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【ボーダーズ】第2話 感想|逃亡犯を40年間かくまった公安の闇

ドラマ感想(コラム)
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第1話では、銀行内殺人事件と大学教授宅放火事件という、一見無関係に思える2つの事件が発生。第2話では、40年間逃亡を続けてきた殺人犯・藤岡を通じて事件がつながり、その背後に公安の不正が隠されていたことが明らかに。

事件の真相に迫る展開は面白かったけど、公安が藤岡を逃がし続けた理由や、組織の都合による幕引きには疑問も……。今回は、そんな『ボーダーズ』第2話の、ちょっとネタバレを含む感想をまとめました。

※この記事はドラマ「ボーダーズ」第2話のネタバレを含みます。

第2話ネタバレ解説

前回、銀行で男性を刺殺し、立てこもった中内。被害者の藤岡泰は、40年前に起きた殺人事件の逃亡犯だった。一方、Zと名乗る人物による暴露情報がネットを中心に拡散され、それに扇動された者たちが放火事件を起こしていた。

一見無関係に思えた2つの事件。しかし、Zのアジトの賃借名義人が藤岡だったことから、事件はつながり始める。警視総監直属の捜査班・SCUは、東京・西新宿にあるZのアジトの強制捜査に加わった。

Zのアジトで見つかったもの

SCUのメンバーを含む捜査員たちがアジトに踏み込むと、部屋には拘束され、クローゼットに閉じ込められた竹本がいた。

一方、佐川は非常階段から逃走。いち早くそれに気づいた八神が追いかけ、ナイフを持った佐川と対峙する。なかなか確保できずにいたが、駆けつけた綿谷が佐川をあっという間に取り押さえた。綿谷は柔道四段、剣道二段、空手二段。さらに将棋のアマ三段も加えて「十一段」と豪語する。

結城は、八神が刃物を持った相手に丸腰で立ち向かったのは無謀だとたしなめる。そして、同僚を亡くしたことは不幸な出来事だが、いつまでも自分を責めるなと声をかけた。

一方、アジトに残されたパソコンを調べた最上は、Zの信者の投稿に自動で「いいね」やリポストをする仕組みを発見する。さらに、古いパソコンのカバーを外すと、中から400万円が見つかった。

藤岡のアパートからも金が発見されている。Zは暴露情報を提供してネットで拡散するだけでなく、それを利用して金銭を要求していたのではないか。八神はそう考え始める。

Zは朝村を恐喝していた

放火事件の実行犯が逮捕され、竹本の供述から、佐川がZの情報を入手し、それをSNSで拡散させていたことがわかる。

しかし、八神と朝比奈が気になったのは、放火の被害に遭った大学教授・朝村の証言だった。朝村は以前から脅迫のようなメールを受け取っていたというが、メールはすべて削除したと話していた。

朝村の自宅を訪ねた八神と朝比奈は、彼が大学のシステム導入を担当し、約2億円のプロジェクトの委託先を一存で決めていたことを指摘する。受注業者から賄賂を受け取り、そのことをZに知られて恐喝されていたのではないか。

問い詰められた朝村は否定するが、パソコンの解析によって、Zからメールで500万円を要求されていたことが明らかになった。

これでZが情報を利用して恐喝を行っていたことは確実になった。では、藤岡と中内の事件も同じ構図なのだろうか。

中内が藤岡を刺した理由

SCUの会議で、八神は中内もZに恐喝されていた可能性を指摘する。中内が藤岡を刺す直前に口にした「ちがう」「けいき」という言葉。朝比奈は、それが「違う、経企庁」と言ったのではないかと考えた。

新日自動車では、リコールの不具合を隠蔽していた問題が発覚していた。経済企業庁も関係していたことから、藤岡はこの不祥事を利用して中内を脅していたのではないか。

そこで八神と朝比奈は、中内を改めて取り調べることになった。中内は、リコール隠しを巡って藤岡から恐喝されていたことを認める。中内は新日自動車のエンジン開発部に所属していたが、肩書だけの閑職に追いやられていた。問題となったリコールは、会社がすでに見切りをつけていた技術に関するものだった。

ところが、リコールを公表するまで情報を抑えるよう命じられ、さらに会社上層部は経企庁の局長まで隠蔽に巻き込んでいた。そんな中、藤岡からメールが届く。中内がリコール隠しの中心人物だと指摘し、暴露されたくなければ金を払えという内容だった。最初に要求されたのは100万円。会社は中内に対応を任せ、うまく処理すれば役員への道もあると期待を持たせる。

中内は会社が用意した金を藤岡に渡した。しかし、要求は一度では終わらなかった。2度目は200万円。そして、さらに500万円を要求される。藤岡は中内の目の前でピザを食べた際にマスクを外し、顔を見られていた。

このままでは恐喝が終わらない。中内は会社にリコール隠しを公表するよう提案するが、上司は激怒。経企庁が絡んでいることまで公表できるわけがないと、中内に口外しないよう命じた。追い詰められた中内は警察に告発しようとするものの、警察署の前で足が止まってしまう。

そのとき、指名手配犯・藤岡泰のポスターを目にし、40年前の逃亡犯が金を渡した男だと気づいた。これは交渉の材料になると思い、中内は藤岡に自分から連絡を取り、会うことにする。

しかし、藤岡は中内の要求を受け入れない。自分が逮捕されれば、これまで隠されてきたこともすべて明らかになると開き直り、次は500万円を用意しろと言い放つ。さらに藤岡は、中内に対して、自分は藤岡泰ではなくZなのだと告げた。

事態を悪化させてしまった中内は、街なかで見かけた藤岡を追いかけて銀行へ向かう。そして、ナイフを取り出し、藤岡を刺した。刺す前に中内が口にしたのは、経企庁のことは黙ってくれという言葉だった。

会社を守ろうとしたつもりだった。しかし、最後には人を殺してしまった中内。泣きながら、自分は人殺しなのに会社を守った気でいたと罪を認める中内に、八神は「事実は我々が明らかにします」と告げた。

公安が作り出したZ

中内の取り調べを聞いたSCUのメンバーは、藤岡がZだったことを知る。しかし、まだ疑問は残っていた。誰が藤岡に官庁絡みの情報を流していたのか。

結城は警視総監の尾形に、元公安部理事官・畑谷への聴取を願い出る。尾形は、警視総監という立場にある者は、ときに正義よりも組織の秩序を優先させることが求められると語る。それでも今回は、小さな膿から出そうと、結城に捜査を進める許可を与えた。

畑谷は、かつて公安で極左組織の情報収集を担当していた人物だった。40年前、藤岡はデモの最中に警察官を殺害して逃走した。その藤岡を逃がし続けていたのが畑谷だった。藤岡を逮捕すれば、公安の違法捜査が明らかになる。そこで畑谷は逃走資金を用意し、小玉明夫という新たな名前と身元まで与えていた。その支援は、畑谷の退官後も小林らによって引き継がれていた。

しかし、時代が変わり、かつての極左組織も消滅したような状況になると、公安は自分たちの存在意義を問われるようになる。そこで小林は、ネット犯罪に目をつけた。公安が持つ情報を利用して世間を扇動し、藤岡を仮想の敵であるZに仕立て上げようとしたのだ。

ところが、藤岡は小林の思惑を超えて、独自に恐喝を始めてしまう。小林は藤岡を問い詰めるが、藤岡は40年も逃亡生活を続けてきた自分の気持ちがわかるのかと反発する。捕まって困るのは自分ではなく、公安のほうだと。

こうして、公安が利用していたはずの藤岡は、自分たちの秘密を握る存在へと変わっていた。小林は藤岡もZも消えたのだから、これで幕を引くべきだと言う。しかし、結城はどうするべきか自分で決めろと告げる。

八神がSCUに呼ばれた理由

事件が一段落したあと、八神は結城に疑問をぶつける。公安内部の不正は公表されず、このままもみ消されるのではないか。

結城は、今回のことが表沙汰になれば警察の信頼が揺らぎかねないため、それは避けるというのが上の判断だと説明する。八神は納得できない様子だったが、結城はSCUを発足させた理由を語り始めた。

綿谷は経験豊富で格闘技にも強い。朝比奈は冷静沈着で、将来の刑事部長候補。最上はネットや機械に詳しい。では、自分は何のためにSCUに呼ばれたのかと尋ねる八神。

結城は、八神の持つ「視野の広さ」が欲しかったと答える。物事の見方の幅広さ。それこそが八神の優れた能力なのだという。

そして結城は、八神の家族への差し入れとして、自分が焼いたドイツの伝統菓子・シュトレンを渡す。重い事件のあとだけに、結城のお菓子作りという意外な一面が印象に残った。

そして最後、警報音が鳴り響く中、朝比奈が咳き込む女性を助けに駆けつける。しかし、現場で爆発が起こり、2人は吹き飛ばされて倒れてしまう。朝比奈は無事なのか。次回への不穏な引きで、第2話は幕を閉じた。

第2話で気になったこと・感想

藤岡がZだと判断するのは早すぎないか?

今回、少し気になったのが、事件のつながりが明らかになるまでの流れだ。

最初は「Zのアジトの名義人が藤岡だった」という話だった。それが、朝村がZに恐喝されていたことから、中内も恐喝されていたのではないかという推測につながり、最終的には藤岡が中内を脅していたという話になった。

結果として、藤岡がZだったことが明らかになったわけだが、捜査の途中では、藤岡もZの指示を受けて動いていた可能性は考えなかったのだろうか。

もちろん、藤岡がアジトの名義人であり、中内に金を要求していたことは重要な手がかりだった。ただ、Zと藤岡が同一人物だという結論に至るまでが、少し急ぎ足に感じられた。

藤岡はなぜ中内に顔を見せたのか?

もう一つ気になったのは、藤岡が中内の前でマスクを外し、ピザを食べ、顔を見せたことだ。

40年も逃亡を続けてきた人間なら、正体が知られることには相当な警戒心があってもよさそうだ。

中内が自分を警察に突き出せないと踏んでいたのか。それとも、逮捕されることへの恐怖が薄れていたのか。はたまた逃亡生活に疲れ、捕まるのならそれでもいいと思ったのか。

その後の「捕まって困るのは俺じゃない」という態度を見ると、藤岡は自分の立場をかなり強気に考えていたようだ。

それにしても、恐喝した相手から自ら金を受け取り、顔まで見せるというのは、あまりにも不用心ではないだろうか。

中内はなぜ会社からの評価にこだわったのか?

中内は、自分を閑職に追いやった会社を守ろうとしていた。しかし、取り調べで明らかになったのは、会社を守ることだけが目的ではなかったということだ。

自分が問題を解決し、会社から評価されたい。うまく処理すれば役員への道も開ける。そうした思いがあったからこそ、会社の不正を公表することもできず、藤岡への対応を引き受けてしまった。大企業に勤めているとはいえ、すでに閑職に追いやられた身で、今さら会社での評価にこだわるものなのだろうか。

会社から認められたいという気持ちは理解できなくもない。しかし、藤岡は中内個人を責めているわけではなく、利益を追求して社会的道義を踏みにじってきた会社こそ糾弾されるべきだと言っていた。それなのに、藤岡との交渉がうまくいかずに思い詰め、殺人にまで至ってしまう心理は、正直なところ理解しがたい。

会社のためと言いながら、結局は自分が評価されたいという気持ちもあった。そこが、どうにも割り切れないところだった。

警視総監・尾形は理想の上司かもしれない

尾形が結城に告げた言葉が印象に残った。正義より組織の秩序を優先させることが求められる立場。それでも今回は、小さな膿から出そうと決断する。そして「思うようにやれ」と結城に任せる。こういう上司は頼もしい。

部下を自由に動かせるだけでなく、難しい判断をする場面で責任を引き受ける覚悟がある。「思う存分やれ。あとは俺が責任を持つ」という姿勢は、理想の上司像の一つかもしれない。

ただし、今回の事件が最後まで公表されなかったことを考えると、尾形の決断がどこまで正義を貫いたものだったのかは、少し複雑な気持ちになる。

「公安部を通せ」が通用しない痛快さ

小林が、話すことはない、どうしてもというなら公安部を通せと言った場面も印象に残った。

公安が登場するドラマでは、捜査の壁にぶつかると「公安部を通せ」という言葉で話が進まなくなることがある。

ところが今回は、綿谷が「では後ほど。公安部へは総監から」と返す。警視総監直属の捜査班だからこそできる切り返しだ。いつもの逃げ口上が通用しない。これはなかなか痛快だった。

公安は、なぜ藤岡を40年も逃がし続けたのか

藤岡は公安のスパイであり、40年前に警察官を殺害して逃走したあと、畑谷によって新たな身分と逃走資金まで用意されていた。当初は、まだ情報源として利用価値があったのだろう。

しかし、畑谷が退官したあとも支援は引き継がれ、20年前からは小林らが関わっていた。そして、かつての極左組織が消滅したような状況になると、今度は組織、そして自分たちの存続のために、藤岡を使ってZという仮想の敵を作り出そうとした。

ところが藤岡は、その立場を利用して恐喝を始める。小林は忠告するものの、藤岡は聞く耳を持たない。捕まって困るのは自分ではなく、公安のほうだと開き直る。ここまでくると、藤岡はもはや無敵の人だ。

40年も逃亡を続けてきた人間が、捕まることを恐れなくなってしまった。しかも、逮捕されれば困るのは、自分を逃がし続けてきた公安である。小林たちは、そんな危険を背負ってまで藤岡を逃がし続けていたことになる。組織の存続のために、ここまでしなければならないのなら、すでに組織として崩壊しているのではないか。

また、藤岡の描かれ方にも少しがっかりした。ドラマに登場する左翼系の活動家は、貧しくとも理想やプライドは高いという印象で描かれることが多いように思う。

藤岡もそういう人物なのかと思っていたが、自分の名前でアジトを借り、Zと名乗って恐喝し、自ら金を受け取りに行く。40年も逃げ続けてきた人物にしては、あまりにも欲深く、間抜けに見えてしまった。

40年前に殺害された警察官の家族はどうなるのか

今回、最も気の毒に思ったのは、40年前に藤岡に殺害された警察官の家族だ。

藤岡が死亡したことで、事件は被疑者死亡のまま処理されるのかもしれない。しかし、もし遺族が、公安が藤岡を逃がし続け、新しい身分や逃走資金まで用意していたことを知ったら、どう思うだろうか。

40年前に家族を殺された。それなのに、犯人は逮捕されることもなく、40年もの間、逃げ続けていた。しかも、その逃亡を支えていたのは警察組織である公安だった。藤岡に渡されていた金も、元をたどれば国民の税金だ。

公安の不正はこのまま表に出ない。余命わずかな畑谷は真実を語ったものの、そのまま死を迎えることになる。そして小林は公安を辞め、責任を追及されることもなく逃げ切ることになる。

一方で、40年前に殺された警察官の家族には、何の説明もないままなのだろうか。組織の都合で真実を隠すことは、被害者や遺族の無念を置き去りにすることでもある。

40年は長すぎる……どうにもやりきれない。

事件のつながりは面白いが、真相には疑問も残る

銀行の刺殺・立てこもり事件と、Zに扇動された放火事件。無関係に見えた2つの事件が、逃亡犯・藤岡を通じてつながっていく展開は面白かった。しかし、真相が明らかになるにつれて、少し無理があるようにも感じた。

そもそも、なぜ長年にわたって不正が内部で発覚しなかったのか。逃走資金はどうやって用意していたのか。疑問はいくつも残る。それでも最後には、事件が表沙汰になれば警察の信頼が揺らぐため、それを避けるのが上の判断だという説明で、すべてがうやむやになってしまう。

結城は、各部署にSCUが捜査できるよう段取りをつけ、メンバーに捜査を進めさせる一方で、自分だけが知っている畑谷の情報などは伏せたままだった。そして、事件の核心に迫る場面では、自ら取り調べを行う。八神が、藤岡が殺された時点で事件の裏をどこまで知っていたのかと結城に尋ねたくなるのも無理はない。

結城は、メンバーを信頼して捜査を任せているようにも見えるが、肝心なところでは何も話さない。上司がすべてを明かさず、最後に真相を示す展開は、ミステリーとしては面白いのかもしれない。

ただ、公安が絡むことで真実が曖昧になり、最後は組織の都合で幕引きされるという結末が好きかどうかは、また別の話だ。

物語が面白くなかったと言いたいわけではない。一見関係のなさそうな事件がつながっていく展開には引き込まれたし、結城の思惑も気になる。

ただ、真相が明らかになったあとも疑問が残り、正義が貫かれたとは言い切れない結末には、どうしてもモヤモヤしてしまった。

結城の次のお菓子はタルト・タタン?

重い事件が続いた第2話だったが、結城のお菓子作りには少し和んだ。

今回は、八神の家族への差し入れとしてドイツのシュトレンを焼いてきた結城。しかも、子どもが小さいことを考えて、ドライフルーツを漬ける洋酒を少なめにしたという細やかな気遣いまである。

評判がよかったら次はこれに挑戦しようと思う、と八神に渡されたレシピの写真を見ると、次はフランスの伝統菓子・タルト・タタンに挑戦するようだ。

事件の裏側では鋭い判断を見せる一方で、部下の家族への差し入れには手作りのお菓子を選ぶ。結城のそんな一面も、このドラマの面白さの一つだと思う。

次回からは、また違う事件が描かれるようだ。SCUのメンバーがどんな事件に挑むのか。そして、結城と八神の関係はどうなっていくのか。次回も楽しみにしたい。

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