WOWOW 連続ドラマW「夜の道標」第2話を見てみた、姉です。
WOWOW 連続ドラマW「夜の道標」 (全5話)は、第76回日本推理作家協会賞受賞、芦沢央の原作を連続ドラマ化。1996年に起きた殺人事件。その裏に隠された真実が胸に迫る、慟哭の本格社会派ミステリー。
第1話が10月13日（月）午後5：00まで無料配信中（YouTubeでも期間限定で無料配信中）。
第2話のあらすじは…
戸川殺害の動機を探る平良と大矢は、中学生の時に阿久津（原田琥之佑）が起こした傷害事件を皮切りに、関係者に聞き込みを重ねるが謎は深まるばかり。一方、自宅に阿久津をかくまう豊子は、元夫の杉浦（柏原収史）と再会するが、その心は読めない。その頃、家庭の事情で波留が林間学校に行けないと知った同級生の桜介（小林優仁）は波留を案ずるが……。空腹で住宅街をさまよう波留は、阿久津と思いがけず出会うことになり――。
WOWOW ドラマW「夜の道標」より
ということで、早速どんな感じなのか見てみた。
内容に関してはあまり詳しく書きませんが、少しネタバレも含む感想を書きます。
ここから一部ネタバレを含みます。
第2話では、それぞれの登場人物が抱える問題や過去、誰がどのように出会ったのかなど少しずつわかってきます。
殺人事件を捜査する刑事・平良と大矢
平良（吉岡 秀隆さん）と大矢（高杉 真宙さん）は、殺人事件の容疑者・阿久津が中学の時に起こした傷害事件の話を当時の先生に聞きに行く。さらに事件の3日前に阿久津が参加したBBQにきていた人物に話をきく。
阿久津が殺人事件の容疑者と知った時に、
中学の時の先生は「納得しました、あいつならやりかねないって」というが、
事件の3日前のBBQに参加して話した女性は「信じられませんでした、何かの間違いじゃないのかなって…」という。
阿久津は離婚していて、元奥さんは子供好きな夫が自分のせいで父親になれないのは申し訳ないと自分から離婚を申し出た。その後、元奥さんは再婚して妊娠…それが事件の直前の4年後だった。
小6・波留の悲惨な家庭環境
林間学校に参加しないという波留。先生はそれを気にかけて「先生からお父さんに話そうか？」と聞いても「自分で決めたことなんで」と拒否。そして先生は「明日からの冬休み困ったことがあったらいつでもおいで」と自宅の住所を書いたメモを渡す。波留は家に帰りお腹が減って食べ物を探し冷蔵庫を開けるも、入っているのはアルコールばかり。
以前に父親から「教師なんて所詮は他人事、お前のことを本気で心配してくれるわけじゃない」と言われたことを思い出し、先生からもらったメモを捨てる。
ポケットにある小銭を持ってスーパーに行くも、多分お金が足りず2個入りのメンチカツを万引きしようとするが、それを見つけたスーパーの店員・長尾 豊子（瀧内 公美さん）が機転を利かせ、万引きせず波留は足早に店を出る。
公園で見かけた黒猫についていくと、誰かが家の外に置いた猫にあげる食べ物を少し食べて猫はどこかにいってしまう。そこにある猫の食べなかったシュウマイ4個を見て、食べよう…と手に取ると、食べ物を置いた阿久津に見つかって驚いてシュウマイを落としてしまう。
阿久津はそれをみて、波留に焼きそばを渡す。
波留の父親は息子に交通事故の「当たり屋」を複数回させていて「無理だよ」という息子に「いいのか月謝払わないとバスケやれないぞ」、「女が運転する高級車、相手が避けられないギリギリのタイミングを狙え」といって、あの車だ、いけ！と指示までしていた。
スーパーの店員・長尾と阿久津の関係
波留の万引きを未然に防いだスーパーの店員・長尾は中学の時の阿久津の同級生で、中学の時に阿久津が起こした暴行事件の一部始終を見ていた。阿久津は複数人で暴行を受けている人を見て、（多分）助けに入って暴行事件を起こしてしまっていたのだ。
長尾は両親を事故で亡くし、両親の1周忌の帰り道に阿久津と遭遇し、「警察署に行かなきゃいけない。先生を殺しちゃったから…」と事情を知りながら、自宅の地下室？に阿久津をかくまっている。長尾は阿久津にかなり好意を抱いている感じ。
平良の息子は引きこもり
息子の年齢はわからないけれど、平良が自宅に帰ると奥さんは床に散らばる割れた食器を片付けている。やったのは息子で、父親は鍵のかかった息子の部屋のドアを強引に開けさせ、強い口調で話をしようと問い詰めるが、息子は「お前に何がわかるんだよ！いちいちうるせえんだよ！」と話にならない。
第2話の感想
いろんなことがわかった第2話だけれど、なんといっても小6・波留が気の毒だった。父親に「当たり屋」を多分何度もさせられていて、いつも空腹。家の冷蔵庫にはアルコールばかり、ポケットの小銭では多分足りずスーパーでメンチカツ2個を万引きしようとしたり、猫用に置いてあるシュウマイを食べようとしたりする。阿久津からもらった焼きそばを食べ終えて、「ごちそうさまでした、また来ていいですか？」と聞いたりして本当に気の毒。
学校の友達・桜介（小林 優仁さん）が、家で餃子を作る母親の手伝いをしながら、
桜介：林間学校に行けない人っているの？なんで行けないんだろう？
母 ：それぞれお宅の事情があるからね
桜介：金が払えないとかそういうこと？
母 ：そういうこともあるかもね
桜介：金貸したら行けるのかな？
母 ：う〜ん、そっとしておいてあげたら？できるだけその子の前でその話をしないとか…
桜介：…（無言）
このシーンで波留と桜介の家庭の環境の違いがはっきりとわかった。全体を通して波留と桜介、2人の演技が素晴らしいと思った。
そして殺人事件の容疑者・阿久津がなぜ先生を殺したのか、その動機がなんとなくわかってくる。
子供好きの阿久津を父親にしてあげられないことを悩み、離婚を申し出た元・奥さんが、再婚して妊娠したことを考えると、子供ができなかった原因は多分、阿久津にあるということっぽい…
さらに阿久津が軽度の精神障害があること、第1話で「1996年」に事件が起きたことを全面に出していること、次回第3話の予告で阿久津の母親が「結婚する日がくるとは思わなかった」と言ったりすることを考えると「優生保護法」が殺人の動機になっているように思える。
う〜ん…殺人事件の犯人は阿久津ということなのか？「警察署に行かなきゃいけない。先生を殺しちゃったから…」って言ってるし…誰かをかばっているとかじゃないのか？
犯人が誰かというより、阿久津やその周りにいる人達の人間模様や「優生保護法」の問題がメインの話なのか？
個人的に阿久津がビデオで何度も見ているお気に入りの映画が、白黒の「忠臣蔵」っていうのがなんとも気になった。
”その裏に隠された真実が胸に迫る、慟哭の本格社会派ミステリー”というのだから、今後の話の展開が楽しみ。
YouTubeでも期間限定で「夜の道標」第1話まるごと無料配信中です。2025年9月22日現在。
