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WOWOWドラマ「かばん屋の相続」第3・4話の少しネタバレ含む感想&全4話で面白かったのは…

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池井戸作品はあまり見ないけれど、「かばん屋の相続」は全4話で1話完結というので全話見てみた、姉です。

今回は第3話・第4話の少しネタバレを含む感想と全4話の中で個人的に面白かった順番など書いていきます。

どんな感じのドラマなのかWOWOWさんのHPから引用させていただきます。

「空飛ぶタイヤ」「下町ロケット」「アキラとあきら」など連続ドラマWの歴史を何度も彩り、多くの感動を呼んできた池井戸潤。彼が2005年から2008年にかけて発表した六つの短編から4編をドラマ化。1話完結のオムニバスドラマで、それぞれの主演を、町田啓太、菅生新樹、伊藤淳史、藤原丈一郎の4人が務める。

第1話は、会社が倒産したのになぜか羽振りがよさそうな電機メーカーの元社長の真相を調べようとする銀行マン(町田)を描く「十年目のクリスマス」、
第2話は、資金繰りに苦戦する女性社長を支えようと奔走する新人行員(菅生)を描く「芥のごとく」、
第3話は、銀行から融資を見送られながら独力で多額の融資を取り付けた印刷会社社長の資金繰りを調べる融資課長(伊藤)を描く「セールストーク」、
第4話は、会社の相続を巡る兄弟の対立の渦中で奮闘する信金マン(藤原)を描く「かばん屋の相続」。

4編とも主人公は働く男たちであり、この社会で懸命に生きる人々すべてが抱える“苦悩と葛藤”“ささやかな希望”がリアルに描かれる。主人公たちの姿に自分を重ね、共感し、温かな希望を感じるに違いない珠玉の人間ドラマにご期待を!

WOWOW HPより

第3話「セールストーク」

あらすじはWOWOWさんのHPから引用させていただきます。

京浜銀行の融資課長・北村(伊藤淳史)は、支店長の田山(皆川猿時)に命じられ、業績悪化が著しい印刷会社・小島印刷に対して融資の見送りを宣告する。しかし、融資を断られたはずの小島印刷の社長・小島(石黒賢)が、月末になって5千万円もの資金を調達したことが判明する。疑念を抱き、部下の江藤(泉澤祐希)とともに調査に乗り出した北村は、小島印刷の資金調達に隠された意外な真相を知るのだが……。

【キャスト】
伊藤淳史:北村由紀彦(京浜銀行羽田支店の融資課長。融資を見送った小島印刷の資金調達の方法に疑念を抱き、真相を調べる。)

泉澤祐希:江藤尚人(北村の部下。小島印刷の担当者として北村とともに小島印刷の資金調達の真相を調べる。)

皆川猿時:田山勝治(京浜銀行羽田支店の支店長。小島社長と懇意にしていたが、業績悪化が著しい小島印刷に融資の見送りを宣告する。)

正名僕蔵:井手光夫(ハネダ塗装店の社長。京浜銀行から融資を受けている。)

石黒賢:小島守男(小島印刷の社長。京浜銀行から融資の見送りを告げられたが独力で5千万円もの資金を調達。)

WOWOW HPより

【第3話「セールストーク」予告】伊藤淳史 主演! 連続ドラマW 池井戸潤スペシャル「かばん屋の相続」【WOWOW】

ちょっとネタバレ

おおまかな流れとしては…融資を断られた印刷会社の社長・小島が5000万円の資金を調達したのを不思議に思った融資課長・北村とその部下・江藤は小島に5000万円についてたずねると「昔困りごとを解決して助けた人から貸してもらった」という。しかし、同じ支店の2つの会社に翌月、翌々月と同額の5000万円が出入金されていたりする奇妙な状態であることがわかってくる。

北村は支店長が運転資金として5000万円をここ最近2社に融資していることを思い出し、その2社の社長と話をするも二人とも話をはぐらかし本当のことはわからない。

小島は過去に支店長・田山の不倫問題の解決のため不倫相手に手切れ金300万円を支払い、田山を助けていた。そこで融資がおりず困った小島は、支店長の田山に相談。借りのある田山は銀行の金5000万円を小島に用意した。

田山は他の会社(塗装店)の運転資金の融資という名目で5000万を用意し、そのまま小島の会社に回すよう塗装店の社長に指示していた。塗装店の社長は難色を示すも自分の会社も融資を受けている立場上、田山の話を受けざるをえなかった。

すると、印刷会社の社長・小島は北村と江藤を呼び出し、提出している書類(附属明細書)に内容に一部虚偽があったので正しいものと差し替えてほしいという。

小島は5000万の出どころをずっと黙っていようかと思っていたが、他の会社が巻き込まれるのは話が別、と書類の中のコンサルティング料300万の支払先名を「田山勝治」と修正した書類を渡したことで北村たちはことの全貌を知る。そして「与信検査」で支店長の悪事が暴かれる、という感じの話。

【感想】

ギリギリで中小企業を経営する社長にとって、融資を受けている銀行の支店長は絶大な力を持っていて、逆らうことは難しいことなのだということがわかりやすく描かれていたと思う。

支店長という立場を利用し、融資をしている会社(立場が弱く言いなりになる会社)に無理を通させていた田山が「与信検査」で言い逃れが出来ず、どんどん窮地に追い込まれていく様は痛快で、最終的に懲戒免職となるのも気分がすっきりして良かった。

支店長の不正を同じ支店の部下が暴くという話で、話の中に出てくる中小企業の社長たちは巻き添えを食らい会社を潰すこともなかったのでほっとした。

いつの時代設定の話か正確にはわからないけれど、皆ガラケーを使っていて、銀行の看板や備品のファイルなど、ところどころに「水色」が使われていたのが印象的な面白い話だった。

第4話 「かばん屋の相続」

あらすじはWOWOWさんのHPから引用させていただきます。

老舗のかばん屋・松田かばんの社長、松田義文(山田明郷)が逝去した。長年、松田かばんに融資してきた湊信用金庫に勤める小倉(藤原丈一郎)は、義文の死後、松田かばんが相続の問題で揺れていることを知る。義文は会社の株式をすべて、本来家業を継ぐと思われていた次男の均(中尾明慶)ではなく、元銀行員の長男・亮(青柳翔)に相続させるという遺言を残していた。不可解な遺言状の裏に隠された意外な真実とは?

【キャスト】
藤原丈一郎:小倉太郎(湊信用金庫上町支店の職員。松田かばんの融資担当者であり、義文の死後、松田かばんの相続問題に対峙する。)

中尾明慶:松田均(松田家の次男。専務として松田かばんを支えてきた。)

青柳翔:松田亮(松田家の長男。家業を嫌い大手銀行に勤めていた。)

石丸幹二:謎の男(松田かばんの常連客であり、サンタクロースに扮してチラシ配りをしている。)

WOWOW HPより

【第4話「かばん屋の相続」予告】藤原丈一郎 主演! 連続ドラマW 池井戸潤スペシャル「かばん屋の相続」【WOWOW】

ちょっとネタバレ

この話は老舗のかばん屋、松田かばんの社長・松田義文が亡くなった後に、会社の株式をすべて、本来家業を継ぐと思われていた次男の均ではなく、元銀行員の長男・亮に相続させるという遺言状を残していたことで起きる様々なの問題。生前父親が次男に話していた話や遺言状の真相など見どころがたくさん。

プライドの高い長男・亮は銀行員だった時代、父親の会社や一緒に働いている次男・均をバカにして見下していた。しかし、銀行でヘマをやらかし出世コースから外れたことに耐えきれず銀行を辞め、父親の死後、会社の株は全て長男に、という遺言状をたてに社長となる。

弟は新たに会社を起こし、共に働いてきた職人たちもそちらに移りたいとついてきてくれた。

そうこうしているうちに、先代社長が連帯保証(5億円までの借金を全て保証)している会社が不渡りを出し、社長(兄)は連帯保証については知らなかった、と信用金庫に話をしに行く。

そこに弟が登場、「入院している父親に自分が会社を継ぐと言った時、”駄目だ、この会社はおそらく潰れる、俺が死んでもお前は会社を継ぐな。相続を放棄して会社は潰せ。職人たちともう1つ会社を作るんだ。”といい、そのとき連帯保証の件を話してくれた。最後まで俺には会社を継がせなかった理由もそれでわかった。そんな会社をいくら喧嘩しててもおやじが黙って兄貴に継がせると思うか?おやじは絶対そんなことしないはずだ!あんな遺言をおやじが作るわけないんだよ!」と遺言状が父親の意思とは関係なく兄が書かせたものだと弟はわかっていた。

弟は父親が生前贈与してくれた1000万円の小切手を少しでも足しになればと兄に渡そうとするも兄はバカにすんな!と受け取らない…が弟を抱きしめる。結局兄は受け継いだ会社を潰してしまう。

信用金庫の融資担当・小倉は先代は遺言状にサインをしたのは薬で朦朧としていたからではなく、あえて言いなりになったんじゃないか?こういう結果になると最初からわかっていて、だまされたフリをした。亮さん(兄)に人の道を、まっとうなビジネスマンとはどうあるべきかを教えようとしたんじゃないか?痛い目にあえば気がつくだろうって。あの先代のこと考えるとやりそう、ひょうひょうとして…と思いを巡らす。

その後、松田かばんの本社社屋が競売にかけられ、絶対に落札したい均(弟)は小倉に7000万円の融資を頼み無事落札することが出来た。小倉は均に「僕もだけれど、僕の父親も松田かばんが好きで、何十年も使い続けてます。」と話す。

チラシを配っていたサンタはカバンを修理してもらおうと松田かばんへ。「20年以上も使っていて亡くなった妻からのプレゼントなんです。だから思い入れがあって…」と話し、均は預かり表に書く名前をたずねると「小倉です」、ここで均はピンとくる、「もしかして太郎ちゃん(信用金庫の融資担当・小倉)のお父さんですか?」と尋ねると「はい、小倉太郎の父親です。息子がいつもお世話になってます。」均は「世話になってるのはうちの方です。この店が再開できたのも息子さんのおかげなんです。本当に感謝してます。」

かばんを預け店を出ると、そこには息子の太郎がいる。「焼肉おいしいとこあるんだ。今日は僕がおごるよ。クリスマスプレゼント」という太郎に父は「プレゼントならもうもらったよ。社長さんお前に感謝してたぞ、あんなに親身になってやってくれる融資担当者は初めてだって、べた褒めだったよ、それが俺にとってはプレゼントだ。」…という感じ。

【感想】

この話で一番印象に残ったのは、やはり兄が父親の遺言で社長となった会社が他の会社の連帯保証をしていて、その会社が不渡りを出し、ピンチになった時の弟とのやりとり。

遺言状を書いた時の父親は、本来、継がせるつもりのない会社の株をすべて兄に…と薬で朦朧としていてわけもわからず書いたのか、はたまた、こういう事(意志とは関係なく遺言か書かせる)をするなら、痛い目にあってもしならないぞ…という気持ちで書いたのか?どちらにしてもプライドが高く、人を見下し欲深い兄が痛い目を見るのは、まさにざまあみろといった感じ。

そんなわけでとんでもない兄だけど唯一、少しでも足しにと弟が父親から生前贈与された1000万の小切手を渡そうとした時に、受け取らなかったのは良かった。

ストーリーが面白いのはもちろんだが、弟・均の中尾明慶さん、兄・亮の青柳翔さんはピッタリの配役で、純粋に物語を楽しむことが出来た。

こちらの話もいつの時代設定の話か正確にはわからないけれど、皆ガラケーを使っていて、銀行の看板や備品のファイルなど、ところどころに「オレンジ」が使われていたのが印象的な話だった。

全4話で面白かったのは…

先日第1話・2話について書いています。

2日間で一話完結のドラマが4話配信されたので、自然と4つを比べてしまう。ちょっと酷だけれど、個人的に面白かった順番をつけると…

4位:第2話「芥のごとく」
3位:第3話「セールストーク」
2位:第1話「十年目のクリスマス」
1位:第4話「かばん屋の相続」

4位の「芥のごとく」は、毎月の支払いの資金調達に奔走する中小企業の社長と融資担当の話で最終的に社長は逃げてしまい…という話。

3位の「セールストーク」は、銀行の支店長が借りのある中小企業の社長に金を融通するために起こした不正を部下たちが暴き、支店長が懲戒免職になる話。

2位の「十年目のクリスマス」は、中小企業の社長が会社を潰す際に以前から用意していた計画で銀行の支店長と融資担当に復讐。その後の社長は成功しているという話。

1位の「かばん屋の相続」は、兄は父親の会社に問題があるのも知らず、父親に遺言書を書かせ会社を乗っ取るも、その問題により会社は倒産。弟は父親の言葉通り、新しく会社を作り倒産したかばん屋の看板を守るという話。

どの話もそれなりに面白く、さすが池井戸作品といったところ。4話とも50〜54分で話が完結していてサクッと見れるのもとても良い。

なにかハッピーエンドでスッキリする面白いドラマを1時間位で見たいな…なんて時には「かばん屋の相続」「十年目のクリスマス」「セールストーク」はピッタリだと思う。

【第1話無料配信!】 連続ドラマW 池井戸潤スペシャル「かばん屋の相続」【WOWOW】(2025年12月30日現在)

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