なんだかんだでテレビ朝日の「相棒」は毎週見ちゃう、姉です。
「相棒24」の第4話「みんな彼女を好きになる」。
あらすじはテレビ朝日HPから引用させて頂きます。
右京が新たな恋で危険な三角関係に
お相手は誰もが虜になる魅惑の女性ある夜、右京（水谷豊）は、紅茶店で知り合い意気投合した熊井エリザベス（かたせ梨乃）という女性とディナーを楽しんでいた。が、彼女をタクシーで送り出した直後、初老の男が「彼女を悲しませるのはやめろ！」と殴り掛かってきた。その場は、たまたま居合わせた薫（寺脇康文）たちの働きもあって収まったものの、男の怒りはただ事ではない。やむなく連行して事情を聴いたところ、男は大手通信会社で会長を務める米村（吉満寛人）という人物だと判明。米村いわく、右京が「エリザベスをもてあそんだ」とのことだが、右京には思い当たる節がなかった。金と権力を持つ米村が、一方的に恨みを募らせている状況を鑑み、このままでは大きな事件を起こしかねないと判断した右京は、薫と共に米村やエリザベスについて調べることに。すると、2人について、意外な関係性や人物像、さらには浅からぬ因縁が浮かび上がってくる。
“右京襲撃事件”が思わぬ方向へ!?
渦中の女性には意外過ぎる秘密が…
右京の恋が驚くべき結末へと向かう！ゲスト：かたせ梨乃
テレビ朝日「相棒」より
内容に関して詳しくは書きませんが、少しネタバレ含む感想を書きます。
以下、少しネタバレが含まれます。
今回の中心人物は右京さんが最近会っている女性・熊井エリザベス（かたせ梨乃さん）。彼女を横恋慕する男性・米村（吉満寛人さん）から右京さんは襲われ、事情を探っていくと熊井は天才詐欺師だと判明。
熊井の仕掛けた詐欺にあっていても自覚すらない人達、彼女に恋するあまり暴走する米村、もちろん熊井は逮捕される。しかし天才詐欺師は全てのお膳立てをした後に逮捕されるということこそが計画だった。天才詐欺師・熊井と右京さんの会話がなんとも秀逸…という感じ。
かたせ梨乃さんがピッタリ
誰もが虜になる魅惑の女性・熊井エリザベスを演じるかたせ梨乃さん。これがまさにピッタリで、かたせ梨乃さんと右京さんだから成立する話だと思う。
熊井は自分のことを「私（わたくし）」というのだけれど、嫌味な感じもなく凛としている反面、可愛らしさもあって男性だけでなく女性も虜にしてしまう。
テーラーで仕事をしながら騙す相手を探し、まずはお茶会＆降霊術、そして慈善事業への出資…とやっていることはいかにも怪しいが、詐欺にあっている人たちは騙されているどころか良いことをしていると思っていたりして、被害届は出ていないし、熊井に前科もない。
「怪しい」出資話も熊井の「妖しい」魅力の魔法で良きものとなってしまう天才詐欺師っぷり、しかし今まで誰も好きになったことはない彼女の心は利用するために近づいたはずの右京さんに揺れていく…1人のときに降霊術？で霊的存在？と話をする一人芝居も含め、かたせ梨乃さんの熊井エリザベスはまさにあっぱれだった。
お茶会で「エリナさん」と呼ぶ右京さん
終盤でお茶会に招待された右京さんは熊井エリザベスのことを、最初に出会ったときに教えてもらった熊井の名前「エリナさん」と呼ぶ。そのお茶会には熊井のことを好きでたまらない米村と米村の妹も参加しているのだけれど、右京さんが「エリナさん」と呼んでも誰も顔色1つ変えないのがちょっと不思議。
熊井は右京さんに出会ってしばらく「エリナ」と名乗っていたが、始めてのディナーで「謝らなきゃならないことがあります。エリナではなく、熊井エリザベスが本当の名前。私誓います、もうあなたに絶対嘘ははつかない」と言っていた。
なぜ右京さんは「熊井さん」でも「エリザベス」でもなく、本当の名前を教えてもらう前の「エリナさん」と彼女を呼んだのか？もしかして…
右京さんは「あっ エリナさん、今日は降霊術のほうは…？」とサラッと言うので、このお茶会で彼女の化けの皮を剥がし全てを明らかにするという意思を込めて、「もうあなたに嘘はつかない」という宣言する前の（右京さんに嘘をついていた時の）名前「エリナ」で呼んだのかもしれない？う〜ん、よくわからないが奥が深い。
熊井の唯一の誤算
熊井の計画は警察に捕まること、そして病気で長くはない大手通信会社で会長を務める米村を夢中にさせ結婚し、罪を償ったうえで莫大な遺産を手にすること。唯一、計画通りにいかなかったのは、今まで誰も好きになったことがない熊井が右京さんに惹かれて好きになってしまうこと。
逮捕された後、取調室で熊井に会い、自分の推理の答え合わせをする右京さん。話が終わり立ち去ろうとする右京さんに熊井はそれまでの上品な話しぶりから一変「ふざけんなよ！そんなこと言うくらいなら、抱きしめて連れ去ってよ…」と泣き崩れる。右京さんは振り返ることもなく無言でその場を去る。
このかたせ梨乃さんは「極道の妻たち」を彷彿させるカッコよさ。本当に配役が良かった。
第4話を見てみて
第4話を簡単に言えば、天才詐欺師・熊井とそれを見破る右京さんの話で、最後は熊井の思惑通りになる。唯一、右京さんのことを本当に好きになってしまったことが熊井の誤算だったという話。
熊井のことが好きでたまらない独り者のお金持ち米村は、熊井が捕まった後に弁護士を通じて求婚し熊井と結婚。強力弁護団で熊井の減刑に尽力するだろうし、熊井は罪を償ったあとに余命長くない米村の遺産を手にする、となっているけれど…
見ている途中でこういう終わり方か、もしくは…と、筆者は勝手にもう1つの終わり方を想像していた。
それは最後に右京さんが熊井と取調室で話す時に、熊井の計画の全容をすべて確かめた後、右京さんが「ひとつ、お知らせがあります。あなたが米村さんとの婚姻届に判を押し、弁護士に渡した婚姻届。その婚姻届を役所に提出しに行く前日、残念なことに米村さんは亡くなりました。念願のあなたとの結婚が叶いあまりの嬉しさに興奮したのかもしれません、本来の病気とは関係なく心臓発作です。つまりあなたと米村さんは婚姻関係ではないということです。」って言うのかも…という終わり方も勝手に想像していた。
騙された人たちはそもそも騙されていることすら気づいていないという詐欺の話で、そして死人も出ていないけれど、右京さんと熊井エリザベスのやり取りには、印象的なセリフもたくさんあって、お二人の演技の素晴らしさを堪能できる見応えのある話だった。
先週の「警察官B」も良かったし、今回の「みんな彼女を好きになる」も良かった。次週のゲストは、黒崎レイナさん、堀内正美さん、髙橋洋さん。どんな感じの話になるのか楽しみ。
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