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WOWOWドラマ「かばん屋の相続」第1・2話の少しネタバレ含む感想

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池井戸作品はあまり見ないけれど、「かばん屋の相続」は全4話で1話完結というので見てみた、姉です。

どんな感じのドラマなのかWOWOWさんのHPから引用させていただきます。

「空飛ぶタイヤ」「下町ロケット」「アキラとあきら」など連続ドラマWの歴史を何度も彩り、多くの感動を呼んできた池井戸潤。彼が2005年から2008年にかけて発表した六つの短編から4編をドラマ化。1話完結のオムニバスドラマで、それぞれの主演を、町田啓太、菅生新樹、伊藤淳史、藤原丈一郎の4人が務める。

第1話は、会社が倒産したのになぜか羽振りがよさそうな電機メーカーの元社長の真相を調べようとする銀行マン(町田)を描く「十年目のクリスマス」、
第2話は、資金繰りに苦戦する女性社長を支えようと奔走する新人行員(菅生)を描く「芥のごとく」、
第3話は、銀行から融資を見送られながら独力で多額の融資を取り付けた印刷会社社長の資金繰りを調べる融資課長(伊藤)を描く「セールストーク」、
第4話は、会社の相続を巡る兄弟の対立の渦中で奮闘する信金マン(藤原)を描く「かばん屋の相続」。

4編とも主人公は働く男たちであり、この社会で懸命に生きる人々すべてが抱える“苦悩と葛藤”“ささやかな希望”がリアルに描かれる。主人公たちの姿に自分を重ね、共感し、温かな希望を感じるに違いない珠玉の人間ドラマにご期待を!

WOWOW HPより

第1話「十年目のクリスマス」

あらすじはWOWOWさんのHPから引用させていただきます。

クリスマスシーズンのある夜、東京第一銀行に勤める永島(町田啓太)は、10年前に融資を担当した神室電機の元社長・神室(上川隆也)の姿を偶然見かける。かつては懇意にしていた神室だが、融資の願いが叶わずに破産して以来、その動向が分からなくなっていた。そんな神室が高級なスーツに身を包み、羽振りも良さそうに見えることを不思議に思う永島。ひそかに神室の身辺を調べ始めた永島は、思いがけない真相へとたどり着く。

【キャスト】
町田啓太:永島慎司(東京第一銀行・融資部調査役。10年前は西大井支店の融資係で、神室電機の融資を担当していた。)

甲本雅裕:政岡秀次(永島の上司。東京第一銀行西大井支店の支店長。神室電機に巨額の設備投資を勧める。)

上川隆也:神室彦一(神室電機の元社長。10年前、銀行から融資を見送られた上に、ある出来事により会社が倒産。)

WOWOW HPより

【第1話「十年目のクリスマス」予告】町田啓太 主演! 連続ドラマW 池井戸潤スペシャル「かばん屋の相続」【WOWOW】

ちょっとネタバレ

この話は10年前に会社が倒産、自己破産し一文無しになった神室電機の元社長・神室彦一が高級スーツを着て宝石店に客として出入りをし、高級車を乗っているのを不思議に思った10年前に神室電機の融資担当していた銀行員・永島が、神室の過去そして現在を調べ、今の現状があるのは”秘密の火災保険の保険金を受け取ったからではないか?”という推測を神室に伝え、神室も「さすが永島くんだね、支店長と融資課長に復讐した」と概ね認めるも、永島はそれを咎めることなく神室に握手を求め、満足気にその場を去る…といった感じ。

感想

神室は銀行の支店長と融資課長の5億の設備投資の口車に乗った時点で、この先自分の会社がこれ以上立ち行かなくなった時のために、コンサルティング料という名目で実は火災保険をかけていて、受け取った保険金は隠し口座に入れ、その金を新しい会社の資本金にして筆頭株主となり、その会社は今や優良企業ということなのだのだけれど…

10年前、新たな融資をしてもらえないことがわかった後におきた神室電機の火災のあと、警察に話をしにいく社長の神室を永島は呼び止め、神室は半分振り返り少し口角を上げてうっすら笑うシーンはこの話の中で一番印象に残る。さすがは上川達也さん、とても良かった。

調子の良いことを言って巨額の設備投資に踏み切らせ、困ったときにはしらを切る銀行の支店長・融資課長に復讐するため、神室は万が一の時のために用意していた秘密の火災保険がある状態で、火災をおこし計画を実行したということだった…とわかると、それまでの神室の言っていた言葉の奥に隠れた本当の意味がわかってきて面白い。

主演となるのは銀行員・永島の町田啓太さんなのかもしれないけれど、神室を演じている上川達也さんがとても良いし、一番印象に残る。

「隠し口座」とかばれないものなのか?と不思議に思うことはあるけれど、永島が神室を咎めることなく、最後に握手を求め、それに神室も答えるという終わり方は良かった。

いつの時代設定の話か正確にはわからないけれど、皆ガラケーを使っていて、銀行の看板や備品のファイルなどところどころに「赤」が使われていたのが印象的な面白い話だった。

第2話 「芥のごとく」

あらすじはWOWOWさんのHPから引用させていただきます。

産業中央銀行の新人行員・山田(菅生新樹)は、資金繰りに苦しむ町工場・土屋鉄商の担当となり、女性社長の年子(黒木瞳)と知り合う。融資課長の斉藤(平山浩行)の前で「土屋鉄商を立ち直らせる」と宣言した山田は、年子の誠実な姿勢を信じて奔走する。業績は悪化の一途をたどるものの、山田と年子はより一層、信頼関係を深めていく。しかし、資金調達に苦戦する年子の前に非情な現実が立ちはだかる。

【キャスト】
菅生新樹:山田一(産業中央銀行中原支店の新人行員。初めて担当となった土屋鉄商を支えようと奔走する。)

池端杏慈:土屋佑子(年子の姪。大学に通いながら土屋鉄商で年子のお手伝いをしている。)

平山浩行:斉藤雄治(産業中央銀行中原支店の融資課長。融資課に来た山田の成長を見守っている。)

黒木瞳:土屋年子(土屋鉄商の女性社長。資金繰りに苦戦しながらも、土屋鉄商を存続させようと必死にもがいている。)

WOWOW HPより

【第2話「芥のごとく」予告】菅生新樹 主演! 連続ドラマW 池井戸潤スペシャル「かばん屋の相続」【WOWOW】

ちょっとネタバレ

この話では結局、社長の年子は街金などにも手を出し、会社存続のため資金調達をしてきたが、いよいよ銀行へ支払いできなくなり年子は逃げる。その1年後、山田に連絡してきた姪の祐子は自分の父親(年子の弟)が知人の連帯保証人になり多額の借金をし、それを年子が肩代わりし返済はできたが、それが会社の経営が行き詰まる大きな原因だったことを伝え、脳梗塞で倒れリハビリ中の年子に山田が会いに行く、という話。

感想

毎月の支払いのために資金調達に奔走している年子を見ていると、そんな思いをしてまで会社を続けたいと思う気持ちが痛々しく、街金から借りる前に区切りをつけようとは思えなかったのかと見ていて思ったけれど、なかなかそういうわけにはいかないものなのかな…とも思ったりした。

そんな頑張っていた社長の年子には申し訳ないけれど、弟が知人の連帯保証人になっちゃったっていうのはともかく、それを姉の年子が肩代わりして返済はしたけれど、そのせいで自分の会社が傾き最後はどうにもならなくなって逃げるって…まさに本末転倒。弟は”連帯保証人”になった自分を呪い、自己破産してでも自分で責任取るべきじゃなかったのでは?

山田と斉藤課長がもぬけの殻の年子の会社を後にした帰り道の会話がせつない。
山田:なんで、はいつくばってでも頑張るって言ってたのに…
課長:あっけないもんだろ。自分を責めるなよ、仕方がないと思え、救える会社ばかりじゃないんだ、淘汰される会社も必ずある。
山田:あんなに頑張って生きてきたのに、必死で生きようとしてきたのに…
課長:それが俺達が相手にしている中小企業ってやつだ。

最後は1年後に年子の姪に年子が脳梗塞で倒れて…という話を聞き、多分右半身に後遺症が残り頑張ってリハビリをしている年子のところに山田は会いに行くのだけれど、いろんな所から借金をして逃げた年子は借金はどうしたのだろう?自己破産とかで返さなくてもよくなったのかな?その辺のことについては触れられていないのでよくわからない。

こちらの話もいつの時代設定の話か正確にはわからないけれど、皆ガラケーを使っていて、年子の使っていた水筒?マグボトル?のデザインが可愛らしいこと、銀行の看板や備品のファイルなどところどころに「緑」が使われていたのが印象的な話だった。

1話・2話を見てみて

同じ日の夜10時から第1話、11時から第2話と続けて2つの話が配信されたので、自然と2つを比べてしまう。ちょっと酷だけれど、断然面白かったのは第1話「十年目のクリスマス」。上川達也さんをはじめキャストのみなさんも良かったし、結末を含め話が面白い。

実はこの記事を書いている時点で筆者は翌日に配信された第3話・第4話も見ている。第3話・第4話の感想、全4話のなかでどの話が面白かったか、など明日にでも少し書きたいと思う。

【第1話無料配信!】 連続ドラマW 池井戸潤スペシャル「かばん屋の相続」【WOWOW】(2025年12月29日現在)

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