『リブート』第6話。
儀堂という男を、私はまだ飲み込めない。
儀堂は、やっぱり不器用だった。
横領をして、
警察の情報を流し、
組織と手を組んだ。
悪徳警官だ。
それは否定できない。
それでも、あの最期を見て思う。
あの男は、最後まで悪になりきれなかったのではないか。
儀堂は生き延びようとしていた。
リブートを選び、
早瀬を巻き込み、
一香と取引をした。
ずるい。卑怯だ。
だが――
本当に生きたい人間は、
あんな終わり方を選ぶだろうか。
正直に言えば、少し腹が立った。
生きろよ、と。
生き延びる道はあった。
一香に罪を押しつける。
早瀬を切り捨てる。
合六に忠誠を誓う。
全部できたはずだ。
なのにやらなかった。
「刑事の正義を示そうと思ってよ」
あの言葉は言い訳ではない。
最後だけ、刑事に戻ろうとした男の声だった。
悪に染まりきれず、
善に戻りきれず、
それでも最後に選んだのは“自分で背負う”こと。
だから、不器用だった。
だから、死んだ。
では、一香はどうなのか。
コンテナの中で何を言ったのかは分からない。
良心を突いたのか。
取引をしたのか。
それとも真実を見せたのか。
ただ一つだけ確かなのは、
儀堂は自分で選んだということだ。
操られた顔ではなかった。
儀堂は終わらせた。
一香は終わらせない。
彼女は生きる。
悪を背負ってでも、生きる。
組織を乗っ取ると言い、
早瀬を利用し、
それでも彼を死なせなかった。
儀堂が“殉じた男”なら、
一香は“背負う女”だ。
私はまだ彼女を信じない。
だが、目を離すこともできない。
儀堂は不器用だった。
その不器用さは、少しだけ救いだった。
そして今、
物語は一香の手に渡った。
ここからが、本当のリブートだ。

