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【シリウスの反証】第1話 感想|冤罪と断言できない不安、救えなかった人の重さ

ドラマ感想(コラム)
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『シリウスの反証』第1話は、冤罪事件を扱いながらも「これは本当に冤罪なのか?」という疑念を視聴者に突きつける、非常に悩ましい導入だった。

被告人の無実を信じたい気持ちと、疑ってしまう感情が同時に存在し続ける構造の中で、物語は“救えなかった人”の存在を強く刻みつけてくる。

この第1話は、希望よりもまず、重たい現実から始まる。

※本作『シリウスの反証』はWOWOWで放送・配信されています。
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※本記事は『シリウスの反証』第1話のネタバレを含む感想です。
物語の展開や印象的な出来事に触れていますので、未視聴の方はご注意ください。

冤罪と断言できない不安が、ずっと残る

第1話を見終えてまず感じたのは、「冤罪ドラマとして見ていいのかどうか」を判断させられる作品だということだった。

冤罪をテーマにした物語であれば、ある程度は“無実前提”で感情移入できる。しかし本作は、その前提を簡単には許してくれない。

今のところ、覆せそうな決定打はない。

凶器から検出された指紋、被告人の前科、粗暴な人物像。それらが積み重なり、「冤罪かもしれない」と同時に「やっていてもおかしくない」という感覚が拭えない。

被告人が「疑われやすい人間」であるという構造

宮原信夫は、視聴者にとって決して“守りたくなる被害者”ではない。

拘置所での面会でも要領を得ない発言が続き、突然踊り出す姿には戸惑いしか残らなかった。

冤罪を訴える人物が、必ずしも善良で分かりやすい存在ではない。その現実を真正面から描くことで、本作は「人間として問題があること」と「罪を犯したかどうか」は別だという、厳しい問いを投げかけてくる。

小さな希望として示された「無知の暴露」

事件現場の検証で語られた「無知の暴露」という概念は、物語の中で初めて見えた希望だった。

真犯人しか知りえない事実を語ってしまうのが「秘密の暴露」。一方、真犯人であれば言うはずのないことを言ってしまうのが「無知の暴露」。なるほどと、説明を聞いて感じた。

手提げ金庫を捨てた場所に関する供述の食い違いは、確かに“作られた供述”の痕跡を感じさせる。
しかしそれを当時の弁護人が重視しなかった理由もまた、残酷だった。

最初から「犯人だ」という前提で進められた裁判では、無実を示す矛盾は、存在しないも同然になる。

太田重子が残したもの──全員は救えないという現実

第1話で、最も心に残ったのは太田重子の存在だった。冤罪を訴えながらも救われず、人生を取り戻すことができなかった人。

チーム・ゼロは「救える可能性のある事件」しか引き受けない。それは現実的で、合理的な判断だ。しかしその判断の外側に置き去りにされた人が、確かに存在していた。

重子の遺書にあった

「私はやってません。自分のいのちを持ってそれを証明します」

という言葉は、あまりにも重い。

全員を救うことはできない。正義の側に立つ人間であっても、選別は避けられない。そして、その結果として生まれるのが“逆恨み”という感情なのだと思う。

助けられなかった側から見れば、救った側は裏切り者にもなる。その怖さが、このエピソードにははっきりと描かれていた。

個人的には、佐奈がこの出来事をきっかけに、物証も乏しく、困難が予想される宮原の事件に踏み込んだように感じた。

太田重子の死が、彼女の中でより強い原動力になったのではないか──少なくとも第1話は、そう受け取れる描かれ方だった。

太田重子のエピソードを見て、正直「これは途中でやめられる話じゃない」と感じた。

『シリウスの反証』は、冤罪をテーマにしながらも、見る側の覚悟を問われるドラマだと思う。

現在、本作は WOWOWで視聴可能です。
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冤罪前提で見るしかないが、安心はできない

現時点では、冤罪前提で見続けるしかないと思っている。そうでなければ、この物語はあまりにも重すぎる。

ただし、もし最終的に冤罪ではなかったとしても、このドラマは成立してしまうだろう。その場合に残るのは、救いではなく、もっと深い後悔と虚無だ。

第1話を見て感じたこと(まとめ)

  • 冤罪かどうかを、視聴者自身が判断し続ける構造
  • 被告人が疑われやすい人物であることの怖さ
  • 全員を救えない現実と、その先に生まれる逆恨み
  • 正義を掲げる側もまた、誰かを切り捨てているという事実

『シリウスの反証』は、「正しいことをしているはずなのに、誰かが必ず傷つく」そんな現実を、静かに突きつけてくるドラマの始まりだった。

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