2026年4月8日から始まった『LOVED ONE(ラブドワン)』第1話の、ネタバレを含む感想をまとめました。
原作はなく、完全オリジナルということで楽しみにしていました。
舞台となるのは、厚生労働省主導で新たに立ち上げられた法医学専門チーム「MEJ(メディカルイグザミナージャパン)」。
警察への調査指示や解剖の決定など、死因究明に関する捜査権限を持つチームが、科学的な視点から“死の真相”に迫っていきます。
第1話で描かれたのは、池のそばで発見された17歳の少年の死。
事件なのか、事故なのか。
少しずつ明らかになった真実は、犯人を突き止めるようなものではなく、いくつもの偶然が重なったあまりにも残酷な事故でした。
以下、ネタバレを含みます。
変わり者の天才法医学者?
先進国の中で、日本は死因究明率が特に低い。
それを改善するため、厚生労働省としてはアメリカのメディカルイグザミナー制度を実験的に取り入れることになった。
法医学者であるメディカルイグザミナーは捜査権を持つ。
死因究明に必要な捜査全般を行え、解剖を行うかどうかについても決定権がある。
ということで、アメリカでメディカルイグザミナーとして15年間務めてきた医師・水沢真澄(ディーン・フジオカさん)を日本に招聘。
桐生麻帆は死因究明の知識はないが、メディカルイグザミナージャパンのセンター長として現場の責任者となる。
説明が一切出てこないので、麻帆の家でビール飲んでる男性は誰?と思い相関図を確認したら、篠塚拓実。
厚生労働省の社会・援護局に勤める官僚で、麻帆の後輩でありパートナーだった。
真澄は「変わり者の天才法医学者・メディカルイグザミナー」ということだけれど、ドラマを見ている限り特別変わり者といった感じはしなかった。
いろいろな作品の中で天才と冠がつく人は、なぜか変わり者で描かれていることが多い。
第1話を見る限り、真澄は空気も読めるし、人の心の痛みもわかるようだし、天才としては割と普通な印象。
事件?事故?
メディカルイグザミナーの最初のケースは、池のそばで相川圭太郎(17歳)の遺体が母親により発見されるというもの。
真澄の解剖で判明した死因は「溺死」。
しかし、池の水深はわずか40センチ。
そして少年の体には意識を失った形跡も、抵抗の痕跡もなかった。
なぜ彼は命を落としたのか?
事故か、事件か、それとも……という話だけれど、真実にたどり着くまで、
現場に行く
→解剖
→亡くなった人の自宅へ行く
→推理
→検証
→取り調べに立ち会う
→母親に真実を伝える
といった感じで話が進む。
母親は真実をすべて知りたい
亡くなった圭太郎の母親は、真澄と麻帆を訪ねてきて息子の話をする。
息子の夢はミュージシャンになること。
しかし耳が悪くなり音楽を諦めると言い出し、中学で一緒だった坂上遼也に誘われて悪いグループ、半グレに入った。
それでも大切な子なので、
「一体何があったのか真実をすべて知りたい」
と訴える。
殺されたのだとしたら絶対に許さない、これからは犯人を憎むためだけに生きてやる、と母親はちょっと危なげな感じ。
この母親役を演じているのが、森口瑤子さん。
『相棒』の小手鞠の印象が強いので、化粧っ気のないやつれた感じで悲壮感漂う姿に、最初誰だかわからなかった。
でも、母親としてやり場のない心境や抑えがたい感情を最後まで見事に演じられていて、とても良かった。
法医学的な視点で死因を伝える
真澄はいろいろ調べて、自分の中でほぼ推理ができた状態で、キーパーソンである坂上遼也の警察の取り調べに同席する。
そこで遼也と直接話をして、最終的に死因を導き出す。
そして遺体が発見された池のそばで、堂島刑事、麻帆が立ち会う中、真澄が母親に順を追って説明。
死因は「偶然が重なった不幸な事故です」と伝える。
しかし母親は納得できない。
重なった偶然の中の1つ、左耳が難聴だった息子がバイクのクラクションに驚き、足を滑らせたから池に落ちたんでしょ?
鳴らしたのは遼也でしょ?
逮捕してよ、と刑事に詰め寄る。
しかし警察からは、客観的事実に基づき、今回の件は事故として扱うと説明される。
「そんなのおかしいでしょ。圭太郎は死んでいるのに、なんであの子だけ普通に生きていけるの?」
という母親に、真澄は、
「お気持ちはわかりますが、これが法医学的視点で導き出した事実です」
と言う。
麻帆が話し出す
以前「何があったのか真実をすべて知りたい」と訪ねてきた母親。
しかし、息子の死因を法医学的な視点で導き出された事実として説明されても、警察の判断にも納得できず、目の前にいる。
それを見て、麻帆が事故当日に何があったのか、坂上遼也の警察の取り調べでわかった内容を話していく。
圭太郎はミュージシャンの夢を諦めずに努力していたこと。
悪いグループから抜けると言って、上の人に暴行を受けたこと。
坂上遼也は抜けられるように頼み込み、いい知らせを伝えたくて、ただ嬉しくてクラクションを鳴らしたこと。
池に倒れた圭太郎の異変に気づき心臓マッサージをすると、骨が折れる音がした。
自分の心臓マッサージのせいで死んだかもしれないと思い、怖くなって逃げた。
そして「ごめんなさい」と話していたこと。
さらに、すぐに救急車を呼んでいたとしても、心臓マッサージは死亡直後に行われていたため、すでに亡くなっていて助からなかったことを真澄が母親に伝える。
そこに花と、圭太郎が好きだったポップコーンを持って遼也が来る。
母親に近づき何か言おうとして言えないでいると、母親は遼也を平手打ちする。
そして遼也の手を握り、
「あんな死に方さ、宝くじに当たるより難しいよね」
と言う。
遼也は「ごめんなさい」と泣き、母親は遼也の頬に手を当てて泣く。
「Loved One」とは
無事に死因の特定が終わり、麻帆は、
「私の今日の判断は一歩間違えば、ご遺族の感情を逆なでするものだったと思います」
と真澄に言う。
すると真澄は、アメリカではご遺体のことを「Loved One」と呼ぶと話す。
誰かにとって大切な人だった、という意味なのかと麻帆は考えるが、真澄は、この言葉には決まった訳はなく、現場だけの言葉であり、自分だけの言葉でもあると説明する。
その意味は自分でしか決められない。
今日の麻帆の判断も、麻帆なりに「Loved One」と向き合った結果だったのではないか、と。
つまり単純に、
Loved One=ご遺体
ということではなく、亡くなった人を「誰かに愛されていた人」として見る言葉なのかな、と思った。
第1話を見てみて
ディーン・フジオカさんは、アメリカから招聘された天才法医学者・水沢真澄がお似合い。
「矛盾します」、数独で頭を整理、取り調べで自分の推理を確信に変える?みたいな感じは楽しいけれど、変わり者というほど変わり者ではなかった。
そもそも天才だからといって変わり者である必要はないのだから、このままでいってもらいたいところ。
今後も警察に言うお決まりの言葉として、
「死因究明に必要な情報収集に関しては、メディカルイグザミナーに捜査権が認められています」
は、何度となく出てきそう。
少しずつ謎が解けていき、最後に真実を説明するという流れはだいたいどのドラマでもそうだけれど、このドラマでは、まず真澄が法医学的な視点での事実を説明して、次に責任者の麻帆が、真実を知りたい母親に事故の背景などわかったことを説明するという二段階。
麻帆の説明で「あの時救急車を呼んでいれば助かったのか?」という母親の疑問には、真澄がその場で「助からなかった」と答えたりしていたのは好印象。
ただ、麻帆の説明はちょっと『遺留捜査』の糸村くんを彷彿とさせるかな……。
よくあるドラマの初回なら、多分「事故に見えるが実は他殺で、法医学の力で犯人を見つける」というのが王道な気がする。
しかし今回は事件ではなく、「偶然が不幸にも重なった事故」という話だったのは意外だったし、良かったと思う。
通常、最後に次週の予告が入るけれど、このドラマでは第2話の予告はなく、
「今からFODで第2話を最速配信!今すぐ続きをお楽しみいただけます」
となっていた。
FODには加入していないので、来週の放送をのんびり待つことにする。

