はい、今週も楽しく視聴した妹です。
架空名作劇場『人情刑事 呉村安太郎』第2夜を見た。
第1夜も4:3の画面や昔っぽい劇伴、人情刑事らしい鉄拳制裁など、昭和から平成の刑事ドラマ感が満載だった。
第2夜もその雰囲気はそのまま。
今回は「カールばばあ」という都市伝説や、ポケベルで指示される闇バイトなど、現代と昔がさらに妙な形で混ざっていて面白かった。
ネタバレはなるべく避けながら、気になったところを書いてみたい。
足が速い=カール・ルイスの時代
このドラマが具体的にいつの時代を想定しているのかはよくわからない。
ただ、子どもたちの間では、
「足が速い=カール・ルイス」
という認識らしい。
シルバーカートを押しながらものすごい速さで街を駆け抜ける老婆。
それが「カールばばあ」。
呉村も思わず、
「丑三つに 街駆け抜ける 老婆かな」
と一句詠む。
何をする都市伝説なのか。
会ったらどうなるのか。
そこはよくわからない。
でも「カールばばあ」という名前だけで、もう昔の子どもたちの間で本当に語られていそうなのがいい。
棒読みの子どもまで昔のドラマっぽい
都市伝説を語る子どもたちも、それっぽい。
野球帽をかぶり、バットを肩に担ぎ、その先にはグローブ。
完全に昔のドラマに出てくる少年。
セリフの言い方も少し棒読みで、
「違うやい!」
とか言い出しそうな雰囲気まである。
こういうところが細かい。
衣装を昔っぽくするだけではなく、登場人物の立ち方や芝居まで含めて「あの頃」を再現している。
聞き込みを受ける若者の自転車や、カップルが持っている紙コップなど、背景にある小物もいちいちいい味を出していた。
電話で捜査情報を全部しゃべる呉村
呉村は今回も、電話でかなりいろいろ話す。
周囲に誰がいるのかなんてあまり気にしない。
昔の刑事ドラマを見ると、
「そんな重要なことを普通の電話で全部しゃべるの?」
と思うことがある。
でも当時は、それがドラマとして普通に成立していた。
『呉村安太郎』では、その“昔のドラマあるある”までちゃんと拾っている感じがする。
今の感覚で見ると危なっかしい。
でも、そこがまた懐かしい。
ばあさんだってグミは食べたい
事件現場に残されていたグミを見た呉村は、
「ばあさんはグミを食べない」
と言い切る。
理由は、グミは噛むのに力が必要だから。
娘まで同じように「年寄りはグミを買わない」と考える。
でも、よく考えれば年配の人だってグミを食べるかもしれない。
そもそもグミより硬そうなせんべいは普通に食べる。
呉村の理屈はかなり雑。
そして、そんな断言と同時に「当時の価値観」に関する注意書きが出る。
このテロップまで含めて面白い。
昔のドラマらしさを再現しようとすると、今ならハラスメントや偏見と取られそうな発言も当然出てくる。
そこを現代の番組として注意しながら、あえて昔っぽくやる。
この二重構造が『架空名作劇場』の面白いところだと思う。
闇バイトの指示がポケベル
第1夜では、現代のフードデリバリーを昔風にすると「岡持ち」になっていた。
そして今回は闇バイト。
ただし、指示を受けるのはスマートフォンではない。
ポケベル。
画面に「80」と表示され、それが「やれ」という意味になる。
これが妙におかしい。
現代の犯罪を昔の刑事ドラマの世界へ持っていくと、
「闇バイトの指示はポケベル」
になるらしい。
数字の意味を全部覚えていなければいけないので、実行する側も大変そう。
間違って別の数字を読んだらどうするのだろう。
バールで侵入して、なぜか木彫りの熊で殺す
闇バイトの人物はバールを持って窓ガラスを割り、建物へ侵入する。
そこまではわかる。
でも殺害に使うのは、その場に置いてあった木彫りの熊。
「バール持ってるのに?」
と思ってしまう。
北海道土産でお馴染みの、鮭をくわえたような木彫りの熊。
昔の家には本当に置いてありそうなので、これもまた時代感がある。
もしかすると、ただ木彫りの熊を凶器として使いたかっただけなのかもしれない。
そう思わせるくらい唐突なのがいい。
シルバーカートから包丁はほぼ子連れ狼
そして今回のカールばばあ。
シルバーカートから包丁を取り出す。
かなりワイルド。
見ていて『子連れ狼』を思い出した。
乳母車ならぬシルバーカートから武器。
こういう発想を真面目な刑事ドラマ風の画面でやるから笑ってしまう。
その一方で、呉村は最後にちゃんと人情刑事らしいことを言う。
「包丁っていうのはな、魚はさばけても、人の罪までさばけない」
うまい。
いや、うまいのか?
と思いながらも、それっぽいので妙に納得してしまう。
人情より逮捕を優先する刑事は今回も殴られる
呉村が人情について語っている横で、同僚の今時っぽい刑事は、
「そんなことより早く逮捕しよう」
という現実的な反応をする。
当然の反応だと思う。
ところが呉村は今回も鉄拳制裁。
正論を言ったほうが殴られる。
昔の刑事ドラマの価値観を再現しているとはいえ、そろそろこの刑事も殴り返すのではないかと思ってしまう。
今のところ、呉村は一方的に殴るだけ。
最終的に立場が逆転する回も見てみたい。
最後はやっぱり友近さんのバー
事件が終わると、今回も最後はバー。
友近さんと他愛もない話をして終わる。
これでいい。
事件を解決して、しみじみした会話をして、エンディングへ。
昔の刑事ドラマらしい余韻まで含めて作られている。
途中に入ったワイモバイルのCMも、第1夜とは違う昔風バージョン。
本編だけではなくCMまで含めて『架空名作劇場』の世界になっていた。
まとめ|刑事ドラマ以外の「架空名作」も見てみたい
『人情刑事 呉村安太郎』第2夜も、第1夜に続いて細かな昔っぽさが楽しかった。
カール・ルイスから生まれたカールばばあ。
ばあさんはグミを食べないという謎理論。
ポケベルで指示される闇バイト。
凶器は木彫りの熊。
シルバーカートから包丁。
そして最後は、人情を語って鉄拳制裁。
昔の刑事ドラマを知っているほど、
「こんなのあったな」
「いや、さすがにこれはなかった」
の境目を楽しめる。
今回で『架空名作劇場』は終わりなのだろうか。
刑事ドラマに限らず、トレンディドラマや大映ドラマ、昔のバラエティ番組など、別ジャンルの「存在しない懐かしい番組」も見てみたい。
また放送される時を楽しみにしている。

