤が市役所で見ていた「寄付のお願い」のポスターに載っていた団体の車だった。

それにしても、蔵前に卒業アルバムの村主の写真を見せるなら、現在の村主や佐藤の写真も一緒に見せればよかったんじゃないかと思う。

そして何より、40年前のことをここまで覚えている蔵前の記憶力がすごい。ツケで炒飯を食べさせていた学生の顔だけでなく、佐藤と村主が同じ時期に店へ来なくなったことまで覚えている。

いつ閉店したのかはわからないが、店内には当時の「特製炒飯」の張り紙までしっかり残っている。しかもイラストには、ちゃんと海老が入っている。ここまで来ると、40年前の店内が最終回のために保存されていたような状態だ。

村主を罠にかける

一方、村主の秘書・大竹はムックに面会し、泰地たちに向けられたネット上の誹謗中傷をプリントアウトして見せる。

そして、罪を認めないかぎりこの流れは止められないのではないか、情状酌量を狙うのであれば村主は証人として出廷しても構わないと伝えた。

その夜、泰地は屋上でこれまで調べたメモをひと通り見返す。そしてヘッドホンをつけ、これまでの出来事を思い返しながらラップを始める。やがてヘッドホンを外し、何かをひらめく。

後日、泰地は1人で村主を訪ねる。

ムックの供述を裏付ける証拠は何もつかめなかったこと、自分の考えが間違っていたことを認めたうえで、ムックも罪を認めるつもりだと説明。そして大竹からの提案を受け、情状証人として出廷してほしいと頭を下げる。

村主は「賢明な判断だ」と泰地の申し出を了承した。

もちろん、これはすべて村主を証言台に立たせるための泰地の作戦。

ムックが罪を認めると聞き、村主も自分の思いどおりに事が進んだと安心したのかもしれない。自ら法廷へ出て証言するという、泰地の罠に見事にはまる。

裁判の行方

殺人被疑事件に関する裁判員裁判 第3三回公判。傍聴席には鳥飼も三戸もいる。弁護側は泰地と星。検察は阿久津1人。

情状証人・村主

泰地は被告人の人柄について証言する情状証人として、都知事・村主を呼ぶ。村主が法廷に入ってくると、傍聴席はざわついた。

泰地が、ムックが事件直後になぜ村主へ電話したと思うかと尋ねると、村主は、自分は自首を勧めたこと、ムックを信頼し、ムックも自分を頼ってくれていたことを語る。

さらに、ムックが反社会的勢力と関わっていたとは知らず、彼の異変に気づけなかったことが残念でなりませんと小芝居を始める。

村主の証言を聞いた泰地はムックを見る。ムックは小さくうなずき、それを確認した泰地も小さくうなずく。

ここから、村主を証言台に引っ張り出した本当の狙いが動き始める。

村主との対決

泰地は「被告人の供述と食い違う点があるので、確認させてください」と切り出し、村主への質問を始める。すると村主は「えっ?」と、わずかに動揺を見せる。

ムックはこれまで、村主から事件について口止めされていた。しかし真実を語る決心をし、今は自分が犯人ではないと供述している。

そこで星は尋問の立証趣旨を変更し、ムックが本当に犯人なのかを判断するためにも、村主と被害者・佐藤との関係を明らかにしたいと主張。裁判長は尋問の継続を認める。

当然、村主は怒りの表情を浮かべ、無言でムックを見つめる。

飛んで火に入る夏の虫。自ら証言台に立った村主に、もう逃げ場はない。

海老入り特製炒飯

泰地はまず、村主本人に幼い頃から「えびアレルギー」だったことを確認する。

ところが、明陵大学近くにあった定食屋「まるすず亭」の元店主・蔵前によると、当時学生だった村主功は、店の名物だった海老入りの炒飯をいつも残さず食べていたという。

一方、佐藤亮造は無戸籍児で、義務教育すら受けられず、18歳の頃から「まるすず亭」で働いていた。蔵前によれば、佐藤はえびアレルギーだったため、まかないの炒飯を決して食べなかった。

ここで泰地は村主に、本当の名前は「佐藤亮造」であり、被害者こそが本物の「村主功」なのではないかと突きつける。

つまり2人は約40年前、人生を入れ替えたのではないか。

法廷は一気にざわつき、村主は固まったまま何も答えない。

ここで、冒頭に星が手土産として選んだ高級えびせんべいが思わぬ形で効いてくる。あのとき判明した「えびアレルギー」が、40年前の入れ替わりを暴く重要な手がかりになった。

左腕の火傷の痕

さらに泰地は、蔵前の証言によれば佐藤亮造の左腕には、幼い頃の虐待によってできた火傷の痕があったと指摘する。

そして、今ここにいる村主が佐藤亮造ではなく本当に村主功だというのなら、左腕を見せてほしいと迫った。

続いて星は、ムックより先に佐藤を殴打し、その後に証拠隠滅を図った人物がいた可能性を指摘。しかも犯行時刻、村主は予定をキャンセルして公務から離れていた。

「被害者を殺害するもっとも強い動機を持ち、かつ殺害が可能だった人物、被害者を殴打したのは、あなたではないですか」と畳みかける。

しかし検事・阿久津は、それは憶測にすぎず、主張するなら確かな証拠を示すべきだと異議を申し立てる。裁判長はこれを認めた。

すると村主は薄笑いを浮かべ、おもむろに上着を脱いでシャツの袖をまくる。そこには、確かに火傷の痕があった。

村主は、この傷は昔自分で作ったものだと説明し、弁護側は誰かから傷のことを聞いて作り話をでっち上げているだけだと反論。「大層な作り話で動機をでっち上げて、証拠もないのに人を犯人扱い。完全に名誉毀損ですよ、これは」と一気に息を吹き返す。

さっきまで自分の秘密が暴かれるのではないかと動揺していた村主。ところが、弁護側が決定的な証拠を出せないと見るや、ここぞとばかりに左腕の火傷の痕を見せつけ、今度は名誉毀損だと言い始める。

悪いやつほどよく喋るとは、こういうことなのかもしれない。

決定的な証拠

このまま確かな証拠を示せなければ、弁護側の主張は憶測として退けられ、村主に逃げ切られてしまう。

そんなギリギリのタイミングで雪村が法廷に現れ、泰地たちにUSBを渡す。

中に入っていたのは、事件当日に佐藤のアパート前で待機していたボランティア団体の集荷用車両のドライブレコーダー映像だった。

佐藤は以前、「自分の生きた証を残したい」と団体への寄付を申し出ており、事件当日は指定時刻より少し早く集荷車両が到着していた。

その映像には、佐藤のアパートから出てきた帽子姿の村主が、花瓶を手に持ったまま車の方へ歩いてくる様子がはっきり映っていた。しかも日付と時刻も確認できる。

映像を見た村主は明らかに動揺し、検事・阿久津も表情を変える。

泰地は、佐藤が偽りのない人生、つまり本来の「村主功」としての人生を取り戻そうとしたのではないかと指摘する。それを阻止しようとした村主と口論になり、佐藤を襲撃。その後はムックに罪を着せ、さらに事件を知るタオまで脅して隠蔽を図ったのではないか。

そして最後に、泰地は村主へ「違いますか?佐藤亮造さん」と突きつける。

誰にも知られては困る秘密だったからこそ、都知事である村主本人がアパートまで出向いたということなのだろう。

それにしても、帽子をかぶって凶器の花瓶を抱え、ドラレコに顔がバッチリ映ってそそくさ歩く姿はなんとも滑稽だ。

完全勝利

決定的な証拠を突きつけられた村主は、しばらく肩を落としてうつむく。しかし、やがて自分の人生について語り始める。

理不尽に虐げられ、努力しても抜け出せない環境の中で生きてきたこと。だからこそ奪うしかなく、自分の力でここまで上り詰めたのだと主張する。

さらに村主は、努力せず権利ばかりを求める弱者に邪魔される筋合いはない、弱者に寄り添っていては社会は前へ進まないと持論を展開する。

しかし泰地は、「主張があるならあなたの裁判でどうぞ」とその演説を遮る。

そして、この世は奪い合いではなく、努力して勝ち取らなくても、さまざまな人が一緒に生きていける社会であるべきだと反論する。

村主が「そんなのは絵空事だ」と吐き捨てると、泰地は「少なくとも僕が弁護士をやれてるのは、その絵空事を絵空事だと見捨てない人たちがいたからです。以上です」と返した。

これでムックをめぐる裁判は無事に勝利となる。

無戸籍者として生きてきた佐藤亮造の境遇は気の毒だったと思うし、そこから都知事にまで上り詰めたこと自体はすごい。

しかし、そんなに頑張れるなら、まずは何年かかっても自分の戸籍を手に入れる努力をするべきだったのではないか。

無名のうちは気づかれずに探られずにいたことが、有名になることで嘘が暴かれてしまう。

嘘の上に嘘を塗り重ね、後戻りできなくなった村主。いつかバレた時はしょうがないと、全てを捨てる覚悟はなかったようだ。

裁判後

裁判後、雪村法律事務所にはムックやタオ、鳥飼らが集まり、みんなで勝利を祝う。

タオは裁判で証言できなかったことをムックに直接謝罪するが、ムックは気にしていないと受け入れる。その後、タオは改めて証言し、村主の逮捕にも協力した

星によると、村主はその後、犯行を全面的に認めているという。ただし、星の兄・信隆は村主の弁護を断った。

一方、ムックは三戸が紹介してくれた出版社の採用試験を受けることに。面接がうまくできるか不安がるムックに、泰地は「大丈夫。僕たちはなんにだってなれる」と声をかける。

それは以前、吃音に悩んでいた泰地へムックがかけた言葉でもあった。

また、三戸が書いた「都知事を倒した吃音ラッパー弁護士の素顔!」という記事はネットで大きな反響を呼んでいる。

星から最近は法廷でラップをしていないと指摘された泰地は、「そういえばなんかこのままでやれちゃってました」と答える。星は、「振り返ればいつも僕がいるという安心感のおかげかな?」と冗談めかし、事務所には笑いが広がる。

そして、そんな雪村法律事務所に新たな男性依頼者が訪ねてきたところで物語は終わる。

星の言うように、終盤の泰地は法廷でほとんどラップをしていなかった。ただし、行き詰まったときには1人でノートを見返しながらラップをして、頭の中を整理する場面は最後まで残っていた。

ラップそのものが必要なくなったというより、泰地にとってラップが「法廷で戦うための武器」から「自分の考えを整理する方法」へ変わっていったのかもしれない。

村主がどのような罪でどんな判決が言い渡されるのかまではわからないけれど、少なくとも村主は逮捕され、ムックは助かるので、ハッピーエンド。

まとめ|詰め込み気味でも最後は痛快なハッピーエンド

結末は思っていた通りのハッピーエンドだった。ただ、前回から話が続いているとはいえ、最終回は少し詰め込みすぎでバタバタしていたように思う。

佐藤の死因にはセカンドインパクト症候群の可能性があり、ムックより先に佐藤の部屋に誰かがいたことを知るタオは脅され、仕事を失うことを恐れて証言できない。さらに佐藤亮造が無戸籍者だったことがわかり、40年前のことを驚くほどよく覚えている定食屋の元店主が登場。「えびアレルギー」から佐藤と村主の入れ替わりが判明し、最後は佐藤が寄付を依頼していたボランティア団体の車のドライブレコーダー映像が決定打となる。

とにかく情報量が多く、かなり駆け足だった。

伏線回収するためにも話はどんどん進めなきゃいけない、なのでところどころの無理やり感や辻褄のあわなさは否めない。詰め込み過ぎて内容が軽くなってしまった印象だ。

そもそも、ムックが佐藤のアパートへ荷物を届けたあと、受け取りのサインをもらい忘れてもう一度戻ることを、村主は知らなかったはず。

村主としては、自分が殴った佐藤がまだ生きていて、その後たまたま戻ってきたムックを襲い、さらにムックが突き飛ばしたことで死亡。しかもムック本人が「自分が殺した」と思い込み、村主へ電話までしてきたことになる。

村主にとっては、とんでもない偶然が重なった結果の「渡りに船」だったということなのだろうか。

もしムックが佐藤に首を絞められず、突き飛ばしていなかったら佐藤は助かったのか。それとも村主に殴られた時点で、早かれ遅かれ亡くなっていたのか。このあたりは少し気になるところだった。

そしてもう一つ残念だったのが、最後までムックのラップがなかったこと。

吃音に悩んでいた泰地をラップに誘ったのがムックだと何度も語られていたので、裁判後に鳥飼と泰地がラップを始めたとき、ついにムックも参加するのかと思っていた。ここは最後に一度くらい見たかった。

それでも毎話ちょこちょこ出てきた村主がムックを陥れ、それをみんなで救い、村主は逮捕されるという結末は見ていて痛快で、最終話としてふさわしい話だった。

全9話を通して描かれたのは、吃音のある弁護士・泰地と、さまざまな事情を抱えた依頼人たちだった。

介護、中学生の放火、老人と生活保護、シングルマザー、LGBTQ、派遣社員、ASDなど、毎回かなり重いテーマを扱っている。

それでも見終わったあとに気持ちがズンと重くなりすぎなかったのは、どの依頼でも弁護人たちが最後まで最善を尽くし、みんなでピンチを切り抜けてきたからだと思う。

ラップする弁護士、いや正確には行き詰まったときにラップすることで頭が整理され、見えなかった真実が見えたり、ひらめいたりする弁護士・泰地と仲間たち。

思ったよりも楽しく見ることができたドラマだった。

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