「災」第6話の最終話も楽しく見ることができた、姉です。
WOWOWオリジナル連続ドラマ「災」(さい)(全6話)。最終話はどんな感じで終わるのか、こんな感じだったらいいのにな、と勝手に想像して期待していました。
第6話のあらすじは、WOWOWさんのHPから引用させてもらいます。
主婦の美佐江(坂井真紀)は友人の涼子(黒沢あすか)に誘われ、市民プールでのエクササイズを始めたものの、程なくして夫・和久(テイ龍進)のある秘密を知ってしまう。一方、堂本と菊池は無関係かと思われていた複数の不審死の背後にある、“男”の存在に迫っていく。人々を襲う“災い”の正体とは、“男”とは何者なのか――。
WOWOW 連続ドラマW「災」より
内容に関しては詳しく書きませんが、第6話は2024年・愛知の話。これまでを振り返ると以下の通り。
第5話→2024年・神奈川
第4話→2023年・宮城
第3話→2023年・石川
第2話→2022年・福岡
第1話→2019年・千葉と2021年・神奈川
そう、最終話の舞台は第5話と同じ2024年。第5話で堂本の部屋着が半袖だったりするので初夏から晩夏の頃?第6話は愛知県の話で「秋も深まり木々が色づき始める季節となりました」と始まる手紙を読むシーンがあるので、多分10〜11月くらい?
最終話の中心人物は、主婦の美佐江(坂井真紀さん)、夫・和久(テイ龍進さん)、神奈川県警捜査一課・堂本(中村アンさん)、菊池(宮近海斗さん)。
”ある男”(香川照之さん)は、「歴島」という名前で登場する。職業は終盤でガソリンスタンドの店員だとわかる。
これまで香川照之さんが演じた”ある男”は、
第1話・千葉で漁船の船員、神奈川で塾の講師
第2話・福岡でトラックの運転手
第3話・石川で理容師
第4話・宮城で酒屋の従業員
第5話・神奈川で神奈川県警の用務員
第6話・愛知でガソリンスタンドの店員、北海道で牧草を運んでくる人
以上計8人。確か6役演じるということだったと思うのだけれど、1話の漁船の船員と6話の牧草を運んでくる人は少ししか登場しないので、人数に入れず6役ということなのかもしれない。
映像は全体的に青白く、不気味に光るプールの水、夫がひっそり通う場所「BLUE WALL」は、出入り口の照明が暗闇に青々と光っていたり、歴島がプールで首からかけているタオルやガソリンスタンドで車の窓を拭くタオルも青。
さらに美佐江の持ってる傘、歴島のスイムウエア、ガソリンスタンド店員の制服には赤が入っていたり、薄暗い画面と車の走行中にでてくる送電線や高速道路の壁などの無機質な感じと相まって、差し色のように入る色がとても印象的。
そして音楽と無音のコントラスト、静けさの中に聞こえる水や風の音などメリハリがあってこれまた良い。
最終話では”ある男”歴島が美佐江を前に長々と語るシーンがある。
「僕ね、偶然とか災難っていうのは実は目に見えない力、引力みたいなものが働いた結果だと思ってるんです。何かが起こるっていうことは、いくつもの目に見えない微細な力が関与し合った結果なんじゃないかって。つまり本当の意味での偶然というものは存在しない…目に見えない力が積み重なって…可視化されるに至ったとき…人々は初めてそれを…偶然とか…災難という形で…認識するんじゃないでしょうか」
このシーンのセリフを書いてみたけれど、文章では到底そのシーンの不気味さを表現できない。表情・間・声のトーン…その怪演たるや香川照之さんは本当にすごい役者さんなんだなと思った。
堂本も結構活躍するのだけれど、彼女はこんなことを言う。
「私…なんで飯田さん(竹原ピストルさん)が殺されなきゃいけなかったんだろうって…ずっと考えてる。飯田さんが亡くなって…今、私はこうして生きてる…この差は何なんだろうって…動機も理由もない犯行だからって…それで納得できるはずない」
これに関しては厳しいこというようだけれど、堂本が関連していると思う不審死で探していたものは「理由」や「動機」で、飯田が探していたのは共通する「事実」。
無駄足かもしれないが一人で「事実」を追っていた飯田は、”ある男”に最も近づくことができた唯一の人で、”動機も理由もない犯行だからってそれで納得できるはずない”という堂本は未だに近づくことができない。
最終話の終わり方としては、全話の中で一番の「衝撃的な災い」を期待していたところもあるけれど、それなりに良い感じの終わり方だと思った。
最終話こそネタバレなしで見ないと面白さが半減しちゃうので、このくらいにしておきます。
そういえば、最終話では前述した歴島が美佐江を前に長々と語るシーンの前に地震があるのだけれど、第1話の冒頭、暗闇の中での地震のシーンで始まったことをすぐに思い出した。
”ある男”は、うなぎが好きだったのが次週では食べられなかったり、コケを育てる趣味の女性がいた翌週は、それが”ある男”の趣味になっていたり、地震の件もしかり、話をまたいだ意味ありげな演出がところどころに散りばめられていたのが楽しかった「災」。
続編作るのかな。ないのかもしれないけれど…あったらまた見たいなと思う。
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