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WOWOWドラマ「シャドウワーク」第5話(最終話):ちょっとネタバレ含む感想

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WOWOW 連続ドラマW「シャドウワーク」第5話(最終話)を見てみた、姉です。

WOWOW 連続ドラマW「シャドウワーク」 (全5話)は、佐野広実さんの同名小説を映像化。絶望の果てで生きるため、彼女たちが選択した“究極のシスターフッド”を描く衝撃のミステリー。

どんな感じのドラマなのかWOWOWさんのHPから引用させて頂きます。

多部未華子主演。命懸けでDV夫から逃れてきたその家には、ある「ルール」があった――。声をあげられない被害者たちの究極の選択を描く、ヒューマン・ミステリー

紀子(多部未華子)は、夫からの数年にもわたる日常的な暴力により自己喪失し、暴力を受ける自分が悪いのだと考えるまでになっている主婦。そんな紀子は、ある日、命からがら逃げ出した先の病院である人物と出会い、江ノ島にある一軒の家へと導かれることに。そこで自分と同じ境遇にあるさまざまな女性たちと共同生活を送るうち、本来の自分と豊かな生活を取り戻していく。だが、その家に敷かれた秘密のルールに直面し、どのように自ら決断すべきか葛藤する――。

WOWOW HPより

本編予告映像はこちら。

キャスト(敬称略)

  • 多部未華子:紀子(夫・清明から長年暴力を受ける)
  • 桜井ユキ:北川薫(館山南署刑事課・警部補)
  • 寺島しのぶ:昭江(DV 被害者のシェルターシェアハウス共同運営者・パン屋経営)
  • 石田ひかり:路子(シェアハウスの共同運営者・看護師)
  • 川西拓実(JO1):荒木悠真(館山南署刑事課所属の若手刑事)
  • 竹財輝之助:北川晋一(薫の夫、警察庁刑事局捜査第二課所属)
  • トリンドル玲奈:奈美(シェアハウスの住人)
  • 上原実矩:洋子(シェアハウスの住人)
  • 須藤理彩:雅代(シェアハウスの住人)
  • 街田しおん:西山千栄子(弁護士)
  • 森岡龍:清明(紀子のDV夫)
  • 宮崎吐夢:斉藤義久(館山南署刑事課署長、薫の上司)

第5話(最終話)のあらすじは…

昭江たちのいるシェアハウスに招かれた薫。その意図が読み取れぬまま、シェアハウスを再び訪れる。シェアハウスの住人たちの夫の死に彼女たちが関与しているのではないかと疑いを持ちながらも、自分とは異なり、生気を取り戻して生活する彼女たちへの羨望との狭間で揺れ動いていた。そんな薫を紀子たちは笑顔で迎え入れるが――。生きるために取った彼女たちの究極の選択、そしてたどり着く結末とは――。

WOWOW HPより

ということで、早速どんな感じなのか見てみた。

内容に関してはあまり詳しく書きませんが、少しネタバレも含む感想を書きます。(原作の小説は未読です)

ここから一部ネタバレを含みます。

おおまかな流れとしては…

館山南署刑事課の北川刑事(以下「薫」)の夫・北川晋一(警察庁刑事局捜査第二課)は、自殺と処理された件について薫が調べていることを自分も調べて昭江と路子が運営するシェアハウスへたどり着く。

そして昭江と紀子の前で、妻の薫に会わせてほしいと頼むも昭江は断る。すると夫は「ここからは警察庁の人間としてお話をさせてもらいます」と、メモを自分が出し調べてわかったことを話し出す。「ここの住人が出ていく前に必ずその人の夫が死亡している。あなた達は殺人犯だ。だが私が黙っていれば発覚しない。私はあなた方の力をお借りしたいんです。」という…

北川刑事(以下「薫」)は昭江と路子が運営するシェアハウスへ泊まりで遊びにこないかと誘われ、シェアハウスを訪れる。そして出されたお茶に(多分)睡眠薬を混入され薫は眠ってしまう。

しばらくして薫が目覚めると目の前には夫がいる。夫は「話をつけたいと思って呼び出してもらった」といい薫に殴る蹴るの暴行、そして「離婚してやるから、告訴を取り下げて謝罪しろ、そうすればお前の人生に関わらない、約束する。」といい、薫は土下座して言われるままに謝罪するも、「冗談だ、俺の経歴が傷つくだろ」といってネクタイで薫の首をしめる。

そこにシェアハウスのメンバーが登場して、昭江が夫を挑発し首を絞める手をはなし向かってくる夫を皆で押さえつけ路子が胸に服の上から注射器で刺し、昭江は「最初からあなたと手を組むつもりなんてない」といい夫は「裏切ったな…」と倒れ込む。

路子に応急手当をされた薫に昭江は「監視されていたみたい。突然やってきて”妻を呼び出してくれ、もし話がつかなかったら始末してくれ”というので、”後始末は引き受けるけど殺すのは自分でやったら?その方が薫さんもうかばれるんじゃない?”っていったらにんまり笑ってた。」と、路子は皆で解決策を考えた結果今のこの状況…と話す。薫は夫をおびき出すためのおとりだった。

薫の夫が薫に暴行、ネクタイで首を絞める様子など一部始終は部屋に仕込んだカメラで皆で見ていてすべて録画していた。薫は「夫はきっとDV加害者という事実そのものを抹消したかったんです。」と話しだし、美佳子のことなど質問し始め、美佳子を殺した松原を病死を装い殺害した経緯など皆で答えていく。

交換殺人の始まりはシェルターで出会った昭江と路子の間での交換殺人。路子の夫の遺産を使ってシェアハウスとパン屋をはじめた。みな夫が死亡となっているが、昭江の夫だけが行方不明なのは、当時路子と昭江一緒に住んでいたアパートに路子が後をつけられ、昭江の夫が包丁を持って襲撃してきて2人で殺してしまい、シェアハウスの庭の花壇に埋めたから。路子が住人を探し、昭江が住人の面倒を見ると決めた。

昭江は「人生をやり直すためにたった一度、他人を押しのけることを自分に許す。それがルール。法律は”殺すな”というけれど、踏みにじられてきた者たちにとっては”殺されるな”。法律上で離婚したらすむ話じゃないってことは、あなた(薫)が一番わかっているんじゃない?。自分たちは決していいことをやってるとは思ってない。どんな罰を受ける覚悟もある。でもその罰を受けてもやらなくちゃならない。いつか罪に問われるだろうとは思っていた。でもこれしかなかった。

路子はこのシェアハウスを出ていった人達が似たような家を全国各地に作っていること、その家単位で交換殺人が行われていること。そんなのうまくいくわけないと思っていたが、始末されるDV夫は周囲に知られたくない、逃げた妻をなんとしても取り戻したいと躍起になっているから、心理的に誘導しやすい。あなた(薫)の夫もそうでしょ?と。

そして昭江は薫に選択させる。
昭江:あなたは暴力の支配から解放されて人生をやり直すこともできる。でもこのままでいることもできる。
路子:麻酔薬じゃなくて筋弛緩剤を打つこともできたの。でもそれをしなかったのはあなたの判断に任せるため。
昭江:あの男はいずれ目を覚ます。このままでいると決めても、その後のことをあなたは決めなくちゃならない。もちろん今すぐ私達とあなたの夫を逮捕することだってできる。あなたが決めて。
薫:い…生きたい、私も生きたい… と泣きながら言う。

そして薫の見ている前でシェアハウスの全員が協力し、薫の夫に(多分)筋弛緩剤を注射して殺害、シェアハウスの庭に埋める。

パン屋では”葵”という新しい住人が働き始める。紀子がレジで接客をしていると館山南署で薫とペアを組んでいた荒木が店を訪れ、「北川薫がどこにいるかご存じないですか?会わなきゃいけないんです、どうしても。北川晋一ですが、失踪で処理され、行方不明として捜査中です。僕は…あの人に会います。」と紀子に聞くも紀子はそれに答えない。パンとサービスのコーヒを片手に店を出る荒木に「また来てくださいね」と声をかけ、荒木は頭を下げて店を後にする。

2両編成の電車に1人で私服でリュックを隣に置き乗っている薫。

紀子はパン屋の看板を片付けに外に出て、周りを見渡し、最後にカメラ目線。何も言わずに店の中に看板をしまう…といった感じ。

第5話(最終話)を見てみて

薫はシェアハウスの実態を知った後に、自分の意思で夫の殺害を望み、生きることを選択し、夫の遺体はみんなで多分シェアハウスの庭に埋めるのだけれど、ここまでは結構細かく話が進むのに、その後については、突然話がボヤッとする。

わかるのは、「薫は電車に乗って何処かにいく」こと。そして荒木がパン屋に来て紀子に「北川晋一(薫の夫)は失踪と処理され行方不明で捜査中。僕はあの人(薫)に会います。」ということ。

荒木はパン屋での紀子との会話で接客して調理もしていることを「持ち回り…ですか」と言ったり、紀子の足の傷(DVの傷)をみてハッとしたりする。紀子は生きるために万引きする小学生(低学年)の男の子(パンを取る手が震えていて、やせ細っていて、同じ服ばかり着ていて、体にアザもある)に将来お金ができたら全部返してね、ちゃんと見張ってるから、とツケにしているという話をして、「どうぞ見張っててください、私はずっとここにいますから」と言ったり、サービスのコーヒーを渡しながら「お好きだと聞いています」と言ったり…なにしろ思わせぶりではっきりしない。

それでも最初は「持ち回り」に戸惑いを感じていた紀子が、最終話になってお茶の中に睡眠薬を入れることもさらっとできるようになり、薫の夫を殺害すると決まった時には、いの一番に動き出したり、荒木と含みのある会話をしたりする姿は人間は慣れたり覚悟が決まるとそういうものなのかな、と興味深い。

シェアハウスには「葵」という新たな住人が来たので、いろいろあったが全ては今まで通りということなのかもしれないけれど…

結末がいろいろ含みを持たせたりする終わり方だったのは、もうちょっと違う終わり方を勝手に想像していたので、筆者的には少し残念。

気になったのは、薫の夫・晋一は警察庁のエリートで父親は元刑事局長と、警察関係者で行方不明で捜査中とか、ちょっと調べたら薫も薫の夫も荒木もたどり着いちゃうようなシェアハウスの庭に晋一の遺体を埋めておいて大丈夫?ということ。昭江の夫も埋まっているわけだし。

薫がシェアハウスへ泊まりに行ったのは、薫が1ヶ月の停職中の間でのことだと思うけれど、荒木は夫・晋一は行方不明で捜査中、紀子に薫がどこにいるかご存じないですか?と聞きはするも薫は行方不明で捜査されているわけではなさそう。だとすると、薫はちゃんと辞表を出して警察をやめたのか?それとも??1人で電車に乗ってどこかに行く感じだったけれど、単なる旅で停職明けに刑事に戻るの?いや…荒木が探しているのだから、それはないかな…

薫が警察をやめたのだとしたら、夫が行方不明になるタイミングとばっちり重なって怪しすぎると思うのだけれど。

個人的には薫はシェアハウスの実態を知ったうえで、薫に完璧なアリバイがある状態で薫の夫は「持ち回り」で殺害されるも「自殺」と処理され、闇落ちした薫は警察に残り、看護師の路子がシェアハウスの住人を探し看護師の知識で死を装うように、刑事であるがゆえにできる「持ち回り」の役割を今後果たしていく…みたいな感じが面白いかなと思っていた。

最終話まで見てみて、「シャドウワーク」で一番良かったと思うのはキャストの方々。多部未華子さん(紀子)、桜井ユキさん(薫)も良かったけれど、何と言っても寺島しのぶさん(昭江)、石田ひかりさん(路子)が良かった。淡々とした物言いで恐ろしいくらい冷静、覚悟を決めた女性の強さや怖さが光っていた。

物語としては、薫がシェアハウスの秘密を知ったあと、DV夫のことも含め、最終的にどのようになる(する)のかが最初の頃からこの話の面白いところだと思っていたので、夫が死んだ後に薫が今後どのような人生を歩むのかわからないという終わり方はちょっとモヤモヤした。

そんなわけで、原作小説は未読なので小説の結末はどうなっているんだろう?機会があれば読んでみたい、そして…ドラマの中でみんなで食べていた盛栄堂の「さざえ最中」もちょっと食べてみたいなと思った。

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