「ボーダーズ」第4話は、前回から続く爆破強盗事件と秋山殺害事件の真相に迫る。
秋山の幼なじみである入江は、爆破強盗事件に関与していたのか。そして、秋山を殺害したのは誰なのか。
さらに、入江の釈放を要求する謎の人物から、ロケットを使った爆破予告まで届く。
SCUは新たな脅迫を阻止できるのか。
※以下、ネタバレを含みます。
入江と秋山の過去
前回、爆破強盗事件の重要参考人として警察に身柄を確保された入江徹。
入江は事件当日、商業施設にいたことは認めたものの、買い物に来ていただけで、事件には関係ないと主張する。
しかし、防犯カメラには2度目の爆発からしばらく経って施設を出る入江の姿が映っていた。
一方、入江の自宅からは爆破強盗事件に関係する物証は見つからなかった。
そんな中、結城は入江の名前に心当たりがあると話す。
6年前、立川で警備会社が襲撃され、約5億円が奪われた事件があった。実行犯の外国籍の男4人は逮捕されたものの、指示役や拳銃の入手ルートは特定できず、奪われた金も見つかっていなかった。
その事件で指示役として名前が浮上していたのが入江だった。
さらに、5年前に特殊詐欺の首謀者として名前が挙がりながら逮捕を逃れた秋山の事件とも、よく似ているという。
2人は幼なじみだった。
そして、爆破強盗事件が起きた日、入江と秋山が同じ現場にいたことも判明する。
富島から得た情報と秋山のビジネスパートナー
朝比奈は、綿谷の情報提供者である暴力団員・富島から連絡を受け、1人で会いに行く。
富島が教えてくれたのは、秋山が立ち上げようとしていた犯罪ビジネスと、その裏の経歴だった。
秋山は大学進学で上京してから、都内の半グレグループと関係を持ち、振り込め詐欺や投資詐欺などに手を出していた。
そして、秋山には1人のビジネスパートナーがいたという。
秋山が詐欺などの知能犯罪を好んでいたのに対し、もう1人は強盗や襲撃といった荒っぽい犯罪を好んでいた。
秋山が計画を立て、もう1人が実行を指示するという役割分担だったらしい。
富島は、秋山のことを「王様」と呼んでいた仲間がいたことに触れ、「1つの国に2人の王様がいるってことが普通あると思うかい?」と言う。
朝比奈は、秋山とパートナーの間で仲間割れが起きたのではないかと考える。
さらに富島は、スクランブルヒルズで盗まれた品物の行方についても情報を提供する。
今どきのプロは盗品を自宅に保管せず、ブローカーや専門の預かり所に持ち込むという。
富島から渡されたコースターの裏には、「PATRYK」という名前と電話番号が書かれていた。
富島は「大きな貸しを作れたと思っているが」と言う。すると朝比奈は、「あなたたちにとっても邪魔な人間を警察が逮捕するんですから、それでチャラだと思いますけど」と答える。
店を出ると、そこには綿谷が待っていた。
綿谷はSCUのためにも、後に続く女性警察官のためにも傷1つついちゃいけないと、朝比奈を気遣う。
入江と秋山の接触が判明
一方、八神は二課の宮原とともに爆破強盗事件当日の防犯カメラ映像を確認し、秋山と入江が接触して揉めている様子を見つける。
最上と綿谷は、富島から教えられたPATRYKを確保する。
PATRYKからは、爆破強盗事件が起きた日に入江が盗品を預けに来たという証言が得られた。
これを受けて入江には爆破強盗事件の逮捕状が出され、秋山殺害事件についても重要参考人となる。
爆破強盗事件と秋山殺害事件は、関連事件として捜査されることになった。
入江の釈放を要求するロケット爆破予告
そんな中、SCUに脅迫電話が入る。
犯人は、大崎南署に留置されている入江を釈放しなければ、17時ちょうどに都内のイベント会場へロケットを撃ち込むと告げる。
さらに、脅迫が単なるはったりではないことを示すため、江東区豊洲を指定する。
その約束どおり、すぐに豊洲でロケットによる爆発が起きた。
犯人は再び電話をかけ、入江の釈放を要求する。
結城は八神と綿谷を大崎南署へ向かわせ、入江から情報を聞き出すよう指示。朝比奈と最上はSCUで電話対応を続けることになった。
大崎南署で八神と綿谷は、入江の釈放を求めた脅迫があり、一刻を争う状況なので入江と話をさせてくれと頼むも、一課の刑事たちは上に掛け合ってくれと拒む。
しかし、二課の宮原は、秋山をマークするよう進言したものの受け入れられず、結果的に秋山を死なせてしまったことを悔やんでいた。
宮原は、同じことを繰り返したくないと話す。そして、越権行為が問題になるなら自分が責任を引き受けるとして、入江と話をさせるよう求めた。
取調室で八神と綿谷が入江に仲間の暴走を伝えるが、入江は仲間などいないと否定。
宮原は、秋山の仲間を操っているのではないかと問いかける。そして、「あんたは秋山とは全然違う人間だな。秋山は自分の下で働く人間にこんなばかげたことは絶対にさせなかった。同じ犯罪者でもあんたは秋山の足元にも及ばない」と入江を挑発する。
入江は宮原につかみかかるが、最後まで何も話そうとはしなかった。
朝比奈が脅迫犯の居場所を突き止める
SCUに再び電話が入る。
朝比奈は犯人に、秋山に心酔していたからこそ5年前の特殊詐欺事件でも彼の名前を出さなかったのではないかと問いかける。
そして、秋山が死んだから入江に乗り換え、こんな乱暴な犯罪を起こしているのかと指摘する。
電話は切れてしまうが、最上が発信場所を特定する。
足立区の一軒家にSCUのメンバーが向かい、村上多佳子を確保した。
村上のスマホを調べると、SCUへの脅迫電話の発信履歴が見つかる。
朝比奈はそのスマホから、仲間の安塚時央に電話をかける。
村上を確保したことを伝え、安塚たちが秋山を失ったうえに、さらに仲間まで失うことになってもいいのかと問いかける。
さらに、秋山を殺害したのは入江ではないかと話すと、安塚は動揺する。
しかし、宇藤は今のリーダーは入江だと言い、電話を切ってしまった。
その後、朝比奈の話を聞いた村上は疑問を抱く。
入江と宇藤から、秋山の敵討ちのために資金集めを手伝ってほしいと言われていたからだ。
朝比奈は、秋山を殺害したのはおそらく入江だと説明する。
結城も、秋山が集めたメンバーを入江がそのまま利用していると話す。
村上は、入江の釈放を要求するために協力していたことに疑問を抱いたのか、ついに爆破の標的を明かす。
標的は、汐留で17時から開催される音楽イベントだった。宇藤が黒い荷台のある車にロケット発射装置を取り付け、シートをかぶせて隠していたという。
ロケット発射を阻止できるのか
爆破まで残り38分。
最上が防犯カメラの映像から該当する車両を特定し、SCUは現場へ急行する。
最初に車を発見したのは朝比奈だった。
しかし、メンバーに連絡している最中に尾島に鉄パイプで殴られて倒れてしまう。そこに八神が駆けつけ、尾島と格闘する。
さらに宇藤がサブマシンガンを連射し、倒れた朝比奈を避難させようと綿谷も腕を負傷する。
宇藤は車の荷台に隠していた装置を操作し、ロケットの発射準備を始める。
最上が尾島を確保する一方、安塚はナイフを持って八神に襲いかかるが、阻止される。
そこへ結城が現れ、宇藤に銃を向ける。
宇藤は両手を上げるふりをして銃を持つが、すかさず結城が発砲。宇藤の腕に命中し、銃を落とさせる。
安塚と尾島はなおも落ちた銃を奪おうとするが、朝比奈が尾島を踏み台にしてジャンプし、安塚に蹴りを入れてやっつける。
こうして、ロケットの発射は阻止された。
朝比奈と綿谷は負傷していたが、結城の指示で病院へ向かうことになった。
秋山を殺害したのは入江なのか?
その後、朝比奈は入江と取調室で向き合う。
今回、入江の釈放を要求する脅迫は宇藤が中心となって起こしていたことが判明。自分(入江)が逮捕されたときには、そうするよう事前に指示を受けていたという供述も、逮捕された4人から取れていた。
入江は、自分は秋山とは違うと話す。
秋山は血を流さない犯罪で金を稼ぐことを信条にしていたが、自分のやり方なら短期間で結果を出せるという。
朝比奈は、爆破強盗事件が起きた日に秋山が入江を止めようとして現場に来たのではないかと問いかける。
入江は、秋山が自分のやり方を危険すぎると批判し、もう一緒にはやっていけないと言い出したことを明かす。
回想では、入江が秋山に考え直すよう説得するものの、秋山はそれぞれのチームでやっていこうと告げる。
すると入江は、歩き去る秋山の背後から銃を2発撃ち、秋山は倒れる。
入江は秋山を殺したかどうかについては話すつもりはないとしながらも、小さな王国に王様は2人もいらなかったと語る。
朝比奈は、入江と話す中で、秋山という人物がどんな人間だったのかがわかったという。
秋山には犯罪者でありながら野心があり、その野心を仲間と共有できるカリスマ性もあった。しかし、入江にはそれがない。
入江は秋山に嫉妬し、彼の死を利用して自分が新しい王様になれると思い込んでいたのではないかと指摘する。
さらに結城は、入江が特捜の刑事たちが乗り込んできたときにぶざまに逃げ出したと指摘する。
物証などなかったにもかかわらず逃げたのは、秋山が自分を告発する証拠を残していたと思ったからではないかという。
結城は、入江が王様などではなく、ただのまぬけな犯罪者だと言い放つ。
入江の王国は、もうとっくに崩壊していた。
ただし、入江は最後まで秋山殺害を認めず、殺害についての決定的な証拠が示されたわけでもなかった。
朝比奈はSCUに残ることを決める
病院では、朝比奈が以前助けた少女とその両親に再会する。
少女は朝比奈に笑顔を向け、両親も深く頭を下げて感謝を伝えた。
その後、爆破強盗事件の際の朝比奈の判断や行動にミスはなかったという監察官室の最終結論が報告される。
助けた少女はぜんそくを患っており、最初の爆発の煙で発作を起こして逃げ遅れていたという。朝比奈が発見して処置をしたことで、命の危険を免れたらしい。
警視総監の尾形は、結城に「事件の方もよくぞ被害の拡大を防いでくれた」とSCUを労う。
そして、朝比奈は今後の進路について結城に伝える。
警部補昇任後に所轄へ異動するか、SCUに残るかという選択について、もう少し現場で勉強したいのでSCUに残りたいと決めたのだ。
管理職としてのスタートが遅れることになっても、自分が納得できるまで修行したいという。
最後に結城は、朝比奈に手作りのマカロンをプレゼントする。
朝比奈は驚きながらも一口食べ、「うまっ」と笑顔になるのだった。
気になったこと・感想
入江と秋山、そして犯罪グループの違い
今回、結城は前回から気にしていた入江の名前について、6年前の立川の事件で浮上していた人物だったとSCUのメンバーに説明した。
第1〜2話では、結城が知っている公安に関する情報を最後までメンバーに伝えなかったことがあったが、今回は早い段階で情報を共有していた。これまでとは少し違う印象だった。
秋山と入江は幼なじみであり、犯罪のパートナーでもあった。しかし、知能犯罪を好む秋山と、強盗や襲撃など荒っぽい犯罪を好む入江では、犯罪に対する考え方が違っていた。
秋山の仲間たちは5年前の特殊詐欺事件でも秋山の名前を出さなかったのに、今回逮捕されると入江については次々としゃべってしまう。
王様と呼ばれていた秋山と、秋山の死を利用して王様になろうとした入江。犯罪の種類だけではなく、仲間からの信頼という点でも、大きな違いがあったように思う。
捜査の進め方に疑問も
今回、爆破強盗事件当日の現場で入江が秋山と接触し、揉めていた様子だったことを防犯カメラ映像から見つけたのは八神だった。
SCUよりも先に防犯カメラ映像を確認していた捜査一課は、入江が爆破強盗事件の現場にいたことを把握していた。それなのに、八神が見つけた秋山と入江が揉めている映像には気づかなかったのだろうか。
また、最上は前回、秋山の仲間たちが宇藤の車に乗り込んで走り去った際、ナンバーも含めて写真を撮っていた。
その情報をもとにもっと早くNシステムで追跡することはできなかったのだろうか。
ロケット発射までの時間がない中、標的は汐留の音楽イベントだとわかっていても、犯人たちの車がどこにいるのかはわからない。それを最上1人が防犯カメラの映像から探し出せたのは、ちょっと無理があるように思った。
宇藤琢磨とは何者なのか?
今回、かなり気になったのが宇藤という人物。
前回わかっていたのは、33歳で横浜在住、電子機器製造工場の派遣社員ということ。そして、爆破強盗事件で使われたのは手製の遠隔操作型爆弾で、電子機器を扱える人間なら製造できる可能性があるという程度だった。
しかし、今回はサブマシンガンを使い、さらにロケットを発射する装置まで用意していた。
宇藤はロケットまで自分で作ったのだろうか。それとも、どこかから購入したのか。
狙った場所にロケットを撃ち込める装置を作るというのは、かなり大変そうに思う。
そもそも、日本のドラマで警察を脅迫するためにロケットを使うという展開はあまり見たことがない。ちょっと驚いた。
また、秋山は知能犯罪を好み、手荒な犯罪を嫌っていたはず。爆弾やロケットを使う宇藤は、入江の仲間ということか。
朝比奈の能力は?
朝比奈は今回、富島から情報を引き出し、村上との会話から爆破の標的を聞き出すことに成功した。
特に村上とのやり取りは、入江への不信感を抱かせるうまい会話だったと思う。
朝比奈の能力が少しずつ見えてきたようにも感じるが、まだ具体的にどういう能力なのかはわかりにくい。
肝心な場面では結城が登場することも多く、朝比奈自身の実力がどこまでなのか、もう少し見てみたい。
結城の手作りマカロン
結城は第2話で八神にシュトーレンを渡していたが、今回は朝比奈に手作りのマカロンをプレゼント。
事件解決後に、メンバーそれぞれに何か手作りのお菓子を渡すのが恒例になるのだろうか。
結城が作ったカラフルなマカロンを、朝比奈が一口食べて笑顔になる最後の場面は、事件の緊張感から一転してほっとするシーンだった。
秋山殺害事件は本当に解決したのか?
今回の回想では、入江が秋山の背後から銃を撃つ場面が描かれた。
入江が秋山に見限られたと感じ、嫉妬から殺害したように見える。しかし、入江自身は殺害を認めておらず、決定的な証拠が見つかったという説明もない。
物語としては入江が犯人であることを示しているように見えるものの、秋山殺害事件がどのような形で決着したのか、少し曖昧さが残る終わり方だった。
全体の感想
今回、爆破強盗事件と秋山殺害事件は、入江と秋山の関係を中心に決着を迎えた。
入江を爆破強盗事件と結びつける情報は、暴力団員の富島から提供されたものだった。そこからPATRYKを確保し、入江の関与を裏付ける証言を得た。
また、朝比奈は村上との会話を通じて、ロケットによる爆破テロの標的を突き止めることにも成功した。
ただ、宇藤という人物の素性がほとんどわからないまま、サブマシンガンやロケットまで登場したことには、少し無理があるように感じた。
銃を持っていたのは結城だけだったことも気になる。相手が武装している可能性が高いのに、なぜSCUのメンバーは銃を持たずに現場へ向かったのだろうか。
そして、そもそもロケットを使った爆破テロに警察がどう対応するのかという疑問も残った。
初回から2話で1つの事件が結末を迎えるパターンが続いているが、今回も前回からの続きで事件が解決した。
1つの話を2時間ドラマのように一気に見られたほうが、テンポが良いようにも感じる。2話に分けることで、少し間延びしている印象もある。
第1〜2話では八神、第3〜4話では朝比奈が中心に描かれていた。次回からは新しい事件が始まるようなので、今度は綿谷や最上の人物像が掘り下げられるのだろうか。
次回はどんな事件が起きるのか、そして結城が以前から追いかけているという「例の件」が今後どう関わってくるのかも気になる。
