2026年1月21日に放送された相棒24 第13話「信用できない語手」の、ネタバレを含む感想をまとめました。
あらすじはテレビ朝日HPから引用させて頂きます。
闇のフィクサー・浦神鹿再び
右京に捜査依頼した意図とは!?右京(水谷豊)が行きつけの紅茶店を訪れると、政財界のフィクサーとして暗躍し、右京が最大限の警戒を抱いている浦神鹿(毎熊克哉)の姿があった。どうやら右京を“待ち伏せ”していたようだが、相変わらずつかみどころがない。そして、思いも寄らない話を持ち掛けてくる。自分は家族全員が殺害された犯罪被害者で、被疑者死亡で打ち切られた捜査に納得がいっていないため、右京に再捜査をしてほしいという。
同じ頃、捜査一課は、大手建設会社の会長が、愛人と共に遺体で発見された事件を追っていて…!? 浦の言動に胸騒ぎを覚えた右京は薫(寺脇康文)と、浦の家族が殺された過去の事件を洗い直すことに。それは24年前に起き、浦以外の家族4人が殺害され、屋敷が全焼する惨事だった。そして、庭師の男の遺体が発見され、犯行を示す遺書があったことから、事件は被疑者死亡で幕引きされたらしい。そんな中、松永(橋本良亮)という公安の刑事が特命係の前に現れ、浦に関する驚きの事実を告げる。やがて、浦をめぐる過去の事件と、一課が追う現在の事件に、ある共通点が浮かび上がってくる。
過去と現在の事件に不気味な共通点が
挑発的な浦に翻弄される刑事たち
捜査の先に驚がくの事態が待ち受ける!ゲスト:毎熊克哉、橋本良亮
テレビ朝日「相棒」より
内容に関して詳しくは書きませんが、少しネタバレ含む感想を書きます。
以下、ネタバレが含まれます。
今回の話は…初回の登場から印象に残るキャラクターで次の登場を楽しみにしていた毎熊克哉さん演じる「浦神鹿」が登場とあって、やっぱり面白い回だった。
結局のところ、自分の家族、高校時代の寮で一緒に生活していた4人の家族を放火殺人していたのは、浦神鹿という話なのだけれど…
「信用できない語り手」と再調査の依頼
右京さん行きつけの紅茶店で浦は右京さんに、
「悪について」の小説は、全く書けていないが「物語の技法」という本を読んで勉強中、たった今「信用できない語り手」という技法を呼んでいた…という流れで、今回のタイトル「信用できない語手」がどういうことなのか触れている。
「信用できない語り手」→自分自身も登場人物の1人である語り手。本来は読者にとって真実を語るはずの存在が信用できないという論理的矛盾。極めて実験的な手法とされている。
そして浦は高校時代に自分の家族4人が亡くなった放火殺人事件の真実を知りたい「だって友達じゃないですか」と右京さんに再捜査を依頼し、特命係が調べ始める…となる。
浦としては万全の準備をし、満を持して右京さんに会いに行ったようだけれど、何もしなければバレなかった事件を自ら右京さんに掘り返してもらいにいく心理は見ていてよくわからないけれど、浦はそういう人なんだと思う。
被疑者死亡で捜査打ち切り
浦は家族が亡くなった事件当時、高校の寮で生活していて同じ寮の4人が浦のアリバイを証言していたが、他の4人も同じように放火殺人で親が亡くなっていて、「放火殺人、犯行の動機は恋愛感情、それを裏付ける文書が発見されて被疑者死亡で捜査は打ち切り、アリバイを証言していたのは全て同じメンバー」。そして全て浦が帰国したタイミングで事件が起きていた。
事件の起きた場所はそれぞれ違うので警察は共通点を右京さんが調べるまで発見できなかったのかもしれないけれど、その右京さんですら、浦の再捜査の依頼がなければ知らなかった話なわけで、浦は右京さんに自分の犯した罪を暴いて欲しくてたまらなかった?
僕は壊れたんだ…
「亡くなったご家族の話をしているのに、言葉が軽い気がして…」という亀山に浦は、こう答える。
家族を失った時、僕は壊れたんだ。悲しい時に笑い、楽しい時に憤怒する。大切なものを破壊して、唾棄すべきものを愛でる。
これが浦神鹿という男なのか?だから被疑者死亡で捜査打ち切りとなった過去の自分の起こした事件を本来なら隠しておきたいことだから、右京さんに暴いてもらいたい…ということなのか?
養子は男性?
養子だった浦は「自分も父親と同じことをしようと思って」と、養子を取るのだけれど、この養子がなんだか不思議。一言も話さないし、ただずっと立っているだけ。まわりでどんな話をしていても無表情。女性が着るような感じの服を着ていて中性的な雰囲気だけれど男性っぽい。
そもそも目は見えるのか?音は聞こえているのか?話すことはできるのか?立ってはいるけれど、体を動かすことはできるのか?
なんとも不思議。最後に浦が殺した公安の松永と一緒に殺された養子がソファに並んで座らされているのがなんとも気の毒。
書き換えられたストーリー
子供とキャッチボールをしていたメンバーの甲元に、右京さんは、
「小説を書くための資料として読んでいた心理学の本の付箋が貼っていたところは古今東西の「子殺し」の物語についての部分。浦は海外で死亡し、養子が死亡届を出すことで法的にこの世に存在しない人間になり、全ての事件は被疑者死亡で捜査打ち切り、そう聞かされていたのでは?しかし浦の養子は殺害されました。浦が自らの計画を逸脱したのだとしたら今後何がおこるのか予測不能です。次は誰の子供が殺されるのでしょうか?自分たちは選ばれし者だとあなたは言いました。僕もそう思います。あなた達は浦に選ばれている、壊してもいいおもちゃとして。」と話す。
そして甲元が自供したことで、全てを壊されることに恐れをなした他のメンバー3人も全ての放火殺人が浦が実行犯であったと認める…となる。
浦が養子を取ったのは「父親と同じことをしたくて…」と言っていたけれど、自分の描いたストーリーでは養子は不可欠だったのだろう。ではなぜ公安の松永を殺したあとに、養子も殺したのか?
浦は公安の松永に「海外で死亡した」と偽装してもらったが、「私はあなたの部下じゃない、あなたの力を利用できると判断しただけ。」そして特命係の2人を「窓際部署のロートルたちとは見てる景色が違いますから…」という松永の言葉を聞いて、浦は松永に殴りかかり、最終的に倒れた松永の首をしめて殺し、「友達のために戦っちゃったよ…こんな感情初めてだ…」と言う。
勝手な想像だけれど、これは「友達」である右京さんを侮辱したのを許せなかったからということなのではないか?そして松永をこのような形で殺したことで、浦が海外で死亡し、「養子が死亡届を出す」という元のストーリーから逸脱してしまったのだと思った。
第13話を見て
浦神鹿の言うことは、どれが本当でどれが嘘なのかわからないので、今回の話はちょっと頭の整理がつかない。
- 浦の家族が亡くなった自宅は江戸時代に建てられた武家屋敷→モダンな現代建築
- 浦は児童福祉施設に入る前はある特別な共同体で育った?
- 数人の男女のグループ(特別な共同体)の住んでいたアパートは全焼した
- 浦の両親は喫茶店をやっていた?
- 公安の松永は浦が海外で死んだことを偽装するためだけの存在だった?
- 浦が養子を取ったのは父と同じことをしようと思って?
- 養子に入った浦の父にとって家族は壊していいおもちゃみたいなもの?
まぁそれはそれとして、今回の話はやっぱり浦と右京さんのやり取りが面白かった。だまっていれば問題にすらならなかった事件を自ら火種をまいて、最新の3Dプリンターを警察にプレゼントして、鑑識もわからなかったメッセージを見つけさせて挑発。特命係に出向き全て?を告白するも捕まえられないことをわかっての行動、そして自ら死亡したことにして…と、話はどんどん展開していきあっという間に時間がすぎて見終わった感じ。
最後に右京さんが「浦は犯罪をもって友愛を示す、ですか…」とちょっと笑って言うと、亀山に「右京さんなんか笑ってません?」といわれ、「続きが気になる、それだけです。」と右京さんは言うけれど…天才は狂人と紙一重ということか?
卓越した才能を持つ天才の思考や行動が、周囲からは理解不能な狂気じみたものに見えるという、両者の境界が非常に曖昧で、常識を外れた革新的なアイデアと、精神的な危うさが隣り合わせにある…的な???
個人的には…
浦にはもっとフィクサーとして政財界絡みの話で今後もいろいろな事件に関連して出てきて欲しかったし、今回の放火殺人も実行犯は浦以外のメンバーで、浦自身は一切手を汚していないので捕まえることはできない…みたいな話だったら、と思ったけれど…
フィクサーから逃亡者となったが浦は生きてる。新たに描き直した物語の続きを右京さんに披露したくて、またどこかでお目にかかれるのかもしれない。
楽しみにしていた浦神鹿が登場した今回は、2時間でも良さそうな話を出し惜しみせずギュッと1時間でまとめてあって、内容が濃く見応えがあった。
こういう話を見ちゃうと、いろんな刑事ドラマがいかに展開がのんびりしていてなかなか先に進まないんだなと、しみじみ思う。脚本家・真野勝成さんの話はいつも唸るような話が多く改めてそのお手前に脱帽。これからも面白い話を期待したい。
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