テレビ朝日の水曜夜9時『大追跡 警視庁SSBC強行犯係』を全9話見てみた、姉です。
7月に始まったこのドラマも、第9話で最終回。
初回は大森南朋さん、相葉雅紀さん、松下奈緒さんのトリプル主演に、佐藤浩市さん、遠藤憲一さん、光石研さん、伊藤淳史さんと、とにかく豪華。
「初回だけ豪華で、2話目以降はどうなるんだろう」
とも思っていたけれど、結局最後まで見続けた。
多少、
「それはちょっと無理があるのでは?」
と思う事件もあったものの、基本的には1話完結で見やすく、水曜の夜に気楽に見る刑事ドラマとして楽しめた。
今回は最終回だけではなく、全9話を通して感じたことを書いてみたい。
基本は1話完結で気楽に見られる
第8話と最終回は2話続きだったけれど、それ以外は基本的に1話完結。
事件が起きて、SSBCと捜査一課がそれぞれ動き、最後には犯人へたどり着く。
多少バタバタする回はあっても、翌週まで細かい伏線を覚えておかなければならないようなドラマではない。
週の真ん中、水曜夜9時に見る刑事ものとしてはかなり見やすかった。
重すぎず、かといって事件そのものが軽いわけでもない。
この気楽さは『大追跡』の良さだったと思う。
主演3人の配役がよかった
相葉雅紀さん演じる名波凛太郎は、中途採用ながらキャリア組のSSBC強行犯係メンバー。
伯父は、元警察庁長官で現・内閣官房長官の久世俊介。
少し独特なところはあるけれど頭が切れ、周囲の常識にあまり縛られない。
大森南朋さん演じる伊垣修二は、もともと捜査一課の刑事だったが、3年前の問題をきっかけにSSBCへ異動。
名波の教育係として行動するうちに影響を受け、本来は捜査をしないSSBCが現場へ踏み込むようになっていく。
最初は少し噛み合わなかった2人が、徐々に良いコンビになっていくのも見やすかった。
そして松下奈緒さん演じる青柳遥。
伊垣の元妻で、伊垣が捜査一課を離れたあとに捜査一課へ異動し主任となる。
最初は捜査へ口を出すSSBCを煙たがっていたけれど、回を追うごとに実力を認めて協力するようになる。
この3人の距離感も、全9話を通して自然に変わっていった。
名波と八重樫のお決まりのやり取りがコントみたい
毎回楽しみになっていたのが、名波と捜査一課長・八重樫のやり取り。
八重樫は上下関係を重んじ、部下にはかなり厳しい。
でもキャリア組には弱い。
特に名波には強く出られない。
SSBCが勝手に捜査へ踏み込んだり、何か許可を取る必要が出たりすると、名波は例の経歴を持ち出す。
伯父は元警察庁長官で現内閣官房長官。
自分はキャリア官僚。
将来的には警察庁の局長となり、八重樫の上司になる可能性がある。
それを聞いた八重樫が急に弱くなる。
何度も繰り返されるので、もはや刑事ドラマというよりお決まりのコント。
遠藤憲一さんの迫力ある見た目とのギャップもあり、最後まで面白かった。
SSBCの最新捜査より人間関係が印象に残ったかも
タイトルは『大追跡 警視庁SSBC強行犯係』。
当然、防犯カメラや顔認証、各種デジタル解析など、SSBCならではの捜査が毎回登場する。
そこはこのドラマの特徴だった。
ただ、全9話を見終えて思い返すと、最新デジタル捜査そのものより、
名波と伊垣。
伊垣と青柳。
名波と八重樫。
名波と伯父の久世。
といった人間関係のほうが印象に残っている。
事件によっては、
「その捜査方法、本当にそんなにうまくいく?」
と思う回もあった。
もし続編があるなら、今度はさらにSSBCらしい捜査を前面に出した事件も見てみたい。
最終回で一番印象に残ったのは“しずさん”
最終回で一番印象に残ったのは、事件そのものではなかった。
官房長官・久世行きつけの小料理屋「まえだ」にいる“しずさん”。
演じるのは白川和子さん。
これまでいつも店にいて、座ってうとうとしているような感じ。
ほとんど話さない。
そのしずさんが、最終回で突然しゃべった。
未解決事件が解決したあと、伯父との会話に少しもやもやした名波が、1人で「まえだ」でビールを飲んでいる。
そこで、しずさんが22年前の久世について語り始める。
久世は事件当時、店でずっと黙り込み、ある人物の無事を願っていた。
そこから、
「本当のことは言わないのよ、あの人」
と久世という人物を名波へ伝える。
声のトーン。
話し方。
間。
表情。
全部かっこいい。
最終回にして初めてまともにしゃべった人物が、一番印象に残った。
“あの人”と呼ぶ距離感も気になる
しずさんは久世のことを、
「あの人」
と呼ぶ。
いつから久世が「まえだ」へ通っているのかはわからない。
でもこの呼び方を聞くと、かなり昔から知っているように感じる。
政治家としての久世ではなく、もっと前から人間・久世俊介を見てきた人物なのかもしれない。
これまでほとんどセリフがなかったからこそ、最後に語る言葉の重みが増していた。
こういう見せ方はよかった。
伯父・久世も最後まで全部は語らない
名波の伯父である久世は、ドラマの最初からかなり重要な存在。
元警察庁長官で現内閣官房長官。
名波の後ろ盾でもあり、事件について何か知っていそうな人物でもある。
でも最後まで、自分の気持ちをすべて口にするタイプではない。
そのため、名波だけでなく見ている側にも少しもやもやが残る。
そこを最後にしずさんが補ってくれる。
久世本人に全部説明させるのではなく、長年見てきた第三者の言葉で人物像を見せる。
ここは最終回の中でも好きな場面だった。
続編があるならSSBCらしい事件をもっと見たい
全9話を見終えて、それなりに楽しく見ることができた。
一方で、
「ちょっと設定に無理があるのでは?」
と思う回もあった。
SSBCという題材自体は面白い。
防犯カメラ、デジタル解析、顔認証など、今の刑事ドラマだからこそできる捜査がある。
もしシーズン2が作られるなら、キャラクター同士の掛け合いはそのままに、SSBCでなければ解決できないような事件をもっと見てみたい。
名波と八重樫のお決まりのコントも、もちろん続けてほしい。
まとめ|全9話見やすかった。そして最後はしずさん
『大追跡 警視庁SSBC強行犯係』は、基本的に1話完結で、水曜夜にサラッと見やすい刑事ドラマだった。
トリプル主演の3人もそれぞれ役に合っていて、名波と伊垣が徐々にコンビになり、青柳とも協力するようになっていく流れもよかった。
名波と八重樫のお決まりの掛け合いも、毎回の楽しみ。
そして最終回。
事件の解決以上に印象に残ったのが、それまでほとんどしゃべらなかった“しずさん”。
最後の最後で、全部持っていった。
次のシーズンがあるかはわからない。
もし続くなら、今度はSSBCの特徴をもっと生かした、デジタル捜査ならではの事件を期待したい。

