2026年元旦、テレビ朝日『相棒』の元日スペシャルをまったり見てみた、姉です。
『相棒 season24』第10話・元日スペシャル「フィナーレ」。
絶海の孤島、いわくつきのホテル、聖夜、推理小説になぞらえた連続事件……と、いかにも元日スペシャルらしい豪華な舞台設定。
ただ、見終わってみると「それはどういうこと?」と引っかかる部分も多く、個人的には雰囲気ほどミステリーそのものには乗り切れなかった。
甲斐さんが無事だったのは何よりだけれど、舞と美作が何を狙っていたのか、右京さんへの復讐がどう成立していたのかなど、少しモヤモヤの残る元日スペシャルだった。
以下、ネタバレが含まれます。
絶海の孤島で始まる連続事件
今回の話は……。
元日スペシャルは予告やあらすじを見て、あまり期待しないで見始めたのだけれど、最初の頃の絶海の孤島に建つホテル外観のCG画像を見た時点で、事件の内容も辻褄が合わないような、ぼんやりした話になるのではないか、と不安な気持ちに。
ホテルの建つ聖島は、「悪霊を祓うため、五人の人間を人柱にした」という言い伝えが残るいわくつきの場所。
ミステリー作家の美作は、その伝承をベースに、後にシリーズ化される推理小説の一作目を執筆していた。内容は、五人の男女が一人、また一人と殺害されていくというもの。
その本の挿絵にそっくりの脅迫状が届いたことで、相棒の2人は美作の滞在しているホテルへ行くことになる。
ホテルのロビーには聖島の言い伝えの人形が5体飾られていて、1体の人形の頭がコロッと落ち、最初の事件、美作のマネージャーである相模舞が自室で死亡する。
しかも、推理小説の中と同じ部屋で起きる。
密室殺人なのに、最初から自殺っぽい?
これが密室殺人だと大騒ぎになるのだけれど、すぐに亡くなった舞はガンの余命宣告をされていたことがわかり、こちらは「それって自殺じゃないの?」って思って見ているので、皆で密室殺人のトリックをいろいろ考えたりしているのにぼんやりする。
そしてホテルがいつ建てられたのかわからないけれど、高級っぽいホテルなのに防犯カメラが1つも登場しない。
まぁカメラはホテルに1つもなかった、あったとしても何も映っていなかった、ということだとしても……。
その後ロビーに飾られた人形の頭が1つ2つと落ち、小説の中の殺害方法になぞられて事件が起き、次は誰が?となる。
犯人が誰だかわからず、防犯カメラもないなら、たまたまホテルには捜査一課の刑事3人+特命係2人がいたので、人形に細工しているのが誰なのかロビーを見張っているわけにはいかないのかな?と不思議に思った。
舞と美作、それぞれの復讐
最後に右京さんが、美作に事件の真相を話す。
舞は自殺だったこと。
甲斐さんは、停電した時にインクへ毒を仕込んだ万年筆で刺されたこと。ただし一命は取り留める。
一方で、インフルエンサー・八木沢が殺害された時間のトリックについては話しても、殺害方法に関しては特に触れない。
舞の父親は、美作が無名だった頃の友人だった。
不慮の事故でケガをし、高校生だった娘に迷惑をかけないように、そして保険金を娘に残せるようにと、強盗に入られ殺害されたように見せかけて自殺する。
しかし右京さんが、それを他殺ではなく自殺だと見破った。
そのことで舞に辛い思いをさせたとして、美作は右京さんを恨んでいた。
舞が殺したのは岡野と自分
舞は自分がガンで余命が長くないことを知ると、父親の事故は岡野が仕組んだものだったことを確かめ、岡野を殺害。
13年前の復讐に命を捧げることにした舞は、その決意として、岡野を殺害した現場から戻る際に聖島の言い伝えの人形一体の頭を切り離して置いた。
結局、舞が復讐として殺したのは岡野と自分の2人。
美作は、特命係の庇護者である甲斐さん(一命を取り留める)と、ネットの誹謗中傷で舞や自分を苦しめた八木沢(死亡)、そして右京さんの計3人に復讐する。
右京さんは、自殺して命をお金に換えようとした父親のことを娘の舞に「あなたは正しく行きなさい」と、少しの情も解さず否定した。
そこで一番苦しめる方法として、事件を解決できず、目の前の犯人を逃すことで右京さんへ復讐しようとした。
でも、これで小説になぞらえたような5人への復讐ってことになるのか?
「証拠を遠ざける」がよくわからない
右京さんは、美作が甲斐さんをわざと殺さなかったのは、生きていればこそ警察は甲斐さんを救うために必死にヘリを飛ばそうとするからだと説明する。
自分が気づく前に、舞の遺体や甲斐さん、つまり証拠を早く遠ざけようとしたのだという。
ただ、これがわからない。
舞の遺体はすでに解剖され、自殺と判明しているし、病院に運ばれた甲斐さんの体の傷口からは毒物も検出されている。
美作が、右京さんが真実にたどり着く前に海外へ逃げるつもりで甲斐さんを殺さなかったとするには、全然時間が足りていない。
右京さんが自分の本に、たまたま毒物入りのインクが入っていた万年筆で美作にサインしてもらっていたので、それが証拠ということのようだけれど。
うーん……。
美作が右京さんを恨む理由も少し弱い
そもそも舞の父親がしようとしたことは、保険金詐欺に多分なるのだろうから、特命係が他殺ではなく自殺と真実を解明したことを美作が恨むのもどうかと思う。
舞が、父親が自殺しようと思ったきっかけとなる事故を岡野が仕組んだことを知り、思わず殺しちゃった、というのはわかったとしても……。
その後、人形の首を取って殺害現場に置き、他の人たちに復讐していく覚悟を決めたなら、余命少ない舞が1人で甲斐さんに毒を刺し、八木沢を殺し、そのあと自殺すればよかったんじゃないの?と思った。
前回に続いてまた余命わずかな人物
前回の第9話でカフカさんも、癌があちこちで進行していて末期の状態だった、という設定だっただけに、今回の舞もそうなのか、とちょっと食傷気味。
ならばせめて、今までの美作の作品のトリックを考えていたのは実は舞で、残り少ない人生をかけた右京さんに対する挑戦だった、くらいのほうが収まりが良いような気がする……。
他にもいろいろ不思議に思うことはあったけど、まぁドラマだから、ね。
元日スペシャルを見てみて
「島の言い伝え」「絶海の孤島のホテル」「聖夜」「コナン・ドイル」「アガサ・クリスティ」など、いろんなキーワードが先走り、肝心のストーリーやミステリーのトリックがいまいちピンとこないのは残念。
元日スペシャルらしい舞台や雰囲気はたっぷりあったのだけれど、個人的にはその舞台設定に事件そのものが追いついていないように感じた。
甲斐さんが一命を取り留めてくれたのは良かった。
次回の『相棒』第11話はどんな話なのか楽しみ。

