日本版『怪物』第6話と、オリジナル韓国版『怪物』第8話を見てみた、姉です。
日本版は全10話、韓国版は全16話。
前回の日本版第5話が韓国版第7話とほぼ同じ内容だったので、今回は日本版第6話と韓国版第8話「釣られる」を見比べてみた。
日本版第6話は約48分、韓国版第8話は約1時間11分。
今回も韓国版のほうが人物の感情や周囲の状況を細かく描いているけれど、大きな事件の流れはかなり近い。
ただ、犯人の見せ方や遺体の発見場所には印象の大きく変わる違いがあった。
以下、少しネタバレを含みます。
柳とジンムク、どちらも“怪物”だけれど印象は違う
今回の中心となるのが、日本版では柳、韓国版ではジンムク。
日本版の柳を演じる小手伸也さん、韓国版のジンムクを演じるイ・ギュフェさん。
どちらも普段の気弱そうな姿と、事件に関わる時の異様な姿の落差がかなり大きい。
まさに“怪物”と呼びたくなる人物。
ただ、細かな演出まで含めると、個人的には韓国版のジンムクのほうがより不気味に感じた。
表情や声だけではなく、その場にいる時の雰囲気まで変わる。
何を考えているのかわからない怖さがある。
日本版の柳も十分怖いけれど、韓国版のほうが時間をかけて人物を見せてきたぶん、“怪物”としての気味悪さが積み重なっているように感じた。
日本版には25年前の「頼み」が追加されている
日本版では、県議会議員・田所加代が過去を思い出す場面がある。
25年ほど前、柳が加代に、
「頼みがあるんです」
と話しかけていた。
ただし、その頼みが何だったのかまではまだわからない。
韓国版には、これにあたる場面はない。
日本版では以前から再開発計画や政治家とのつながりを韓国版より早く前へ出しているので、この「頼み」も今後の事件につながる日本版独自の伏線なのかもしれない。
こういう追加部分があると、単純に韓国版を短くしただけではないことがよくわかる。
25年前と20年前の違い
そもそも、富樫/ドンシクの妹が失踪した時期にも違いがある。
日本版では25年前。
韓国版では20年前。
韓国版が放送されたのは2021年なので、物語上の年代設定との関係もあるのかもしれない。
事件そのものへの大きな影響は今のところ感じないけれど、日本版では25年という長さがより強く意識される。
兄がそれだけ長い間、妹の行方を追い続けてきたことになる。
遺体発見場所は韓国版のほうが残酷
今回、特に大きいと思った違いがここ。
日本版では、凛子の失踪した母親は林の中から白骨遺体として発見される。
一方、韓国版ではジェイの母親の遺体が、ジェイ自身が暮らしている店舗兼自宅の敷地内から見つかる。
これは個人的には韓国版の設定のほうが印象に残った。
ジェイは10年前に失踪した母親をずっと探し続けている。
身元不明の女性の遺体が見つかれば、
「もしかしたら母親かもしれない」
と遠くまで確認しに行く。
それでも母親は見つからない。
ところが実際には、ずっと自分が暮らしていた家の敷地内に埋められていた。
「ずっとここにいたのに気づかなかった」という悲しさ
韓国版では遺体が見つかったあと、ジェイが自分を責める。
ずっと母親を探していた。
どこかで生きていると信じていた。
なのに、その母親はすぐ近くにいた。
何も知らずに、その場所で何年も生活していた。
ジェイが泣きながら何度も、
「お母さん、ごめんなさい」
と謝る場面はかなりつらい。
チェ・ソンウンさんの演技も印象に残った。
日本版は林の中から遺体が見つかるので、「探していた母親が亡くなっていた」という悲しさは同じでも、
「ずっと自分のすぐそばにいた」
という残酷さは薄くなる。
同じ出来事でも、遺体をどこで見つけるかによって感情の重さがかなり変わるのだと思った。
八代がようやく少し動き始めた
これまで日本版と韓国版を見比べてきて、日本版の八代はジュウォンよりもかなり無口な印象があった。
韓国版のジュウォンは感情的になりやすく、自分からかなり動く。
一方、日本版の八代は比較的おとなしい。
でも第6話では、ようやく八代自身が事件の真相へ近づこうと動き始めたように見えた。
ここから富樫とどう関わっていくのか。
後半では八代の役割も大きくなりそうなので期待したい。
犯人は捕まったのに妹は見つからない
日本版第6話、韓国版第8話では、犯人が遺体を埋めたとされる場所を掘り起こす。
そこで複数の白骨遺体が見つかる。
これまで行方不明だった人たちの一部については、ようやく何が起きたのかがわかる。
しかし、富樫/ドンシクの妹は見つからない。
さらに犯人は、
「妹を殺したのは自分ではない」
と話す。
ここでまた話がひっくり返る。
“怪物”だと思っていた人物を捕まえたのに、25年前/20年前の事件は終わらない。
つまり、本当の謎はまだ別に残っている。
日本版では次の人物につながる伏線も見える
日本版では今回、
「もしかすると、この人たちが過去の事件に関係しているのでは?」
と思わせる描写も少し入っている。
韓国版を見ているので大きな流れはわかっていても、日本版では人物関係や伏線の出し方が変えられている。
どこまで韓国版と同じ結末へ向かうのか。
それとも日本版独自のつなげ方をするのか。
後半に入って、その違いがますます気になってきた。
まとめ|“怪物”を捕まえても、本当の謎は終わらない
日本版『怪物』第6話と韓国版第8話では、これまで“怪物”として描かれてきた犯人の過去や犯行が明らかになり、複数の遺体も発見された。
ただ、富樫/ドンシクが最も探している妹の遺体は見つからない。
さらに犯人自身が「妹は自分が殺したのではない」と語る。
事件が解決したように見えて、もっと大きな謎が残った。
日本版と韓国版を比べると、特に印象が違ったのは犯人の“怪物感”と、凛子/ジェイの母親が発見される場所。
なかでも韓国版の「母親はずっと自分のそばにいた」という描き方はかなり重かった。
日本版もいよいよ後半。
八代も動き始めたので、25年前の事件がこれからどう明らかになっていくのか楽しみに見てみようと思う。

