NHK大河ドラマ『べらぼう』を今のところ楽しく見続けている、姉です。
第7回「好機到来『籬(まがき)の花』」で一番印象に残ったのは、蔦重がなぜそこまで地本問屋になりたいのかを、吉原の親父様たちの前で語る場面。
鱗形屋が捕まったことで、蔦重にとっては地本問屋へ食い込むまたとない好機が訪れる。
けれど、蔦重が本当に欲しいのは「本屋として成功すること」だけではない。
その先には、吉原で働く女たちや、自分が育ってきた吉原そのものへの強い思いがあった。
蔦重が地本問屋にこだわる理由
蔦重は、地本問屋たちが吉原から入る金を使って商売をしながら、吉原そのものにはほとんど関心を持っていないことに腹を立てていた。
その金は、女郎たちが体を張って稼いだ金でもある。
だったら、その金を使って作る細見や絵は、もっと吉原のためになるものであってほしい。
女郎に客が集まり、その中から相手を選べるようにしたい。
「吉原の女はいい女だ」と胸を張れるようにしたい。
蔦重が地本問屋になりたい理由は、単に商売の幅を広げたいからではなく、自分たちの手で吉原を売り出したいからなのだと、この場面ではっきりわかった。
女郎が稼いだ金を吉原のために使いたい
今回の蔦重の話を聞いていると、かなり怒っている。
地本問屋が儲けること自体が気に入らないというより、吉原から金を得ておきながら、吉原で生きる人たちのことを何も考えていないことが許せないのだと思う。
蔦重自身も、吉原で商売をして生きているひとり。
だからこそ、自分もまた女郎たちが稼いだ金で飯を食っている側だとわかっている。
そのうえで、せめてその金を吉原へ返すような仕事をしたい。
そんな気持ちが、地本問屋になりたいという執念につながっているように見えた。
「吉原の女は江戸で一番」と胸を張らせたい
特に印象に残ったのは、吉原の女たちに「自分たちは江戸で一番だ」と胸を張らせたいという蔦重の思い。
これまでにも蔦重は吉原を盛り上げようと動いてきたけれど、今回はその理由がかなり具体的に語られた。
客を呼び込むことも、本を売ることも、ただ儲けるためではない。
吉原で生きる人たちの価値を外へ伝えることが、蔦重にとっての商売なのだと思う。
だからこそ、吉原のことを何も考えない外の本屋に任せるのではなく、「自前の本屋」が必要になる。
第7回は、蔦重がなぜ出版の世界へ進もうとしているのかが、これまでで一番わかりやすく見えた回だった。
横浜流星さんの演説シーンが印象に残った
この場面は、セリフの内容だけでも十分熱い。
でも、横浜流星さんの勢いのある演技や、それを聞いている親父様たちの表情まで含めて見ると、さらに印象に残る。
蔦重は理屈だけで相手を説得しているわけではなく、自分がどれだけ吉原を大事に思っているのかをぶつけている。
だからこそ、周囲の人たちも少しずつ動かされていく。
今回、皆のアイデアや協力によって新しい吉原細見を作り上げる展開にも、この場面がしっかりつながっていたように思う。
まとめ|蔦重が本当に守りたいのは吉原だった
第7回で印象に残ったのは、蔦重が地本問屋になりたい理由が、単なる商売上の野心ではなかったこと。
女郎たちが稼いだ金を、吉原を良くするために使いたい。
吉原の女たちに胸を張ってもらいたい。
そのためには、外の本屋に任せるのではなく、自分たちの手で本を作る必要がある。
蔦重がこれほど地本問屋にこだわる理由が見えたことで、これから出版の世界で何をしようとしているのかも少しわかった気がする。
第7回まで見てきた『べらぼう』、次週も見てみようと思う。

