日本版『怪物』第5話と、オリジナル韓国版『怪物』第7話を見てみた、姉です。
日本版は全10話、韓国版は全16話。
前回の日本版第4話では、韓国版の第4話から第6話までにあたる内容が一気に進んだ。
そのため今回の日本版第5話は、韓国版第7話「釣る」とほぼ同じところまで来ている。
日本版第5話は約49分、韓国版第7話は約1時間15分。
今回も韓国版のほうが細かな人物描写に時間を使っているけれど、大きな事件の流れはかなり近い。
ただし、見比べてみると「そこを変えるんだ」と思う部分もあった。
以下、少しネタバレを含みます。
3年前のパートナー死亡の経緯が日本版と韓国版で逆
今回、一番驚いた違いがここ。
日本版でも韓国版でも、3年前に富樫/ドンシクが以前の部署で組んでいたパートナーを死なせてしまった過去が描かれる。
ただ、その経緯がかなり違う。
日本版では、富樫が証拠のない状態で、
「俺たちで捕まえて口を割らせるしかない」
と強引に動こうとする。
パートナーが止めても聞かず、2人で犯人を捕まえようとした結果、パートナーが襲われて殉職してしまう。
つまり、富樫の強引な行動が原因のひとつになっている。
一方、韓国版では逆。
ドンシクは、証拠もないのに強引な方法を取ろうとするパートナーを止めている。
しかしパートナーは、
「証拠がないなら作ればいい。違法でも何でもして捕まえる」
という考えで、隙を見て1人で犯人を追跡。
その結果、返り討ちに遭って死亡してしまう。
こちらはドンシクが暴走したのではなく、パートナーの暴走を止めきれなかったことへの後悔になっている。
個人的には韓国版の設定のほうがつながりが自然
この違いは、かなり大きいと思った。
韓国版では、亡くなったパートナーの言葉が、その後のドンシクの行動につながっているように見える。
証拠がなければ、何としてでも犯人を捕まえる。
その考えをドンシク自身が完全に肯定しているわけではない。
でも、切断された指を見つけた時に警察へそのまま届けず、自分で被害者宅の近くへ並べるという行動には、過去のパートナーの死が影響しているように感じる。
だから個人的には、韓国版の設定のほうがドンシクの行動につながっていてしっくりきた。
日本版の富樫は、これまで見てきた通り少し強引な人物。
なので日本版では「昔からそういう危うさを持っていた人物」として描くために、あえて変えたのかもしれない。
スマホのロック解除にも細かな違い
行方不明になった女性のスマートフォンから、父親へメールを送る場面にも違いがある。
日本版の富樫は、そのままスマートフォンを操作しているように見える。
ロックをどう解除したのかという描写はない。
韓国版では、ドンシクが本人の動きを思い出し、
「こうやって解除していた」
という記憶をたどってスマートフォンを開く。
かなり細かな場面だけれど、
「なぜ他人のスマホを操作できるのか」
という疑問に一応答えている。
こういう部分は、やはり時間に余裕のある韓国版のほうが丁寧。
ただ、その後に別の人物が隠されていたスマートフォンを見つけてメールを送る場面では、韓国版でもロック解除については特に説明されない。
そこはさすがに気になった。
犯人の逮捕シーンもかなり違う
犯人が捕まる場面も、日本版と韓国版では印象が違う。
日本版では「死体遺棄の容疑」で現行犯逮捕。
そして富樫と犯人が、大声で狂ったように笑い合う。
かなり異様な場面。
一方、韓国版では「拉致および監禁等の容疑」で逮捕される。
こちらには、ドンシクと犯人が笑い合う場面はない。
同じ犯人逮捕でも、日本版のほうがかなり派手で、不気味さを強調した演出になっている。
韓国版はもう少し冷たく、淡々としている。
犯人役2人の豹変ぶりがすごい
今回、どちらの作品でも見応えがあったのが犯人役。
日本版では小手伸也さん。
韓国版ではイ・ギュフェさん。
普段は気弱で優しそう。
吃音もあり、どちらかというと周囲から心配されるような人物に見える。
ところが殺害する時や1人になった時には、その雰囲気がまったく変わる。
吃音がなくなる。
顔つきも変わる。
目つきや身のこなしまで別人のようになる。
「普段見せていた姿は何だったの?」
と思うほどの変化。
小手伸也さんもイ・ギュフェさんも、この二面性を見事に演じていてかなり怖かった。
日本版と韓国版で主役2人の印象もかなり違う
第5話まで見比べてきて、富樫とドンシク、八代とジュウォンの印象もかなり固まってきた。
日本版の富樫は強引。
目的のためなら多少無茶な方法も使う。
八代は比較的無口で、何を考えているのか見えにくい。
一方、韓国版のドンシクはクレバーで、普段の物腰は柔らかい。
ジュウォンはよく話すし、感情も表に出やすい。
同じ人物をベースにしているのに、ここまで性格の見え方が違うのは面白い。
もちろん、この先の展開でまた印象は変わるのだと思う。
犯人逮捕で一区切り。でもまだ半分
今回、日本版第5話と韓国版第7話では、これまで引っ張ってきた事件の犯人がついに逮捕される。
ここまで長かった。
正直、
「やっと捕まった」
という気持ちもある。
それでも、物語全体としてはまだ半分。
これまで起きた連続殺人事件のすべてを、この犯人ひとりが起こしたわけではなさそう。
25年前の事件もまだ残っている。
つまり、ひとつの大きな謎が解けたように見えて、本当の『怪物』はまだ別にいるのかもしれない。
まとめ|犯人逮捕より、日本版と韓国版の“過去の違い”が気になった
日本版『怪物』第5話と韓国版第7話は、これまで積み重ねてきた伏線を回収し、犯人が逮捕される大きな区切りの回だった。
ただ、両方を見比べて一番気になったのは、富樫とドンシクの3年前の過去がまったく違うこと。
日本版では富樫自身の強引さがパートナーの死につながり、韓国版ではドンシクがパートナーの暴走を止められなかったことが後悔として残っている。
同じ物語でも、この違いによって主人公の見え方がかなり変わる。
犯人役の小手伸也さんとイ・ギュフェさんの豹変ぶりも見応えがあった。
ひとまず犯人は捕まった。
でも物語はまだ半分。
次回、その犯人が何を語るのか。そして事件の奥に何が残っているのか、続きを見てみようと思う。
