PR

『北方謙三 水滸伝』第1話 感想|張藍の炎、晁蓋の火種

ドラマ感想(コラム)
記事内に広告が含まれています。

WOWOWドラマ『北方謙三 水滸伝』第1話ネタバレ含む感想記事です。

第1話は、闇の中で始まり、朝日で終わった。
燃え尽きた張藍の炎、火種を置いた晁蓋、そして光の届かないままの林冲。
映像と声の温度が胸に残った第1話を、感情のままに綴ります。

張藍という炎

張藍は、暗い室内で燃えた。

「思う心に理由などありません」

あの穏やかな声。
あの迷いのなさ。

彼女は守られる存在ではなかった。
自分で選んだ。

愛のために死ぬ、ではなく、愛の形を自分で決めた。

炎は強い。
だが、長くは持たない。

彼女は一瞬で燃え尽きた。

林冲の闇

張藍が消えたあと、光は林冲を照らさない。

閉じ込められ、拷問を受け、
愛に気づいたのはすべてを失ったあと。

第1話で唯一、
暗いまま終わるのが林冲だった。

だからこの物語は、単純な希望では終わらない。

晁蓋という火種

そして最後に現れる男。

活躍はしていない。
誰も救っていない。

それなのに、全部持っていった。

「俺が足りん。俺が一つ小枝になってやろう」

あの声。

怒鳴らない。
誇らない。
ただ、決めている。

張飛の豪胆さと関羽の義を足して二で割ったような、
だがそれよりも静かな確信。

自分を丸太とは言わず、小枝と言う。

理想に体を差し出す人間の強さが、そこにあった。

光の行方

最後の湖。

宋江と晁蓋の背中。
その向こうの小島。

やがて朝日が昇る。

それは確かに、希望に見えた。

けれど、その光は自然に降ってくるものではない。
林冲はまだ闇の中にいる。
張藍はもういない。

炎は消えた。
だが火種は置かれた。

あの朝日を、私は希望だと思いたい。

タイトルとURLをコピーしました