日本版『怪物』第7話と、オリジナル韓国版『怪物』の第9話・第10話を見てみた、姉です。
日本版は全10話、韓国版は全16話。
今回は日本版第7話が、韓国版第9話「浮かぶ」と第10話「沈む」にほぼ対応する内容になっている。
日本版第7話は約49分。
韓国版は第9話が約1時間1分、第10話が約1時間2分なので、合計約123分。
今回もかなり大胆に圧縮されているけれど、事件の大きな流れ自体は日本版でもしっかり追える。
ただ、韓国版では「3か月」という時間を使って人物の変化を描いているため、そのぶんジュウォンやジェイの印象はかなり違った。
以下、少しネタバレを含みます。
韓国版は犯人死亡から3か月後、日本版はほぼ直後
日本版は、連続殺人犯が勾留中に死亡してから、そこまで時間がたっていないように見える。
一方、韓国版ははっきり「3か月後」から始まる。
この違いはかなり大きい。
ジュウォンは、おとり捜査で女性を死亡させてしまった件について監察に呼ばれ、すべてを話す。
そして自ら処分を求め、3か月間休職。
そこから復職するところで物語が再開する。
日本版の八代も監察に呼ばれて事情を話すけれど、その時点では処分がどうなるのかまだわからない。
同じ流れでも、韓国版のほうが「一度立ち止まって戻ってきた人物」として描かれている。
ジュウォンは見た目も中身も少し変わった
3か月の間に、ジュウォンはかなり雰囲気が変わる。
以前は仕事中ほとんどスーツか制服。
それが復職後は少しカジュアルな服装になる。
乗っている車も、青いシボレーのスポーツカーから、黒いSUVタイプの車に変わっている。
でも面白いのは外見だけではない。
以前のジュウォンは、とにかく真面目で融通が利かず、感情的になりやすい人物だった。
復職後は、少し狡猾になったように見える。
相手の出方を見ながら動くようになり、以前ほど真正面からぶつからない。
3か月で人が別人になるわけではないけれど、事件を経験したことで何かが変わったことは伝わってくる。
日本版の八代には、今のところそこまで大きな変化は見えない。
ジェイが町を離れていた経緯も韓国版だけ
凛子にあたる韓国版のジェイも、3か月の間に町を離れている。
店を閉め、釜山へ行っていた。
なぜ町を離れたのか。
そして、なぜ戻ってきたのか。
韓国版ではその経緯も描かれる。
日本版にはこの部分がない。
こういう「事件のあと、人物がどう過ごしたか」という時間まで描けるのは、全16話ある韓国版ならではだと思う。
妹は自宅の地下室の壁の中にいた
今回の大きな展開が、富樫/ドンシクの妹の発見。
連続殺人犯が残した、
「俺が妹をお前に返した」
という言葉。
それを半分信じながら、富樫もドンシクも自宅の庭を掘る。
でも見つからない。
最終的に母親の言葉をきっかけに、
「もしかして家の中にいるのでは?」
と気づく。
そして地下室の壁を壊し、その中から、生前妹が身につけていた指輪をした白骨遺体が見つかる。
ずっと探し続けてきた妹が、自分の家の中にいた。
かなり重い展開だった。
日本版と韓国版で指輪も違う
妹の身元につながる指輪にも違いがある。
韓国版は、小さな赤い石がついたシンプルな指輪。
日本版は、小さな青っぽい石と蝶がついた、少し特徴のある指輪。
ほんの小さな違いだけれど、こういう小物まで比べて見ると面白い。
両作品を続けて見ているからこそ気づける部分だと思う。
壁のセットは韓国版のほうが自然だった
富樫/ドンシクが妹を探して、地下室の壁を一心不乱に壊す場面。
ここはかなり重要なシーン。
ただ、個人的には韓国版のほうが壁の作りが自然に見えた。
日本版は、少し「ここを壊します」という感じの、壊しやすそうな壁に見えてしまった。
もちろんドラマなので実際に壊せるセットでなければいけない。
それでも、韓国版のほうが普通の壁を本当に壊しているように見えて、場面の重さが保たれていた気がする。
妹を殺したのは連続殺人犯ではなかった
発見された妹の遺体を調べると、これまでの連続殺人被害者に共通していた特徴がない。
他の被害者は首を絞められ、舌骨が折れていた。
でも妹にはそれがない。
さらに犯人は以前から、
「妹は俺じゃない」
「俺が妹をお前に返した」
と話している。
つまり、妹を殺したのは連続殺人犯とは別の人物。
ここで25年前/20年前の事件が、また別の方向へ動き始める。
では、なぜ妹の指を庭に並べた?
ここでひとつ、かなり気になる。
妹を殺したのが別人だとしたら、連続殺人犯はなぜ妹の指を切断し、富樫/ドンシクの家の庭に並べたのか。
他の被害者も指は切断されている。
でも、目につく場所へわざわざ並べて置いたという話はなかったはず。
もしかすると、
「妹は死んでいる」
「しかも近くにいる」
と富樫/ドンシクへ知らせたかったのだろうか。
遺体を壁の中へ隠したのも犯人。
指を庭へ並べたのも犯人。
だとすると、仲の良かった富樫/ドンシクへ何らかの形で真実を伝えようとしていたようにも見える。
でも本人はすでに死亡している。
この理由は最後までわからないままになるのかもしれない。
署長の死は韓国版のほうがずっと重い
終盤では、連続殺人犯を死へ追いやったのではないかと疑われた署長/所長が、何者かに殺される。
大きな流れは同じ。
ただ、富樫と署長、ドンシクと所長の関係性はかなり違う。
日本版では、富樫と署長の接点はそこまで多く描かれていない。
一方、韓国版では所長とドンシクは派出所で日々顔を合わせる。
一緒に働き、みんなで食事にも行く。
かなり近い存在。
日本版でいうなら、光石研さん演じる森平課長と富樫の関係に近い。
だから所長が殺された時の衝撃もまったく違う。
韓国版では、ドンシクが遺体を前に、
「おじさん」
と呼びながら泣き崩れる。
ここまで積み重ねてきた関係があるからこそ、この場面がかなり重くなる。
圧縮すると事件は追えても、人間関係の重さは薄くなる
今回の日本版第7話は、韓国版2話分、約123分を約49分にまとめている。
事件の流れだけを追うなら、そこまで違和感はない。
妹の遺体が見つかる。
別の犯人がいるとわかる。
署長が殺される。
大事なポイントはすべて入っている。
でも韓国版を見比べると、3か月で変わったジュウォンや、町を離れていたジェイ、所長とドンシクの関係など、事件の周囲にある人物の時間がかなり省かれていることがわかる。
そのぶん日本版はテンポがいい。
韓国版は時間がかかるけれど、人物に何か起きた時の重みが増す。
今回も、その違いがかなりはっきり出ていた。
まとめ|妹は見つかった。でも25年前の事件はここからだった
日本版『怪物』第7話と韓国版第9・10話では、富樫/ドンシクが25年/20年間探し続けてきた妹が、ついに自宅の地下室の壁の中から発見された。
ところが、妹を殺したのは連続殺人犯ではない。
さらに、その真相へ近づきそうなところで署長/所長まで殺される。
ひとつの謎が解けるたびに、別の謎が出てくる。
韓国版では3か月という時間を入れたことで、ジュウォンの変化や所長との関係性もより深く描かれていた。
日本版は残り3話。
次回は田所加代と息子・幹男も本格的に事件へ絡んできそうなので、25年前の本当の事件がどう明らかになっていくのか見てみようと思う。

