2026年3月13日に放送された『元科捜研の主婦』最終回・第9話の、ネタバレを含む感想をまとめました。
最終回は内容が盛りだくさん。
7年前の「厚木・窒素ガス殺人事件」で何が起きていたのか、なぜ松井直也が犯人とされたのか、そして道彦の兄・修一はなぜ殺されたのか。
これまで少しずつ積み重ねてきた謎が一気につながります。
ちょっと駆け足感はあったものの、警察内部の隠蔽や真犯人までほぼ想像通りに伏線回収され、最後は詩織の科捜研復帰まで描かれる大団円となりました。
ここから先、ネタバレを含みます。
小沢所長の告白
冒頭、小沢所長は吉岡家で詩織と道彦を前に、隠していたことを告白。
修一は松井は犯人じゃないと確信し、独自に捜査を続けておそらく真犯人にたどりついた。
そして事故に見せかけて殺害された。
7年前、世間を騒がせた「厚木・窒素ガス殺人事件」を、警察は一刻も早く解決しようと躍起になっていた。
松井の犯行を裏付ける証拠は2つ。
「防犯カメラ映像」と「松井の革手袋に残された毛髪」。
しかし調べたところ、松井のDNA型鑑定のデータが消えていた。
そのため、小沢所長は科捜研内部に敵がいるかもしれないと考えていた。
前回思わせぶりだったけれど、結局、小沢所長は悪い人ではなかった。
鑑定書の捏造
詩織は所長と科捜研へ。
副所長が詩織を避けていた理由は、「厚木・窒素ガス殺人事件」の鑑定を担当した副所長が、吉岡修一に関することを探られたくなかったから。
詩織は松井の奥さんから、夫が生前使っていたヘアブラシを入手。
松井の毛髪のDNA型を抽出し、手袋に付着していた毛髪のDNA型と一致するかどうかを改めて調べると、不一致。
副所長は警察の威信に関わる問題だと阻止を試みるも、小沢所長は、
「全責任は私が取ります。もし内部に真実をねじ曲げた人間がいるなら、それを正すのが私の役目です。では師匠、よろしく頼みます」
と詩織に任せる。
カッコいい。
副所長・加藤は、犯行を認めない松井の容疑を固めるために行ったDNA型鑑定のはずだった、と当時の状況を回想。
加藤が鑑定した結果、手袋に付着していた毛髪は松井のものではなかった。
つまり、松井はシロ。
しかし金田課長は「犯人は松井だ」と言い、手袋の毛髪が松井のものと一致したと結果を書き換えるよう指示。
加藤は最初こそ断るものの、松井が拘置所内で自殺したと知る。
冤罪で捕まった犯人が拘置所で首をつったなんてことが世間に知られたら、警察の信用は地に落ちる。
科捜研だってどうなるかわからない。
松井が罪をかぶって死んだことをいいことに、金田課長の提案を受け入れた。
想像通り、悪かったのはこの2人。
金田課長の指示で、副所長は鑑定結果を捏造していた。
副所長と金田課長は……
詩織は副所長の告白を聞き、思いを告げる。
手袋に付着した毛髪のDNA型データを破棄しなかったのはなぜなのか。
あのデータさえ捨てていれば再鑑定はできず、真実を隠せた。
それは副所長の科学者としての正義だったのではないか、と。
しかし一方で、7年前に真犯人が別にいるとわかっていれば、義兄は死ななかったかもしれない。
「悔しいです!」
終盤の記者会見で、小沢所長が副所長の処遇について発表する。
科捜研の当該職員に関しては、証拠隠滅の疑いで近く送致される予定だという。
そして金田捜査一課長が連行される時の、小沢所長がこれまたカッコいい。
金田は「やってくれたな、科捜研ごときが」と吐き捨てる。
それに対して小沢は、
「まぁ仕方ないっすね。科学が答えをくれちゃったんで」
と返す。
さらに金田が食ってかかると、小沢は近づき、
「あんたのせいで死ななくてもいい人間が死んだんだぞ」
と怒りをあらわにする。
真犯人にたどりつくまで
修一の事故は「横浜・瀬谷区倉庫爆発事件」として、改めて捜査が始まることとなる。
●6年前に爆発のあった瀬谷の倉庫を所有していた会社に聞き込み
→マイクロバイオ研究所の研究員・手塚が、学生時代にその倉庫でバイトしていて、当時鍵の管理も任されていたことが判明。
●瀬谷区で活動する動画配信者・セイヤーズの動画をチェック
→事故当日、現場近くで撮影していた映像に、台車で液体窒素のボンベを運ぶ手塚の姿が映り込んでいた。
●松井がいた拘置所で刑務官から話を聞く
→松井が自殺した当日に手塚が面会に来ていたことがわかる。
●松井の革手袋に付着していた毛髪
→手塚のもの。
●防犯カメラの映像を調べる
→防犯カメラの死角を通って移動できる唯一の部屋が、手塚の部屋であることがわかる。
手塚の自供
道彦と詩織は、手塚の勤める研究所へ行く。
捜査で得た証拠を手塚に話すと、観念して話し出す。
修一や同僚3人を殺した動機。
松井とはずっと同期で比べられ、評価されるのはいつも松井ばかり。
一度辞めたくせに、子供ができたから戻りたいと言い出したことが気に入らず、松井に罪を着せれば一挙両得だと思ったという。
さらに松井に面会した時、何を言ったのか。
なぜ松井は死んだのか。
手塚は、美里ちゃん、つまり松井の妻が犯人だと言ったら松井は信じた。
奥さんを救いたかったら墓場まで持っていくしかないと言ったら、本当にすぐ死んだ、と笑う。
研究所の入口には道彦の同僚3人が待っていて、手塚は連行される。
詩織が「お疲れ様」と道彦に声をかけると、こらえきれず道彦は詩織に抱きつき、泣く。
尾上寛之さん演じる真犯人・手塚達郎が、もう本当に嫌な感じでとても良かった。
詩織の科捜研復帰
「県警と科捜研が謝罪、鑑定不正と誤認逮捕」という記者会見。
小沢所長は、7年も前の事件の真相が暴かれたきっかけは何だったのかと聞かれ、
「元科捜研の主婦です」
と答える。
吉岡家では会見をテレビで見ながら、亮介は「お母さんは大事件を解決したんだ」と道彦から教えられ、すごい、と誇らしげ。
道彦は詩織と亮介を前に、
「ひとつ、大事な話があります。どうしても実証したい仮説があるんだ」
と話し出す。
それは、
「お母さんが科捜研に復帰しても、家族みんなが幸せでいられるという仮説」
このあとの道彦の詩織に対する言葉が、自然でとても素敵。
さくらさんも、これがラストチャンスだと言っていた。
それを考えたら、科捜研で頑張る詩織の姿を見られないのは寂しい。
その才能を発揮してほしいし、科捜研で生き生きと仕事してる詩織も好きだから、もっと活躍しているところを見たい。
もちろん決めるのは詩織自身。
詩織は、家庭に入ってからずっと幸せだったけれど、やっぱり科捜研の仕事も大好き。
だからどちらも選んで、それでも幸せになれるという仮説を証明してみたいと答える。
この証明は簡単じゃないかもしれない。
でも、家族一緒なら答えが出せる気がする。
道彦は「やろう、一緒に」。
亮介も「僕もやってみる!」。
道彦は迎えも家事も手分けし、詩織だけには任せないと約束。
詩織も、
「でももし失敗しても、また考えよう」
と答える。
そして詩織は科捜研へ復職する。
詩織は亮介をお迎えに行くと、自分の番だと思っていた道彦もそこに。
亮介と家族3人で家に帰る。
最後に詩織の声でナレーション。
「科学はいつだって私の味方だ。でも今は科学だけじゃない。家族と仲間が最強の味方だ」
こんな家庭ある?というくらい出来すぎた吉岡家だけど、見ていてほのぼのできて良かった。
第9話(最終回)を見てみて
最終話はちょっと駆け足感があったけれど、7年前の事件、そして6年前の事故が、捜査を始めたらけっこう簡単に真犯人が見つかり、あれよあれよと解決していくのでテンポよく見ることができた。
ところどころ、松井は研究所を辞めているのに、松井のフルネームの書いてある革手袋をなんで手塚が持っていたのか疑問に思ったり……。
松井が手塚に「奥さんが犯人だ」と言われて信じちゃうっていうのもなんだか……。
身重でそんなことするかね?
すべてを自分が被ってという覚悟なら、最後に奥さんに本当なのか確かめたりしないものなのかな?とか思ったり……。
詩織の言う通り、副所長が手袋に付着していた毛髪のデータを破棄していれば再鑑定はできなかったわけで、副所長の科学者としての正義だったのかもしれない。
けれど、課長がそのデータも含めて破棄を指示しなかったのは間抜けすぎて、そんなことある?って思ったり……。
まぁそれはそれで。
前回、ちょっと所長が実は悪かったりするの?と思わせるようなところがあったけど、このドラマの感じだとそれはないかな……と思いながら見ていたら、やはり副所長と捜査一課長が悪者で、真犯人は手塚。
想像通りだった。
ドラマに出てくる捜査一課や科捜研などは、子供がいても融通が利きにくいような職場のイメージがあるけど、このドラマの中ではとても協力的。
最近はこんな感じ?
どうなんだろう……。
やはり印象に残ったのは、詩織の科捜研への復職を後押しする道彦と亮介の会話をはじめとする、家族円満な吉岡家。
こんな家庭あるのかな?と思うくらい理想的。
全話を見てみて『元科捜研の主婦』は、吉岡家をはじめキャストの皆さんが良く、ほのぼのしていて家族円満。
その家族が協力して、科学の力で事件を解決するドラマという感じで、あまり深く考えずに楽しむことができた。
続編は作られるのかな?
ただ、ドラマのタイトルが「元」なので、その時は名前も変わる??

